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不動産売却は、売り方を決めてから9つのステップを進めるのが基本の流れです。仲介で売る場合、査定の依頼から引き渡しまでにかかる期間は平均3〜6カ月。最初にやるべきは不動産会社探しではなく、必要書類をそろえることと売り方を決めることです。
この記事でわかること
「不動産を売りたいけれど、何から手をつければいいのかわからない」——初めての売却では、全体像がつかめないまま不動産会社に相談してしまい、言われるままに進んでしまうことが少なくありません。この記事では、売却の入口から引き渡し後の確定申告までを1本の線でつなぎ、各工程で売主が判断すべきポイントだけを整理します。個別の手続きの深掘りは、それぞれの詳しい記事へリンクしています。
最終更新日:2026年8月21日(東日本レインズ 月例速報 Market Watch 2026年7月度を反映)

不動産売却は「売り方の決定」と「9ステップの実行」の2階建てです。先に売り方が決まらないと、査定を頼む相手も、かかる期間も、手元に残る金額も変わってしまいます。
売り方は大きく4つあります。一般には「仲介か買取か」の2択で説明されることが多いのですが、実際にはその中間や、会社を通さない方法もあります。
売り方 | 期間の目安 | 価格の水準 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
仲介 | 3〜6カ月 | 市場相場 | 価格を優先したい人(最も一般的) |
買取 | 最短1〜2週間 | 相場の6〜8割 | 期日が決まっている人・人に見せたくない人 |
買取保証 | 3〜6カ月+確定 | 売れれば相場/保証時は6〜8割 | 期限はあるが、まずは高く売りたい人 |
個人間売買 | 当事者次第 | 当事者の合意額 | 買主が決まっている人(親族間など) |
それぞれの詳しい違いと選び方は次のセクションで解説します。ここではまず、最も一般的な「仲介」の全体像を押さえておきましょう。
仲介で売る場合の流れは9つのステップに整理できます。合計の期間はおおむね3〜6カ月です。
STEP | 内容 | 所要期間 | 売主がやること | 費用の発生 |
|---|---|---|---|---|
1 | 準備(書類集め・残債確認) | 2〜4週間 | 書類の取得・ローン残高の確認 | 証明書の取得費用(数千円) |
2 | 査定の依頼・会社の比較 | 2〜3週間 | 複数社へ依頼・根拠を比較 | なし(査定は無料が一般的) |
3 | 媒介契約の締結・価格決定 | 1〜2週間 | 契約形態の選択・売り出し価格の決定 | なし |
4 | 売却活動の開始(広告・レインズ登録) | — | 特になし(不動産会社が実施) | なし |
5 | 内覧対応 | 1〜3カ月 | 片付け・清掃・当日の立ち会い | 清掃費など(任意) |
6 | 買付申込の受領・価格交渉 | 1〜2週間 | 価格・引き渡し条件の判断 | なし |
7 | 売買契約の締結 | 1日 | 契約書の確認・押印・手付金の受領 | 印紙税/仲介手数料の半金 |
8 | 決済・引き渡し | 契約から1〜2カ月後 | 残代金の受領・鍵の引き渡し | 仲介手数料の残金/抵当権抹消費用 |
9 | 確定申告 | 翌年2月16日〜3月15日 | 譲渡所得の申告 | 譲渡所得税(利益が出た場合) |
STEP4は不動産会社が動く工程で、売主にやることはほとんどありません。売主が実際に手を動かすのはSTEP1〜3の準備段階と、STEP5〜7の判断の場面に集中しています。
売却でお金が出ていくのは、大きく分けて契約時(STEP7)と決済時(STEP8)、そして翌年の確定申告(STEP9)の3回です。
売却にかかる費用の内訳と金額の目安は不動産売却の費用はいくら?仲介手数料と諸費用の内訳【2026】で詳しく解説しています。手取りの計算をしたい場合はこちらを先に読んでおくと、売り出し価格を決めるときの判断がしやすくなります。

結論から言うと、価格を優先するなら仲介、期日を優先するなら買取です。そしてその中間に位置するのが買取保証という仕組みです。まずは4つの違いを構造から理解しましょう。
違いの本質は「誰が買主になるか」です。買主が一般の個人なら時間はかかるが相場で売れ、買主が不動産会社なら早いが価格は下がります。
