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一戸建ての家の売却相場は、「土地の値段」と「建物の値段」に分けて足すと、自分でおおよそ計算できます。建物の値段は築年数とともに下がり、当サイトの集計では築30年代で新築時の約5%まで小さくなります。
この記事でわかること
「うちの家はいくらで売れるのだろう」と考えたとき、多くの人が最初に調べるのが路線価や公示地価です。ただし、これらは土地だけの物差しで、建物の値段は含まれていません。一戸建てを売るなら、建物がいくらと見られるのかまで分からないと、相場の見当はつきません。
この記事では、不動産会社の査定でも使われる考え方に沿って、家の値段を土地と建物に分けて見積もる方法を解説します。建物の値段が築年数でどう下がるのかは、国土交通省の実取引データを当サイトで集計した結果で示します。査定を頼む前に自分で目安を持っておくと、査定額を比べるときの判断材料になります。

一戸建ての売却相場は、土地の値段と建物の値段の合計で考えるのが基本です。土地は近所で実際に売れた土地の価格から、建物は「いま建て直すといくらかかるか」から古くなった分を差し引いて見積もります。
マンションは1つの部屋に土地の持ち分と建物がセットになっているため、同じマンションや近くのマンションの成約価格から相場をつかみやすい物件です。一方、一戸建ては土地の広さや形、建物の大きさや傷み具合が1軒ずつ違います。そのため、土地と建物を分けて考えたほうが、自分の家に当てはめやすくなります。
不動産の価格の出し方は、国土交通省の「不動産鑑定評価基準」で原価法・取引事例比較法・収益還元法の3つに大きく分けられています(出典:国土交通省「法令・不動産鑑定評価基準等」)。
取引事例比較法とは、似た条件の不動産が実際にいくらで売れたかを集め、広さや立地の違いを補正して価格を求める方法です。原価法とは、その建物をいま新しく建てた場合の費用(再調達原価)を求め、古くなった分を差し引いて価格を求める方法です。収益還元法は家賃収入から価格を逆に求める方法で、主に賃貸用の物件で使われます。
一戸建ての査定では、土地は取引事例比較法、建物は原価法で見積もり、両方を足す形が一般的です。国土交通省の指針も、中古戸建て住宅の流通時の評価には「主に原価法が用いられている」と記しています(出典:国土交通省「中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針」)。
また、不動産会社は査定額を示すときに、その根拠を明らかにする義務があります(宅地建物取引業法34条の2第2項)。根拠として使われるのが、公益財団法人不動産流通推進センターの価格査定マニュアルや、同じような物件の取引事例です(出典:国土交通省「価格査定マニュアルの改訂経緯」)。戸建て住宅の査定マニュアルは、2015年7月に建物の評価を見直す形で改訂されています。
マンションなら、同じ建物の別の部屋が最近いくらで売れたかを見れば、相場のかなり近くまでたどり着けます。部屋の向きや階数の違いを少し補正すれば、自分の部屋の目安になります。
マンションの場合はマンション売却の相場の調べ方|レインズで成約価格を見る方法へ。
ところが一戸建ては、隣の家が3,000万円で売れても、自分の家が同じ値段になるとは限りません。土地が20㎡広ければ土地の値段が変わり、建物が10年新しければ建物の値段が大きく変わります。「近所の似た家の価格」を丸ごと当てはめるより、土地と建物を別々に見積もって足すほうが、ずれの理由も説明しやすくなります。

当サイトが国土交通省の実取引データを集計したところ、木造戸建ての建物の値段は最初の10年で新築時の半分以下になり、築30年代では約5%まで下がります。一方で、築20年代の取引の7割以上は、土地の相場より高い価格で成立していました。
集計の方法は次のとおりです。戸建ての取引価格から、同じ市区町村で売れた土地の㎡単価の中央値に土地面積を掛けた金額を差し引き、残りを「建物の値段」とみなしました。これを延床面積で割り、築年数ごとに中央値をとっています。
築年数 | 件数 | 建物の値段(延床1㎡あたり・中央値) | 取引価格に占める建物の割合 | 土地の相場以下で売れた取引 |
