読み込み中...
読み込み中...
石川県の地価2026は、住宅地が公示地価+0.9%・基準地価+0.3%と小幅な上昇です。かほく・野々市・白山・金沢など金沢都市圏が上がる一方、能登6市町は地震後の下落が続き、県内の差が広がっています。
この記事でわかること
石川県は2024年に大きな出来事が続きました。1月1日の能登半島地震と、3月16日の北陸新幹線・金沢〜敦賀間の延伸開業です。2026年の地価は、その2つの影響が2年目に入った姿を映しています。
ここでは、県が3月と9月に出した2つの資料(地価公示のあらまし・地価調査のあらまし)に載っている19市町の数字を並べ、金沢とその周り、南加賀、能登の順に読み解きます。後半では、国の不動産取引価格のデータを2,900件あまり集計し、能登と金沢近郊で「売れる値段」がどれほど違うかも数字で示しました。金沢周辺で住まいを探す方にも、能登の実家や土地をどうするか迷っている方にも、判断の材料になるはずです。

石川県の住宅地は、2026年1月1日時点の公示地価で+0.9%、7月1日時点の基準地価で+0.3%と、どちらもプラスでした。ただし半年後の基準地価では伸びが前年の+0.6%から縮み、値下がりした地点も増えています。県全体では「上がってはいるが勢いは弱い」というのが2026年の姿です。
石川県の地価を見る公的な指標は2つあります。国が1月1日時点の価格を判定する地価公示と、県が7月1日時点で調べる地価調査(基準地価)です。地点も時期も違うため、両方を並べると半年間の変化の向きがわかります。指標ごとの性格や路線価・実勢価格との違いは路線価・公示地価・実勢価格の違いを徹底解説|土地の調べ方で説明しています。
用途 | 公示2026 | 公示2025 | 基準2026 | 基準2025 |
|---|---|---|---|---|
住宅地 | +0.9% | +0.6% | +0.3% | +0.6% |
商業地 | +2.0% | +1.4% | +1.6% | +1.9% |
工業地 | +4.7% | +4.7% | +0.1% | +0.4% |
全用途 | +1.4% | +1.0% | +0.7% | +1.0% |
住宅地の平均価格 | 59,400円/㎡ | 58,900円/㎡ | 50,900円/㎡ | 50,000円/㎡ |
(出典:石川県「令和8年 地価公示のあらまし」・石川県「令和8年度 石川県地価調査のあらまし」、石川県の地価推移・最新地価情報)
1月の公示地価では、住宅地・商業地とも前年より伸びが大きくなりました。ところが7月の基準地価では、住宅地・商業地・工業地のすべてで伸びが縮んでいます。基準地価の地点のうち値上がりは145地点で前年の153から減り、値下がりは93から101地点に増えました。全用途の平均価格は76,000円/㎡で全国15位です。
石川県の住宅地は、2019年に基準地価で1995年以来24年ぶりのプラスに転じたあと、上昇と下落を行き来してきました。2024年は能登半島地震の影響で−0.3%と再びマイナスになり、2025年に+0.6%へ戻したものの、2026年は+0.3%にとどまっています。

2010年の−5.0%から少しずつ下落幅を縮め、2019年にようやくプラスに届いた流れを見ると、石川県の住宅地は長い下落から抜け出したばかりの段階にあるとわかります。全国の基準地価の住宅地が+1.0%なので、石川県の伸びはその3分の1ほどです。
北陸3県で比べると、基準地価の全用途は石川県+0.7%、富山県+0.1%、福井県−0.3%で、石川県が最も高い伸びです。富山・福井の地価の詳しい動きは福井・富山の地価2026|新幹線敦賀延伸で福井30年ぶり下げ止まりを、全国の中での位置づけは2026年公示地価を徹底解説|全国47都道府県ランキングと上昇・下落エリアをご覧ください。