項目 | 仲介 | 買取 | 買取保証 | 個人間売買 |
|---|---|---|---|---|
買主 | 一般の個人 | 不動産会社 | 期間内は個人/期限後は会社 | 知人・親族など |
期間 | 3〜6カ月 | 最短1〜2週間 | あらかじめ決めた期間+確定 | 当事者次第 |
価格 | 市場相場 | 相場の6〜8割 | 売れれば相場/保証なら6〜8割 | 当事者の合意額 |
仲介手数料 | あり | なし | 売れた場合はあり | なし |
内覧対応 | 必要 | 不要 | 期間中は必要 | 原則不要 |
契約不適合責任 | 負う(特約で期間短縮が一般的) | 免責の交渉がしやすい | 売れ方による | 自分で条件を決める必要がある |
重要事項説明 | 不動産会社が実施 | 不動産会社が実施 | 不動産会社が実施 | なし(自己責任) |
この表で見落とされがちなのが下の2行です。仲介や買取では宅地建物取引業者が重要事項説明を行い、トラブルの芽を事前に洗い出します。個人間売買にはその工程がありません。
「6〜8割」という数字だけを見ると安く買い叩かれているように感じますが、これは構造的な理由から生まれる差です。買取業者は、買った物件をそのまま持ち続けるのではなくリフォームして再販することを前提に仕入れます。
そのため買取価格は、想定される再販価格から次のコストを差し引いた金額になります。
買取価格が相場の6〜8割になるのは、業者が再販時のリフォーム費・保有コスト・利益をあらかじめ差し引いて仕入れるためです。逆に言えば、リフォーム不要なほど状態が良い物件や、再販しやすい人気立地の物件は、買取でも8割に近い価格が出ることがあります。複数社に買取査定を出すと差が大きく開くのはこのためです。
なお買取には、価格が下がる代わりに次のメリットがあります。仲介手数料がかからない、内覧対応が不要、引き渡し日を自分で決められる、契約不適合責任を免責にする交渉がしやすい——期日が決まっている売却では、これらが価格差を上回る価値になることもあります。
買取保証は、一定期間は仲介で売却活動を行い、期間内に売れなければあらかじめ決めた価格で不動産会社が買い取る仕組みです。「住み替え先の決済日が決まっているが、まずは相場で売りたい」というケースに向きます。ただし保証価格や対象条件は会社ごとに異なるため、保証価格・保証期間・対象外になる条件を契約前に必ず書面で確認してください。
個人間売買は、親族間や隣地所有者など買主がすでに決まっている場合に選ばれます。仲介手数料は不要ですが、契約書の作成、契約不適合責任の取り決め、所有権移転登記、住宅ローンの手配をすべて当事者で負うことになります。とくに買主が住宅ローンを使う場合、金融機関が宅地建物取引業者の重要事項説明を求めることが多く、実際には司法書士や不動産会社への依頼が必要になるケースが少なくありません。
次の順で確認すると、選ぶべき方法が絞り込めます。
迷う場合は、仲介の査定と買取の査定を両方取って金額差を確認するのが確実です。差額が想像より小さければ買取を選ぶ判断もありえます。査定の集め方は不動産一括査定サイトの選び方|注意点と賢く使うコツを解説を参照してください。土地の売却で仲介と買取を使い分ける具体的な判断は土地を高く売る方法|査定・相場・税金の完全ガイド2026で解説しています。

売却で最初にやるべきは、査定の依頼ではなく書類集めです。取得に日数がかかる書類があり、後回しにすると契約直前に慌てることになります。
必要な書類は物件の種類によって異なりますが、共通して求められるものは次のとおりです。「どこで・いくらで・いつまでに」まで把握しておくと段取りが崩れません。
書類 | 取得先 | 費用の目安 | いつ必要か |
|---|---|---|---|
登記事項証明書(登記簿謄本) | 法務局(窓口・郵送・オンライン) | 書面600円/オンライン請求は送付520円・窓口受取490円 | 査定〜契約 |
登記識別情報通知(権利証) | 手元に保管(再発行不可) | — | 決済 |
固定資産税・都市計画税の納税通知書 | 毎年郵送。紛失時は市区町村 | 数百円(課税明細の取得時) | 査定〜精算 |
固定資産評価証明書 | 市区町村(東京23区は都税事務所) | 300円前後 | 登記手続き |
印鑑登録証明書 | 市区町村・コンビニ交付 | 200〜300円前後 | 決済(発行3カ月以内を求められることが多い) |