|---|---|---|---|---|
築2年以内 | 6,980件 | 約22.5万円 | 58% | 2% |
築3〜9年 | 920件 | 約16.1万円 | 51% | 6% |
築10〜19年 | 1,257件 | 約10.1万円 | 41% | 14% |
築20〜29年 | 1,710件 | 約4.8万円 | 28% | 27% |
築30〜39年 | 2,109件 | 約1.0万円 | 12% | 44% |
築40〜49年 | 1,866件 | マイナス | マイナス | 64% |
築50年以上 | 1,356件 | マイナス | マイナス | 73% |
※当サイトが集計した国土交通省の実取引データ(出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ「不動産取引価格情報」)。埼玉・千葉・神奈川・茨城・栃木・群馬の6県、2025年4〜6月期〜2026年1〜3月期。種類「宅地(土地と建物)」のうち木造・用途が住宅・土地500㎡以下・延床50〜250㎡・建築年が分かる16,198件。

延床100㎡の家に当てはめると、建物の値段の目安は築2年以内で約2,250万円、築10〜19年で約1,000万円、築20〜29年で約480万円、築30〜39年で約100万円です。新築時の値段を100とすると、築3〜9年で約70、築10〜19年で約45、築20〜29年で約20、築30〜39年で約5になります。
取引価格そのもの(土地と建物の合計)の中央値も、築年数とともに下がります。築2年以内は4,000万円、築3〜9年は3,300万円、築10〜19年は2,600万円、築20〜29年は1,900万円、築30〜39年は1,100万円、築40年以上は700万円でした。土地の広さや場所の違いも混ざった値ですが、築年数が10年進むごとに数百万円ずつ下がっていく流れは読み取れます。
この集計は、土地の相場を市区町村の中央値で置いています。そのため、個々の土地の広さや形、道路づけの良し悪しも「建物の値段」に混ざっています。1軒ずつの値ではなく、築年数による傾向として読んでください。土地の基準を町丁(同じ地区)の中央値に変えて計算し直しても、結果はほぼ同じでした。
建物の値段の下がり方は、県によって差があります。地価の高い神奈川県は築浅のうちは建物の値段が高いものの、築30年代で中央値がマイナスに転じました。一方、栃木県や茨城県は、築30年代でもプラスの値段が残っています。
県 | 築10〜19年 | 築20〜29年 | 築30〜39年 |
|---|---|---|---|
神奈川県 | 約12.2万円 | 約4.9万円 | マイナス |
千葉県 | 約8.8万円 | 約4.5万円 | 約1.5万円 |
埼玉県 | 約8.6万円 | 約4.6万円 | 約0.7万円 |
茨城県 | 約10.1万円 | 約5.3万円 | 約1.9万円 |
栃木県 | 約11.0万円 | 約6.8万円 | 約3.3万円 |
群馬県 | 約9.2万円 | 約3.2万円 | 約1.3万円 |
※延床1㎡あたりの建物の値段(中央値)。集計の条件は上の表と同じ。
土地の値段が高い地域では、古い建物を取り壊す費用や、土地を有効に使えないことによる損が価格に表れやすいためと考えられます。反対に、土地の値段が比較的手ごろな地域では、建物をそのまま使いたい買い手が多く、古い建物にも値段が残りやすい傾向がうかがえます。自分の家がある地域の地価水準も、建物の値段を見積もるときの手がかりになります。
築40〜49年の取引の64%、築50年以上の73%は、土地だけの相場より安い価格で成立していました。建物の値段の中央値もマイナスです。古い建物が建っていることが、かえって価格を押し下げている取引が多いことを示しています。
理由として考えられるのは、買い手が建物を取り壊す費用や、住めるように直す費用を差し引いて値付けしていることです。不動産取引の現場でも、築年数の古い家は「古家付きの土地」として売り出され、買い手は土地として評価するケースがよく見られます。