石川県の住宅地で上昇率が高いのは、公示地価ではかほく市+3.6%、野々市市+2.9%、白山市+2.7%で、金沢市(+2.0%)を囲む市町が上位を占めます。反対に下位には珠洲市−5.4%、輪島市−5.2%など能登の市町が並びます。上がる市町と下がる市町がほぼ半々に分かれているのが石川県の特徴です。
下の表は、県が公表した市町別の住宅地の平均変動率です。宝達志水町と中能登町は公示地価の標準地がないため、基準地価の値のみ載せています。
順位 | 市町 | 公示2026 | 公示2025 | 基準2026 | 平均価格(公示) |
|---|---|---|---|---|---|
1 | かほく市 | +3.6% | +2.9% | +3.2% | 28,300円/㎡ |
2 | 野々市市 | +2.9% | +3.8% | +1.8% | 90,900円/㎡ |
3 | 白山市 | +2.7% | +2.6% | +1.1% | 51,600円/㎡ |
4 | 津幡町 | +2.0% | +1.2% | +3.0% | 56,500円/㎡ |
5 | 金沢市 | +2.0% | +2.3% | +1.9% | 92,800円/㎡ |
6 | 内灘町 | +0.9% | +0.5% | 0.0% | 46,000円/㎡ |
7 | 小松市 | +0.8% | +1.3% | +0.8% | 31,500円/㎡ |
8 | 能美市 | +0.7% | +0.7% | +0.4% | 25,500円/㎡ |
9 | 川北町 | −0.4% | −0.9% | +2.7% | 27,900円/㎡ |
10 | 加賀市 | −1.6% | −1.6% | −2.0% | 18,300円/㎡ |
11 | 穴水町 | −2.3% | −6.0% | −2.6% | 12,700円/㎡ |
12 | 志賀町 | −3.1% | −8.9% | −3.9% | 6,100円/㎡ |
13 | 能登町 | −3.3% | −8.1% | −2.9% | 7,700円/㎡ |
14 | 七尾市 | −4.2% | −9.0% | −2.9% | 21,600円/㎡ |
15 | 羽咋市 | −4.2% | −7.9% | −2.9% | 13,000円/㎡ |
16 | 輪島市 | −5.2% | −14.3% | −4.4% | 21,900円/㎡ |
17 | 珠洲市 | −5.4% | −13.6% | −4.6% | 8,500円/㎡ |
— | 宝達志水町 | — | — | −1.5% | — |
— | 中能登町 | — | — | −2.1% | — |
(出典:石川県「令和8年 地価公示のあらまし」「令和8年度 石川県地価調査のあらまし」の市町別平均変動率・平均価格。順位は公示2026の県公表順位)
7月の基準地価で見ると順位は少し入れ替わり、かほく市+3.2%、津幡町+3.0%、川北町+2.7%が上位3つです。金沢市の北に接するかほく市・津幡町は、公示・基準の両方で上位に入っており、勢いが続いていることがわかります。基準地価で住宅地がプラスだったのは8市町で、残る11市町は横ばいかマイナスでした。

商業地の平均変動率は、公示地価で金沢市+4.3%が県内トップです。基準地価でも金沢市は+4.6%で、5年連続の上昇となりました。
市町 | 商業地 公示2026 | 商業地 基準2026 | 商業地の平均価格(公示) |
|---|---|---|---|
金沢市 | +4.3% | +4.6% | 298,200円/㎡ |
野々市市 | +3.4% | +3.2% | 84,500円/㎡ |
かほく市 | +3.0% | +1.8% | 37,700円/㎡ |
小松市 | +2.7% | +2.0% | 66,200円/㎡ |
白山市 | +1.8% | +0.5% | 59,700円/㎡ |
津幡町 | +1.7% | +1.1% | 54,500円/㎡ |
加賀市 | +0.3% | −0.5% | 51,300円/㎡ |
能美市 | −0.3% | −0.3% | 31,500円/㎡ |