建築確認済証・検査済証 | 手元に保管。紛失時は自治体で台帳記載事項証明 | 300円前後 | 査定〜契約(戸建て) |
管理規約・長期修繕計画・総会議事録 | 管理会社 | 無料〜数千円 | 査定〜契約(マンション) |
購入時の売買契約書・領収書 | 手元に保管 | — | 確定申告(取得費の証明) |
登記事項証明書の手数料は令和7年4月1日改定後の額(出典:法務省「登記手数料について」・データ取得日2026年8月21日)。その他の書類の費用・所要日数は自治体により異なるため、お住まいの市区町村の公式情報でご確認ください。
この中でとくに重要なのが最後の1つです。購入時の売買契約書を紛失すると取得費を証明できず、売却価格の5%を取得費とみなす概算取得費が適用され、税額が大きく増えることがあります。たとえば3,000万円で売れた場合、取得費はわずか150万円として計算されるため、譲渡所得が実態よりはるかに大きくなります。まず探すべきはこの書類です。
あわせて、住宅ローンが残っている場合は金融機関から残高証明書を取り寄せ、売却価格で完済できるかを確認しておきましょう。売却額が残債を下回るオーバーローンの場合は、通常の売却ができない可能性があります。
書類がそろったら査定です。査定には机上査定(簡易査定)と訪問査定の2種類があり、売り出し価格を決めるには訪問査定が必要になります。
依頼先は必ず複数社にしてください。1社だけでは提示額が妥当か判断できず、相場より高すぎる(売れない)あるいは安すぎる(損をする)価格で売り出すリスクがあります。比較するのは金額そのものより「その金額になった根拠」です。近隣の成約事例をいくつ挙げているか、どの事例と比較したのかを説明できる会社を選びましょう。
一括査定サービスの使い方と注意点は不動産一括査定サイトの選び方|注意点と賢く使うコツを解説、査定額そのものを上げるためにできることはマンション売却の査定額を上げる5つのポイント|相場の調べ方も解説にまとめています。
依頼する会社が決まったら媒介契約を結びます。媒介契約には専属専任・専任・一般の3種類があり、依頼できる会社数、自分で買主を見つけられるか、不動産会社の報告義務の頻度が異なります。どれを選ぶべきかは物件の人気度や売主の関わり方によって変わるため、媒介契約とは?3種類の違いを徹底解説で比較して決めてください。用語そのものの定義は媒介契約とは?3種類の違いを徹底解説で解説しています。
売り出し価格は、査定額をそのまま採用するのではなく「いくらまでなら下げてよいか」という下限とセットで決めるのが実務的です。売り出し後の値下げ判断が速くなり、売却期間の長期化を防げます。売る時期そのものをいつにするかで迷っている場合は、不動産を売るタイミング完全ガイド|季節・市況・税金の3軸と逆算スケジュール【2026】で季節と税金の両面から整理しています。

売り出しが始まると、動くのは主に不動産会社です。売主がやることは内覧対応と価格の判断の2つに絞られます。ただしこの2つが成約時期と最終価格を決めます。
媒介契約を結ぶと、不動産会社は自社サイトやポータルサイトへの広告掲載と、レインズ(不動産会社専用の物件情報ネットワーク)への登録を行います。レインズに登録されるまでの日数は契約形態で決まっており、専属専任媒介は締結の翌日から5営業日以内、専任媒介は7営業日以内が法律上の期限です。一般媒介には登録義務がありません(出典:宅地建物取引業法 第34条の2)。
売り出し後の動きを週単位で見ると、判断すべきタイミングが見えてきます。
時期 | 起きること | 売主の判断ポイント |
|---|---|---|
1〜2週目 | 広告掲載開始・レインズ登録。問い合わせが最も集まりやすい時期 | 登録証明書を受け取り、実際に掲載されているか確認する |
3〜4週目 | 内覧が入り始める | 問い合わせ件数と内覧件数を報告で確認 |
5〜8週目 | 内覧はあるが決まらない状態が続くことも | 内覧後の反応を担当者から具体的に聞く |
9〜12週目 | 問い合わせが目に見えて減る | 反響が乏しければ価格を見直す |
3カ月経過後 | 専任・専属専任の契約期間が満了 | 会社を継続するか変更するかを決める |
不動産取引の現場では、売り出しから3カ月ほど反響が乏しい場合、「値付けが相場と合っていないサイン」と見るのが一般的です。物件そのものに問題があるケースより、価格が市場とずれているケースのほうが圧倒的に多いためです。