ただし、築50年以上でも27%の取引は土地の相場より高く売れています。手入れが行き届いた家や、古民家として価値が認められる家、リフォーム済みの家などは、建物に値段がつく余地があります。建物が古い家の売り方の選択肢は、空き家の売却完全ガイド|更地と古家付き・税金・売れない対策で解説しています。
「木造住宅は22年で価値がゼロになる」と聞いたことがあるかもしれません。22年は、国税庁が定める木造の住宅用建物の法定耐用年数で、税金の計算(減価償却)に使う年数です(出典:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」)。建物が22年で使えなくなるという意味でも、市場で値段がつかなくなるという意味でもありません。
国土交通省の指針は、中古戸建ての評価で「築後20〜25年で建物価値をゼロとみなす」運用が一般的だったことを課題として挙げています。そのうえで、基礎や柱などの躯体は性能に応じて20年より長い耐用年数を設定するよう求めました。参考値として、長期優良住宅は100年超、劣化対策等級3は75〜90年、等級2は50〜60年が示されています。
実際の取引でも、築20〜29年の建物には延床1㎡あたり約4.8万円の値段が残っていました。「築20年を過ぎたら建物はゼロ」と決めつけず、自分の家の状態に合わせて見積もることが大切です。

土地部分の目安は、近所で実際に売れた土地の㎡単価に、自宅の土地面積を掛けて求めます。国土交通省の不動産情報ライブラリでは、市区町村や地区ごとの土地の取引価格をだれでも無料で見られます。
取引事例を探すときは、駅からの距離や前面道路の幅、土地の広さが自宅に近いものを選ぶのがコツです。極端に広い土地や狭い土地、形がいびつな土地の事例は、㎡単価が大きくずれることがあります。3〜5件ほど似た事例を集め、その真ん中あたりの単価を使うと大きく外しにくくなります。取引の時期も大切で、地価が動いている地域では1〜2年以内の事例を優先すると、いまの相場に近づきます。土地の相場の調べ方は土地を高く売る方法|査定・相場・税金の完全ガイド2026で詳しく解説しています。
築年数が進んだ家ほど、売却相場に占める土地の値段の比重は大きくなります。当サイトの集計では、取引価格に占める建物の割合は築20〜29年で28%、築30〜39年で12%でした。古い家ほど、土地の見積もりの精度が相場全体の精度を決めると考えてください。
公示地価や路線価は、取引事例で出した単価が大きく外れていないかを確かめる物差しとして使えます。それぞれの価格の性格や違いは路線価・公示地価・実勢価格の違いを徹底解説|土地の調べ方、公示地価を使って土地の目安を出す手順は2026年公示地価を徹底解説|全国47都道府県ランキングと上昇・下落エリアをご覧ください。
市区町村ごとの土地の相場をまとめて知りたい場合は、神奈川・埼玉・千葉の地価2026|市区町村ランキングと土地価格や北関東(茨城・栃木・群馬)の地価2026|市町村ランキングと土地・中古住宅相場も参考になります。角地や旗竿地、高低差といった戸建ての土地ならではの条件は、後ほど「概算と査定額がずれる要因」で取り上げます。

建物部分の目安は、「いま建て直すといくらかかるか」×延床面積×残りの価値の割合で求めます。原価法と同じ考え方を、自分で計算しやすい形にしたものです。
再調達原価とは、いまある建物と同じものを新しく建てた場合にかかる費用のことです。公的な目安として使えるのが、国税庁の「建物の標準的な建築価額表」です。木造住宅の1㎡あたりの建築費は、令和5年(2023年)で20.41万円でした(出典:国税庁「建物の標準的な建築価額表」)。
この表は、国土交通省の建築着工統計の工事費予定額を床面積で割ったものです。本来は、売却時の税金の計算で建物の取得価額が分からないときに使う表ですが、建築費の水準を知る目安になります。平成23年(2011年)の15.68万円と比べると、令和5年は約1.3倍に上がっています。
当サイトの集計では、築2年以内の建物の値段は延床1㎡あたり約22.5万円で、国税庁の表より約1割高い水準でした。新築の建売住宅には、建築費のほかに販売にかかる経費などが上乗せされているためと考えられます。自分で計算するときは、国税庁の表の20.4万円前後を使うと手堅い見積もりになります。