輪島市 | −6.3% | −4.9% | 32,700円/㎡ |
珠洲市 | −5.4% | −5.0% | 10,600円/㎡ |
(出典:石川県「令和8年 地価公示のあらまし」「令和8年度 石川県地価調査のあらまし」)
野々市市は商圏人口の増加を背景に、小松市は新幹線延伸の効果が続いて、基準地価の商業地がともに6年連続で上がったと報じられています(北國新聞)。
石川県で最も地価が高いのは、金沢駅前の金沢市本町2丁目です。基準地価の商業地で1㎡あたり128万円(+8.5%)で、県内トップは19年連続、北信越5県でも14年連続のトップと報じられています。同じ本町2丁目には住宅地の基準地もあり、こちらも25万1,000円/㎡で県内最高です。
上昇率の上位は、商業地が金沢の繁華街(片町・木倉町・香林坊)と観光地(東山)に集中し、住宅地は野々市・小松・白山・かほくなど金沢以外の市にも広がっています。

金沢市の地価は、公示地価で住宅地+2.0%・商業地+4.3%、基準地価で住宅地+1.9%・商業地+4.6%と、商業地の伸びが目立ちます。背景にあるのは、外国人観光客の増加と、金沢駅から片町にかけての都心で再開発が進むという期待です。
金沢市の商業地では、片町2丁目(公示+15.4%)、木倉町(基準+12.7%)、東山1丁目(基準+10.1%)と、2桁の上昇率の地点が出ています。片町・木倉町は飲食店が集まる繁華街、東山はひがし茶屋街のある観光地です。
不動産鑑定の現場では、この上昇を次のように説明しています。外国人観光客が増えるとホテルや商業施設の売上が伸び、土地から得られる収益が上がるため、商業地を買いたい事業者が増えて地価が上がるという流れです。円安を背景に金沢を訪れる外国人客は増え続けており、駅前ではホテル建設の需要が再び高まっているといわれます。
もう一つの要因が再開発です。2025年に、金沢駅から武蔵・南町・香林坊・片町に至る都心軸の約59ヘクタールが、国の「都市再生緊急整備地域」(金沢駅東地域)に指定されました。都市再生緊急整備地域とは、国が都市の再生を急ぐ地域として指定するエリアのことで、指定されると建物の容積率などを緩和する都市計画の特例や、税制の優遇を使えるようになります(内閣府 地方創生推進事務局)。不動産取引の現場では、老朽化したビルを建て替える動きが出ていることや、投資する側にとって税制上のメリットがあることが、地価を押し上げているとの見方が多く聞かれます。
金沢市の住宅地の平均価格は、公示地価で92,800円/㎡(坪あたり約30.7万円)です。県内の住宅地で価格が高い地点は上位5つがすべて金沢市にあり、彦三町・広岡・駅西本町・長土塀・西念と、金沢駅の周辺と旧市街に集まっています。
基準地価では長町1丁目が+8.6%で住宅地の上昇率トップでした。長町は武家屋敷跡が残る香林坊に近い地区で、都心に歩いて行ける住宅地の人気が根強いことがうかがえます。一方、駅西本町3丁目(公示186,000円/㎡)は前年から横ばいで、価格が高い地点でも動きに差が出ています。
実際の取引でも上昇は続いています。当サイトが集計した国土交通省の実取引データでは、金沢市の宅地の㎡単価の中央値(取引価格を高い順に並べたときの真ん中の値)は、2025年10〜12月期の84,500円(94件)から2026年1〜3月期は85,000円(54件)へ+0.6%でした。2025年4〜6月期の80,000円(107件)と比べると+6.3%です。
金沢の新築分譲マンションは、資材や人件費の値上がりで採算が合いにくくなり、用地を買ってまで建てる動きは以前より慎重だと鑑定士はみています。その分、駅前の土地はホテル用地として取り合いになっているという構図です。分譲価格が下がりにくい背景は新築マンション価格が下がらない3つの理由|建設コスト・需給・金利の現状で解説しています。

石川県の住宅地で上昇率の上位に並ぶのは、金沢市に隣接する野々市市・白山市・かほく市・津幡町です。金沢市内より価格を抑えつつ金沢に通える場所として、子育て世代の住宅需要が集まっています。