内覧は成約率を大きく左右します。買主は限られた時間で「ここに住む自分」を想像しようとするため、生活感の量と明るさが印象を決めます。当日の準備と対応の具体的なコツは不動産売却の内覧を成功させるコツ|準備・当日対応・成約率アップ法にまとめています。
なお、売却前に大がかりなリフォームをすべきかという相談は多いのですが、費用を売却価格に上乗せして回収できるケースは限られます。判断材料は不動産売却前のリフォームは必要?費用対効果とそのまま売る比較を参照してください。
購入希望者が現れると「買付証明書(購入申込書)」が届きます。ここには購入希望価格のほか、引き渡し希望日、住宅ローンを使うかどうか、契約希望日などが記載されています。
確認すべきは価格だけではありません。次の3点をあわせて見ます。
買付証明書には法的な拘束力がなく、買主側から撤回されることもあります。複数の申込が入った場合は、価格の高さだけでなく「確実に決済まで進むか」を基準に選ぶのが実務です。売主側が値下げを判断する際も、いま市場全体がどれくらい動いているかを踏まえると納得感のある決断ができます。その材料は次のセクションで示します。

条件がまとまったら売買契約です。契約から決済・引き渡しまではおおむね1〜2カ月。買主が住宅ローンの本審査を通す期間として設けられています。
売買契約書は不動産会社が用意しますが、内容を確認する責任は売主にあります。とくに次の4点は、後々のトラブルに直結するため必ず読み込んでください。
条項 | 確認すること |
|---|---|
手付金と解除期限 | 金額(売買代金の5〜10%が一般的)と、手付解除ができる期限。期限を過ぎると解除には違約金が伴う |
契約不適合責任 | 責任を負う範囲と期間。個人が売主の中古住宅では「引き渡しから3カ月」とする特約が一般的 |
ローン特約 | 買主のローンが否決された場合に白紙解除となる条件と期限。売主は受け取った手付金を返還することになる |
引き渡し猶予 | 住み替えで新居への入居が決済後になる場合、引き渡しを何日待ってもらえるか |
契約不適合責任は、民法上は買主が不適合を知った時から1年以内に通知すれば追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・契約解除ができると定められています(出典:民法 第562条〜第566条)。ただし特約で期間を変更でき、個人売主の中古住宅では期間を短く設定するのが実務上の慣行です。契約書に何と書かれているかを必ず確認してください。
なお、雨漏りやシロアリ被害など知っている不具合は隠さず告知することが重要です。売主が知りながら告げなかった不適合については、期間の制限が適用されません。
決済は多くの場合、買主が住宅ローンを借りる金融機関の一室で行われます。決済日には売主・買主・仲介会社・司法書士・金融機関の担当者が一堂に会し、原則としてその場で所有権が移ります。所要時間は1〜2時間程度です。
登場人物 | 持ち物・役割 |
|---|---|
売主 | 登記識別情報通知(権利証)、印鑑登録証明書(3カ月以内)、実印、本人確認書類、固定資産評価証明書、物件の鍵一式、残置する設備の取扱説明書・保証書 |
買主 | 残代金、実印・本人確認書類、住民票 |
司法書士 | 本人確認と書類の確認。所有権移転登記・抵当権抹消登記を申請 |
金融機関 | 買主へのローン実行、売主口座への入金 |
仲介会社 | 全体の進行、固定資産税の日割り精算、仲介手数料の受領 |
当日の流れは、司法書士が書類を確認して登記が可能と判断する → 買主のローンが実行され残代金が振り込まれる → 売主が抵当権抹消の費用を支払う → 固定資産税を日割りで精算する → 鍵を引き渡す、という順です。司法書士の確認が終わるまで送金は行われません。書類に不備があるとその日の決済ができなくなるため、前日までに仲介会社と持ち物を突き合わせておきましょう。
住宅ローンが残っている場合は、この日に完済して抵当権を抹消します。抵当権の仕組みと抹消手続きは抵当権・根抵当権とは?不動産登記の担保権を完全解説で解説しています。
売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、売却した翌年の2月16日から3月15日までに確定申告が必要です(出典:国税庁「確定申告」)。マイホームの売却なら3,000万円の特別控除(国税庁 タックスアンサー No.3302)が使えることが多く、控除の結果として税額がゼロになる場合でも特例を使うには申告が必要な点に注意してください。