延床面積は、登記簿(登記事項証明書)や、購入時の重要事項説明書・建築確認の書類で確かめられます。吹き抜けやロフト、車庫の扱いで面積が変わることがあるため、書類に書かれた数字を使うのが確実です。なお、ハウスメーカーの高いグレードの住宅は建て直す費用も高くなりますが、中古市場でその差がどこまで評価されるかは物件しだいです。
残りの価値の割合は、当サイトの集計から求めた次の目安を使います。築2年以内の建物の値段を100%としたときの、各年代の中央値の割合です。
築年数 | 残りの価値の割合(目安) | 延床100㎡の場合の建物の値段 |
|---|---|---|
築3〜9年 | 約70% | 約1,460万円 |
築10〜19年 | 約45% | 約910万円 |
築20〜29年 | 約20% | 約430万円 |
築30〜39年 | 約5% | 約90万円 |
築40年以上 | 0%(土地の相場を下回ることも) | 0円 |
※建て直す費用を延床1㎡あたり20.41万円(国税庁 令和5年・木造)として計算。当サイト独自試算であり、実際の価格は建物の状態・地域・需要によって異なります。
最初の10年で値段が大きく下がるのは、建物の値段のうち内装や設備(キッチン・浴室・給湯器・壁紙など)の占める部分が、10〜20年ほどで交換の時期を迎えるためと考えられます。国土交通省の指針も、住宅を「基礎・躯体」と「内外装・設備」に分け、それぞれの寿命に応じて評価する考え方を示しています。基礎や柱がしっかりしていれば、内装や設備を直すことで建物の価値は取り戻せます。
法定耐用年数の22年で一律に割る方法は使いません。税金の計算のための年数で、実際の取引での値段の下がり方とは合わないためです。上の表は実際に売れた価格から求めた割合なので、市場の値付けに近い目安になります。
同じ築年数でも、建物の値段には大きな幅があります。当サイトの集計でも、築10〜19年の建物の値段は延床1㎡あたり約3.8万〜16.0万円(真ん中の半数が入る範囲)に広がっていました。差をつける要素の1つが、建物の状態を示す記録です。
インスペクション(建物状況調査)の報告書があれば、買い手は雨漏りやシロアリの心配を減らせます。費用や流れはインスペクション(建物状況調査)とは?費用・流れ・注意点を完全解説で解説しています。屋根や外壁の塗り替え、給湯器や水回りの交換の時期と費用が分かる記録も、建物の評価を支える材料になります。
国土交通省の指針も、内装や設備を適切に直していれば住宅の価値は回復・向上するものとして評価に反映すべきだとしています。ただし、売る前にリフォームすれば必ず元が取れるわけではありません。リフォームしてから売るべきかどうかは不動産売却前のリフォームは必要?費用対効果とそのまま売る比較を参考に判断してください。

ここまでの方法で、2軒の家の売却相場を概算してみます。土地は「近所の土地の㎡単価×土地面積」、建物は「建て直す費用×延床面積×残りの割合」で計算し、足し合わせます。土地の㎡単価は説明のための仮の数字です。
近所の土地が1㎡あたり15万円前後で売れている街にある、築15年の木造2階建てを想定します。
項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
土地 | 15万円×120㎡ | 1,800万円 |
建物 | 20.41万円×100㎡×約45% | 約910万円 |
合計(概算の売却相場) | 土地+建物 | 約2,710万円 |
築15年の建物には、まだ約900万円の値段が残る計算です。当サイトの集計でも、築10〜19年の戸建ての取引価格の中央値は2,600万円で、この概算と近い水準にあります。
ただし、建物の値段は状態によって大きく変わります。外壁や屋根の手入れを定期的にしてきた家なら上振れし、雨漏りの跡があるなど傷みが目立つ家なら下振れします。概算は「状態がふつうの家の真ん中あたり」と考えてください。
土地の㎡単価の置き方でも結果は動きます。単価を2万円高い17万円にすると土地は2,040万円、2万円低い13万円にすると1,560万円で、合計は約2,470万〜2,950万円の幅になります。土地の値段の比重が大きい家ほど、取引事例を丁寧に選ぶことが概算の精度を左右します。