野々市市の住宅地の平均価格は、公示地価で90,900円/㎡、基準地価で93,600円/㎡です。基準地価では金沢市の92,100円/㎡を上回り、県内19市町で最も高くなりました。
野々市市は金沢市の南西に接する面積の小さな市で、市域のほとんどが住宅地と商業地です。大学が複数あり、幹線道路沿いに大型店が並ぶため、平均すると「どの地点も便利」という市の性格が平均価格に表れています。公示地価の住宅地で県内の上昇率トップだった新庄1丁目(+6.8%)も野々市市にあります。
ただし、住宅地の変動率は公示+2.9%・基準+1.8%で、前年(公示+3.8%・基準+3.2%)より伸びが鈍っています。価格が金沢市並みに上がったことで、割安さを理由に選ばれる余地は小さくなりつつあります。
白山市の住宅地は公示+2.7%で、平均価格は51,600円/㎡(坪約17.1万円)と金沢市の半分ほどです。白山市相木町(公示+5.1%)、千代野東4丁目(基準+6.1%)など、JR松任駅や野々市市に近い地点の伸びが目立ちます。住宅購入の現場では、金沢市内の土地が手に入りにくくなったことから、予算を抑えたい人に松任駅周辺をすすめる流れがあるといわれます。
金沢市の北側では、かほく市が公示+3.6%・基準+3.2%と、両方で県内上位に入りました。平均価格は28,300円/㎡で、金沢市の3分の1以下です。津幡町は基準+3.0%で、前年の+2.6%から伸びが大きくなっています。報道でも、人口が増えているかほく市や津幡町で土地の需要が堅調だったと伝えられました。
一方、金沢市の北西の内灘町は公示+0.9%・基準0.0%と横ばいです。内灘町は能登半島地震で液状化の被害が大きかった地域で、地価の伸びが近隣の市町より弱くなっています。土地の地盤の確かめ方は熊本で震度7|地震に強い土地の見分け方と無料チェック法を参考にしてください。
2024年3月の新幹線延伸で小松駅・加賀温泉駅が開業した南加賀では、小松市の伸びが目立ちます。公示地価の住宅地の上昇率では、小松市日の出町3丁目(+6.1%)と末広町(+6.0%)が県内2位・3位に入りました。いずれも小松駅周辺の市街地にある地点です。小松市の商業地は公示+2.7%・基準+2.0%で、延伸効果が続いていると報じられています。
ただし小松市全体の住宅地は公示+0.8%で、駅周辺の一部が強く上がり、市全体ではゆるやかという姿です。能美市は住宅地+0.7%と小幅な上昇で、加賀市は住宅地が公示−1.6%・基準−2.0%と下落が続いています。加賀温泉駅が開業した加賀市でも、住宅地は人口減少の影響を受けている状況です。

能登の市町の地価は、2026年も下落が続いています。ただし、地震後はじめての公示地価(2025年1月時点)で−8〜−14%台だった住宅地の下落率は、2026年は−2〜−5%台まで縮みました。一方で7月の基準地価では、珠洲市と志賀町で下落幅が前年より広がっています。
市町 | 住宅地 公示2025 | 住宅地 公示2026 | 住宅地 基準2025 | 住宅地 基準2026 | 平均価格(公示2026) |
|---|---|---|---|---|---|
輪島市 | −14.3% | −5.2% | −5.4% | −4.4% | 21,900円/㎡ |
珠洲市 | −13.6% | −5.4% | −4.4% | −4.6% | 8,500円/㎡ |
七尾市 | −9.0% | −4.2% | −3.1% | −2.9% | 21,600円/㎡ |
志賀町 | −8.9% | −3.1% | −3.0% | −3.9% | 6,100円/㎡ |
能登町 | −8.1% | −3.3% | −3.4% | −2.9% | 7,700円/㎡ |
羽咋市 | −7.9% | −4.2% | −3.9% | −2.9% | 13,000円/㎡ |