税額の計算方法と特例の要件は不動産売却の譲渡所得税と3,000万円控除|計算・申告を完全解説、必要書類と申告の手順は不動産売却の確定申告|必要書類・書き方・期限を完全解説で詳しく解説しています。

売却期間は「平均3〜6カ月」と説明されるのが一般的です。ただしこれは相場に合った価格を付けた場合の目安であり、市場の混み具合によって前提は変わります。ここでは実際の月次データから、いまどれくらい売れにくいのかを検証します。
仲介で売る場合の内訳は、査定から媒介契約までが1〜2カ月、売り出しから買付の受領までが1〜3カ月、契約から決済までが1〜2カ月です。合計するとおおむね3〜6カ月になります。
ただしこの数字は「売り出し価格が市場と合っている」ことを前提にしています。相場より高い値付けをすれば売り出し期間はいくらでも伸び、1年以上動かないことも珍しくありません。「3〜6カ月」は自動的に達成される期間ではなく、適正な価格設定の結果として得られる期間です。
では、いまの市場はどれくらい混んでいるのか。当サイトでは東日本レインズが毎月公表している首都圏中古マンションの月次データから、次の指標を算出しました。
在庫回転月数 = その月の在庫件数 ÷ その月の成約件数
いま売り出し中の物件すべてが、現在の成約ペースで捌けるまでにかかる月数

年月 | 成約件数 | 在庫件数 | 在庫回転月数 |
|---|---|---|---|
2024年8月 | 2,299件 | 45,192件 | 19.7カ月(最長) |
2025年3月 | 4,991件 | 43,941件 | 8.8カ月(最短) |
2025年7月 | 3,979件 | 44,689件 | 11.2カ月 |
2026年3月 | 5,001件 | 44,728件 | 8.9カ月 |
2026年6月 | 4,241件 | 45,995件 | 10.8カ月 |
2026年7月 | 3,638件 | 47,151件 | 13.0カ月 |
※当サイト独自集計。出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「月例速報 Market Watch」2025年7月度・2026年7月度/データ取得日:2026年8月20日。首都圏の中古マンションが対象です。
2026年7月の在庫回転月数は13.0カ月で、1年前(2025年7月)の11.2カ月から約15%悪化しています。成約件数が前年同月比8.6%減と4カ月連続で減る一方、在庫件数は5カ月連続で増えているためです。
重要な注意点として、この指標は市場全体の混み具合を示すものであり、個別物件の売却期間そのものではありません。相場に合った価格を付けた物件は、この数字にかかわらず3〜6カ月で成約しています。読み取るべきは「同じ売り出し方をしても、1年前より競合が多く決まりにくい環境になっている」という点です。
背景にある市場の構造は中古マンション成約4カ月連続減|動かない今の相場と2026年不動産価格の見通し|三極化する市場の読み方と売買タイミングで解説しています。
同じ市場環境でも、売れるまでの期間には大きな差が出ます。長期化しやすいのは次のような物件です。
特徴 | 対処 |
|---|---|
相場より高い値付けをしている | 成約価格(売り出し価格ではない)を基準に見直す。3カ月が判断の区切り |
再建築不可・借地権など権利に制約がある | 買主が住宅ローンを使いにくいため、現金購入層や買取業者を含めて検討する |
管理状態が悪い・修繕積立金が不足している | 管理組合の資料を整え、修繕の実施状況を説明できるようにする |
写真が少ない・情報が薄い | 掲載内容を不動産会社と一緒に見直す。掲載枚数と間取り図の有無を確認 |
とくに1つ目が最も多い原因です。2026年7月の首都圏中古マンションは、売り出し中の物件の平均価格が6,866万円だったのに対し、実際に成約した価格は5,267万円でした。その差は約1,600万円。売り出し価格の相場だけを見て値付けをすると、この差にそのまま飲み込まれることになります。

ここまでは標準的な売却の流れです。実際にはこの9ステップに、事情ごとの手続きが上乗せされます。自分がどれに当てはまるかを確認してください。
ケース | 9ステップに追加されること | 期限・注意点 | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|