近所の土地が1㎡あたり12万円前後の街にある、築35年の木造住宅です。
項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
土地 | 12万円×150㎡ | 1,800万円 |
建物 | 20.41万円×95㎡×約5% | 約90万円 |
合計(概算の売却相場) | 土地+建物 | 約1,890万円 |
ケース1と土地の値段は同じ1,800万円ですが、建物の値段がほとんど残らないため、合計は約800万円低くなります。築30年を超えると、家の売却相場は土地の値段とほぼ同じと考えておくのが現実的です。
築35年の家は1990年前後に建てられているため、1981年6月に始まった新しい耐震基準(新耐震)で建てられている可能性が高い年代です。建築確認の日付が分かる書類があれば、査定のときに新耐震であることを示せます。これより古い旧耐震の家は、後で触れるように価格が下がりやすくなります。
さらに、築30〜39年の取引の44%は土地の相場を下回っていました。買い手が解体やリフォームの費用を差し引くと、1,800万円を下回る可能性もあります。建物をどう扱って売るかで手取りが変わるため、古家付きのまま売るか更地にするかは空き家の売却完全ガイド|更地と古家付き・税金・売れない対策で比べてみてください。
「3,000万円で買った家はいくらで売れるのか」と考える人も多いでしょう。買った値段から見積もるときは、建物部分は購入時の価格ではなく、いまの建築費をもとに計算するのがポイントです。
15年前に3,000万円(土地1,400万円・建物1,600万円)で買った、延床100㎡の家を例にします。
もし購入時の建物価格1,600万円に45%を掛けると約710万円となり、建物を約200万円低く見積もってしまいます。建築費は平成23年から令和5年までに約1.3倍に上がっているため、建物はいま建て直すといくらかかるかで考えるのが原価法の考え方です。
自分の土地のまわりで地価がどう動いたかは、不動産情報ライブラリで公示地価の地点の推移を見ると確かめられます。なお、この計算は売却相場の見積もりで、売ったときの税金を計算するための「取得費」とは別物です。税金の計算は不動産売却の譲渡所得税と3,000万円控除|計算・申告を完全解説をご覧ください。

自分で出した概算と、不動産会社の査定額が大きく違うことはよくあります。ずれの多くは、その家に固有の条件が概算に入っていないことから生まれます。代表的な7つを整理します。
要因 | ずれる方向 | 理由 |
|---|---|---|
再建築不可・接道の問題 | 大きく下がる | 建て替えができず、住宅ローンも組みにくい |
旧耐震の建物 | 下がる | 1981年5月以前に建築確認を受けた建物は、耐震性への不安から買い手が減りやすい |
境界が確定していない | 下がる・売れにくい | 隣地とのトラブルを避けたい買い手が敬遠する |
土地の条件(形・道路・高低差・擁壁) | 上がる・下がる | 角地や南道路は好まれ、旗竿地や古い擁壁は敬遠されやすい |
既存不適格(建ぺい率・容積率の超過) | 下がる | 建て替えると今と同じ大きさの家が建てられない |
建物の状態と記録の有無 | 上がる・下がる | 雨漏りやシロアリの跡は減額、点検や修繕の記録は評価を支える |
売り出す時期と市況 | 上がる・下がる | 買い手が多い時期は値引きせずに売れやすい |
とくに影響が大きいのは再建築不可です。前面の道路が建築基準法上の道路でない、道路に接する間口が2m未満といった土地では、同じ広さの土地の相場より大幅に安くなることがあります。接道のルールは接道義務・セットバック・再建築不可とは|土地の道路ルール、既存不適格の考え方は建ぺい率・容積率とは?土地選びで知っておくべき建築制限の基礎で確認できます。
旧耐震の建物は、買い手が住宅ローンを組むときに担保の評価が低く出たり、耐震診断や補強の費用を見込まれたりして、価格が下がりやすくなります。耐震診断の結果や補強工事の記録があれば、査定のときに見せられるよう準備しておきましょう。