穴水町 | −6.0% | −2.3% | — | −2.6% | 12,700円/㎡ |
(出典:石川県「令和8年 地価公示のあらまし」「令和8年度 石川県地価調査のあらまし」。穴水町の基準2025は地点の入れ替えのため算出なし)
公示地価は1月1日時点の価格です。2024年1月1日の公示地価は地震の前の価格を判定していたため、地震の影響がはっきり表れたのは2025年の公示地価でした。輪島市・珠洲市では1年で14%前後下がり、2026年はそこからさらに5%ほど下がった形です。下落のペースは落ちたものの、価格は戻っていません。
2026年の基準地価では、輪島市新橋通(商業地、−6.8%)が全国の商業地で下落率ワースト1位、輪島市河井町(住宅地、−5.7%)が全国の住宅地でワースト2位になったと報じられています(北國新聞)。全国の下落率下位10地点には、住宅地・商業地ともに石川県内の地点が2つずつ入りました。
県内の下落率の上位地点は、住宅地が輪島市河井町・志賀町富来高田(−5.6%)・志賀町里本江(−5.2%)、商業地が輪島市新橋通・珠洲市飯田町(−5.0%)です。公示地価の商業地では、温泉街の七尾市和倉町も−5.1%でした。下落が続く背景として、地震の影響に加え、能登で以前から進んでいた過疎化と高齢化が挙げられています。
能登では復興に向けた動きも出ています。輪島朝市の周辺での商業施設の開業や、和倉温泉の護岸の整備が進むことを挙げて、下げ止まりの可能性を指摘する専門家もいると報じられています。ただ、こうした動きが地価に表れるまでには時間がかかるとみられます。

国土交通省の実取引データを当サイトで集計すると、白山市・野々市市・能美市・かほく市では土地が公示地価とほぼ同じか少し高い価格で売買されている一方、七尾市・輪島市では公示地価の半分前後でした。同じ石川県でも、公示地価と実際の売買価格の関係は地域でまったく違います。
下の表は、住宅地の土地の取引価格(坪単価の中央値)を、県が公表した公示地価の住宅地平均(坪換算)で割った倍率です。1.00なら公示地価と同じ水準、1.00より小さければ公示地価より安く売買されていることを表します。
市町 | 実取引の坪単価(中央値) | 件数 | 公示地価の住宅地平均(坪換算) | 倍率 |
|---|---|---|---|---|
能美市 | 9.6万円 | 33件 | 8.4万円 | 1.14 |
白山市 | 18.2万円 | 135件 | 17.1万円 | 1.07 |
かほく市 | 9.9万円 | 55件 | 9.4万円 | 1.06 |
野々市市 | 30.1万円 | 53件 | 30.0万円 | 1.00 |
小松市 | 9.8万円 | 86件 | 10.4万円 | 0.94 |
金沢市 | 27.4万円 | 326件 | 30.7万円 | 0.89 |
内灘町 | 11.9万円 | 37件 | 15.2万円 | 0.78 |
津幡町 | 14.0万円 | 42件 | 18.7万円 | 0.75 |
加賀市 | 4.0万円 | 28件 | 6.0万円 | 0.66 |
七尾市 | 3.6万円 | 48件 | 7.1万円 | 0.51 |
輪島市 | 3.1万円 | 87件 | 7.2万円 | 0.43 |
(集計期間は2025年4月〜2026年3月の4四半期。住宅地として取引された1,000㎡以下の土地が対象で、公示地価側は県の公表する住宅地平均を3.30578倍して坪に直しています。データ元:国土交通省 不動産情報ライブラリをもとに当サイトが集計した国土交通省の実取引データ)

金沢近郊の市町では土地が公示地価並みの価格で売れていますが、能登の七尾市・輪島市では公示地価の半分前後でしか売買されていません。公示地価は標準的な形と広さの土地の価格を鑑定士が判定したものなので、買い手が少ない地域ほど、実際の取引は公示地価より安くなりやすい傾向があります。