相続した不動産 | 相続登記を先に完了させる(未登記では売却できない) | 相続登記の義務化に伴う経過措置の期限は2027年3月末(法務省)。取得費加算は相続開始の翌日から約3年10カ月以内 | |
離婚に伴う売却 | 財産分与の取り決め、名義と連帯保証の確認 | 売却額が残債を下回る場合は不足分の負担を先に合意する | |
共有名義 | 共有者全員の同意と署名・押印 | 1人でも反対すると全体の売却はできない。持分のみの売却は価格が大きく下がる | |
売却額がローン残債を下回る | 不足分の手当て、または任意売却の検討 | 抵当権を外せないと引き渡しができない。金融機関との事前協議が必須 | |
空き家・実家 | 更地にするか古家付きで売るかの判断、残置物の処分 | 空き家の3,000万円特別控除は相続開始から3年目の年末まで、かつ制度の期限は2027年12月31日(国税庁 No.3306) | |
住み替え | 売り先行か買い先行かの決定、つなぎ融資の検討 | 引き渡し日と新居の入居日の調整が最優先 |
このうち相続・共有名義・オーバーローンの3つは、売り出す前に解決しておかないと契約直前で止まります。買主が見つかってから「登記ができていない」「共有者の同意が取れない」と判明すると、契約自体が白紙になりかねません。転勤で持ち家をどうするか迷っている場合は転勤になったら持ち家はどうする?売却・賃貸・単身赴任を比較もあわせてご覧ください。
査定を依頼する前に、次の5点を確認しておくと手戻りがなくなります。
最初にやるべきは書類集めと売り方の決定です。とくに購入時の売買契約書は取得費の証明に使うため、真っ先に所在を確認してください。次にローン残高を確認し、売却想定額で完済できるかを見ます。この2つが済んでから複数の不動産会社に査定を依頼すると、話がスムーズに進みます。
仲介の場合、査定の依頼から引き渡しまで平均3〜6カ月です。内訳は準備と査定に1〜2カ月、売り出しから買付の受領までに1〜3カ月、契約から決済までに1〜2カ月。ただしこれは相場に合った価格を付けた場合の目安で、高すぎる値付けをすると1年以上動かないこともあります。急ぐ場合は買取なら最短1〜2週間で完了します。
共通して必要なのは登記事項証明書、登記識別情報通知(権利証)、固定資産税の納税通知書、印鑑登録証明書、本人確認書類です。マンションなら管理規約と長期修繕計画、戸建てなら建築確認済証と検査済証が加わります。登記事項証明書は法務局の窓口で600円、オンライン請求なら490〜520円。その他の証明書は300円前後ですが、自治体により異なります。
価格を優先するなら仲介、期日を優先するなら買取です。買取は相場の6〜8割になりますが、仲介手数料が不要で内覧対応もなく、引き渡し日を自分で決められます。判断に迷う場合は、仲介と買取の両方で査定を取り、実際の金額差を確認してから決めるのが確実です。差が想像より小さいこともあります。
売却代金でローンを完済できるなら問題なく売却できます。決済日に完済し、同時に抵当権を抹消する流れです。売却額が残債を下回るオーバーローンの場合は、不足分を自己資金で用意するか、金融機関の同意を得て任意売却を検討することになります。いずれにせよ、まず金融機関から残高証明書を取り寄せて査定額と突き合わせてください。
売買契約を結ぶ前であれば、売却を取りやめることは可能です。媒介契約は解除できますが、それまでに不動産会社が実施した広告費などの実費を請求される場合があります。一方、売買契約を締結した後の解除は、手付解除の期限内であれば受け取った手付金の倍額を返す「手付倍返し」が必要になり、期限を過ぎると違約金が発生します。
まずは購入時の売買契約書とローンの残高証明を手元にそろえるところから始めてください。準備が整ったら複数社に査定を依頼し、金額そのものより「その根拠」を比較して依頼先を決めます。査定の集め方は不動産一括査定サイトの選び方|注意点と賢く使うコツを解説、売る時期の決め方は不動産を売るタイミング完全ガイド|季節・市況・税金の3軸と逆算スケジュール【2026】、費用の全体像は不動産売却の費用はいくら?仲介手数料と諸費用の内訳【2026】をご覧ください。売却と並行して次の住まいを買う場合は、購入側の段取りを不動産購入の流れ完全ガイド|8ステップと期間・必要書類【2026】で確認しておくと、引き渡し日の調整がしやすくなります。