境界の確定には測量が必要で、数か月かかることもあります。売ると決めたら早めに境界標や測量図の有無を確かめておくと安心です。売り出しの時期による違いは不動産を売るタイミング完全ガイド|季節・市況・税金の3軸と逆算スケジュール【2026】で解説しています。

自分で出した概算は、査定額が妥当かどうかを確かめる物差しとして使います。概算をそのまま売り出し価格にするのではなく、査定の根拠と見比べることで、納得して値付けできるようになります。
査定を頼むときは、次の資料を手元にそろえておくと、自分の概算と査定額を同じ土俵で比べやすくなります。
査定額が概算と大きく違うときは、担当者に「土地と建物をそれぞれいくらと見ているか」「どの取引事例を根拠にしたか」を聞いてみましょう。不動産会社には査定額の根拠を示す義務があるため、きちんとした会社なら説明を用意しています。
注意したいのは、ほかの会社より極端に高い査定額です。媒介契約を取るために高い金額を示し、売れなければ値下げを勧めるというケースは、不動産取引の現場でたびたび指摘されます。根拠の説明があいまいな場合は慎重に判断してください。媒介契約の選び方は不動産売却の専任媒介・一般媒介の選び方と囲い込み対策、複数社の査定の集め方は不動産一括査定サイトの選び方|注意点と賢く使うコツを解説が参考になります。
売り出し価格は、値引き交渉の余地を見込んで、査定額や概算より少し高めに設定するのが一般的です。ただし、上乗せしすぎると売れ残る原因になります。
東日本レインズによると、2026年8月の首都圏の中古戸建ての成約価格は3,960万円でした。一方、売り出されたまま成約していない在庫物件の価格は4,799万円で、成約価格より約2割高い水準です(出典:東日本レインズ「月例速報 Market Watch サマリーレポート 2026年8月度」)。相場より高く売り出した物件ほど、売れずに残りやすいことがうかがえます。
不動産取引の現場では、査定額に数%から1割程度を上乗せして売り出し、問い合わせや内覧の数を見ながら見直すケースが多く見られます。自分の概算が査定額より低いなら上乗せは控えめに、概算と査定額が近いなら少し余裕を持たせる、という使い方もできます。
仲介手数料などの費用は不動産売却の費用はいくら?仲介手数料と諸費用の内訳【2026】にまとめています。
多くの場合、土地代とほぼ同じか、それを下回る値段になります。当サイトの集計では、築50年以上の木造戸建ての73%が土地の相場以下で取引されていました。ただし、手入れの行き届いた家やリフォーム済みの家は、建物にも値段がつくことがあります。建物を残すか取り壊すかで手取りが変わるため、売り方は不動産会社と相談して決めましょう。
路線価から分かるのは土地の値段の目安だけで、建物の値段は含まれません。一戸建ての売却相場を知るには、この記事で紹介したように建物の値段を別に見積もって足す必要があります。路線価の性格や使い方は路線価・公示地価・実勢価格の違いを徹底解説|土地の調べ方をご覧ください。
建物の傷み具合や、点検・修繕の記録の有無、断熱や耐震などの性能が違うためです。当サイトの集計では、築10〜19年の建物の値段は延床1㎡あたり約3.8万〜16.0万円と4倍以上の幅がありました。記録をそろえて状態を示せると、評価が下がりにくくなります。インスペクションの報告書は、買い手の不安を減らす材料として効果的です。
新築の価格には、建築費のほかに販売経費などが含まれており、一度人が住むとその分がはがれ落ちるためと考えられます。当サイトの集計でも、延床1㎡あたりの建物の値段は築2年以内の約22.5万円から、築3〜9年で約16.1万円へと約3割下がっていました。新築の時点で上乗せされていた分は、売るときには値段に反映されにくいと考えておくと、見積もりが甘くなりません。
家の売却相場を自分で計算するポイントを整理します。
自分で出した概算は、査定額の根拠を確かめるための物差しです。概算を手元に置いたうえで複数の不動産会社に査定を頼み、土地と建物をどう見たかを聞き比べてみてください。売却全体の進め方は不動産売却の流れ完全ガイド|9ステップと期間・必要書類【2026】、買い替えを考えている場合は住み替え完全ガイド|売り先行・買い先行と費用・税金もあわせてご覧ください。