金沢市が0.89倍と1.00を下回るのは、公示地価の地点が駅周辺や旧市街の便利な場所に多い一方、実際の取引には郊外の土地も多く含まれるためと考えられます。津幡町・内灘町の0.75〜0.78倍も、取引が多い場所と公示地価の地点の違いが影響しているとみられます。
同じ実取引データで、木造の中古戸建て(築3年以上)の取引総額の中央値を市町ごとに見ると、次のようになりました。
金沢市では、築2年以内の築浅戸建て(建売住宅を含む)の中央値が3,300万円(74件)、中古マンションの㎡単価の中央値が26.7万円(113件)でした。70㎡なら約1,870万円の計算です。かほく市の築浅戸建ては2,450万円(18件)で、金沢市より850万円ほど安く買えています。自宅の売却相場を自分で計算したい方は家の売却相場を自分で計算|戸建ての築年数別の目安と計算例も参考にしてください。
実取引データは、取引した人へのアンケートをもとに国土交通省が公表しているもので、土地の形や広さ、道路との接し方がばらばらに混ざっています。そのため、この集計は「その市町でよくある取引の価格帯」を示すもので、個別の土地の価格を示すものではありません。件数が20件に満たない市町(珠洲市・羽咋市・志賀町・穴水町・能登町など)は、値が大きくぶれるため表から外しました。公示地価と実勢価格(実際に売買される価格)がずれる理由の一般的な説明は、先に紹介した路線価・公示地価・実勢価格の違いを徹底解説にまとめています。

石川県の地価は、金沢の都心、金沢近郊の住宅地、能登の3つで違う動きを続けるとみられます。ただ、2026年7月の基準地価では県全体の伸びが縮み、下落地点が前年の93から101に増えました。上昇の勢いは弱まりつつあります。
全国の不動産価格の見通しは2026年不動産価格の見通し|三極化する市場の読み方と売買タイミングで整理しています。
判断の目安としては、金沢周辺で買うなら上昇が鈍り始めた今は値引き交渉の余地を探りやすく、能登で売るなら公示地価ではなく実取引の水準を基準に価格を決めることが大切です。金沢・野々市で売る場合は、地価が高い水準にある今のうちに査定を取り、相場を確かめておくとよいでしょう。
金沢市の住宅地の公示地価は平均92,800円/㎡で、坪あたり約30.7万円です。当サイトが集計した実取引の中央値は坪27.4万円でした。金沢駅周辺や旧市街では坪50万円を超える地点もあります。
住宅地の公示地価ではかほく市+3.6%、野々市市+2.9%、白山市+2.7%が上位3つです。基準地価ではかほく市+3.2%、津幡町+3.0%、川北町+2.7%が上位でした。商業地は金沢市が公示+4.3%・基準+4.6%でトップです。
住宅地の平均価格は、公示地価では金沢市92,800円/㎡、野々市市90,900円/㎡でほぼ同じ水準です。基準地価では野々市市93,600円/㎡が金沢市92,100円/㎡を上回りました。最も高い地点は金沢市にあり、平均では野々市市が並ぶという関係です。
地震後はじめての公示地価(2025年1月)で、住宅地は輪島市−14.3%、珠洲市−13.6%、七尾市−9.0%と大きく下がりました。2026年の公示地価でも輪島市−5.2%、珠洲市−5.4%と下落が続いています。下落幅は縮みましたが、価格は回復していません。
金沢駅前の金沢市本町2丁目です。基準地価の商業地で1㎡あたり128万円、住宅地で25万1,000円と、どちらも県内最高でした。公示地価では商業地が本町2丁目(123万円)、住宅地が彦三町1丁目(19万4,000円)が最高です。
小松市では、市街地の日の出町3丁目(+6.1%)と末広町(+6.0%)が住宅地の上昇率で県内2位・3位に入り、商業地も6年連続で上がりました。一方、加賀市の住宅地は公示−1.6%と下落が続いており、延伸の効果は駅周辺に限られています。
石川県の地価は、同じ県内でも地域によって向きがまったく違います。家や土地を買う方は市町ごとの動きと災害リスクを、売る方は公示地価ではなく実際の取引水準を確かめたうえで、地元の不動産会社に査定を依頼して判断することをおすすめします。