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この記事でわかること
長野・山梨の2026年公示地価は、白馬村が住宅地全国1位の+33.0%、軽井沢が+12.5%という異次元の上昇率を記録しました。その一方で山梨県全体では-0.1%の下落、新潟県は31年連続の下落と、同じ甲信越エリアの中でも明暗がくっきりと分かれています。今回の記事では、この「二極化」の背景を詳しく解説するとともに、移住や別荘購入、不動産投資を検討している方が今後どのエリアに注目すべきかを整理します。
なお、全国の地価動向を先に把握しておきたい方は2026年公示地価を徹底解説|上昇エリアと今後の見通しも合わせてご覧ください。

まず、長野・山梨・新潟の2026年公示地価の主要データをまとめて確認しておきましょう。全国的にも特徴的な数値が並んでいます(出典:国土交通省 2026年地価公示)。
エリア | 全用途平均変動率 | 特記事項 |
|---|---|---|
長野県全体 | +1.1%(3年連続プラス) | 住宅地+1.2%(4年連続) |
白馬村 | 住宅地全国1位 +33.0% | 商業地も+35.23% |
軽井沢町 | 全用途+12.50% | 商業地+13.72% |
山梨県全体 | -0.1%(下落継続) | 商業地のみ34年ぶり上昇 |
富士河口湖町 | +1.89% | インバウンド需要牽引 |
新潟県全体 | -0.4%(31年連続下落) | 下落幅は縮小傾向 |
新潟市 | +0.84% | 中央区は9年連続上昇 |

このように、同じ「甲信越エリア」と言っても、リゾート・インバウンド需要がある地域とそうでない地域では、地価動向が大きく異なります。以下では各エリアの背景を詳しく解説します。
長野県の最新地価データは長野県の地価推移・最新地価情報でも確認できます。

軽井沢町の2026年公示地価は、全用途平均で9万3,187円/m²(坪単価約30万8,000円)、前年比+12.50%という結果になりました。商業地に限ると15万8,900円/m²(坪単価約52万5,000円)で、変動率は+13.72%に達しています(出典:tochidai.info 軽井沢町2026年公示地価)。
長期的に見ると、軽井沢の地価は1995年にバブル期の最高値(22万4,500円/m²)をつけた後、2017年に過去最低値(5万37円/m²)まで下落しました。しかし2017年を底に反転上昇に転じ、不動産取引の現場では「軽井沢全体の坪単価は10年前と比較して約2倍以上に膨らんでいる」と言われています。この急回復を支えたのが、インバウンドの再拡大と大手資本の参入です。
ただし注意が必要なのは、軽井沢内部での地価格差の大きさです。エリア最高値の地点(北佐久郡軽井沢町)では37万5,000円/m²に達する一方、追い分けや南エリアの一部では坪単価7万〜8万円台の物件も残っています。「軽井沢なら全部高い」という思い込みは禁物です。
軽井沢の地価を押し上げる最大の要因は、台湾・香港系を中心としたインバウンド観光客の急増です。軽井沢銀座の店舗へのヒアリングによれば、観光客の6〜7割が台湾・香港系の訪日外国人という状況が続いています。このインバウンド需要が宿泊・商業施設の稼働率を高め、商業地価の上昇を直接的に牽引しています。
さらに見逃せないのが大手不動産資本の動きです。三菱地所が軽井沢駅前の商業エリアを再開発中(2026年中に開業予定)であることに加え、複数の高級ホテルチェーンも軽井沢への出店を計画・実施しています。大手資本が入ることで「軽井沢ブランド」の価値が高まり、さらなる需要増→地価上昇という好循環が生まれているのです。
購入経験者からよく聞かれるのが「コロナ禍の2020〜2021年に移住・別荘需要で一度急騰し、その後も下がらないまま外資系リゾート資本の参入でさらに押し上げられた」というパターンです。実際、コロナ後の移住ブームで地方不動産が注目され、軽井沢は首都圏の富裕層にとって「別荘から移住へ」のシフトが進んだ代表的なエリアです。
軽井沢町は大きく「旧軽井沢」「中軽井沢」「南軽井沢」「追い分け」などのエリアに分かれており、それぞれ地価水準・雰囲気が大きく異なります。
エリア | 特徴 | 地価目安 |
|---|---|---|
旧軽井沢 | 軽井沢銀座・高級ショップ密集 | 坪100万円超 |
鹿島の森・南ヶ丘 | 高級別荘地・大使館別荘も | 坪50〜100万円 |
中軽井沢 | 生活利便性が高い・ファミリー層に人気 | 坪20〜50万円 |
追い分け | 静かで自然豊か・比較的手頃 | 坪8〜25万円 |
御代田(西軽井沢) | 生活圏に近く移住者増加中 | 坪5〜15万円 |
不動産のプロが注意点として挙げるのは「軽井沢での物件選びはエリアで別物と思え」ということです。駅徒歩圏の旧軽井沢エリアと追い分けエリアでは、同じ「軽井沢」でも資産価値の動きが大きく異なります。また、移住補助金については、財政力が高い軽井沢町では対象外になるケースが多い点も事前に確認が必要です。

2026年公示地価で、白馬村の住宅地上昇率は全国1位の+33.0%、商業地は+35.23%を記録しました。これは都市部・郊外を含む全国全エリアの中で最も高い上昇率であり、「地方の小さな山村」のイメージとは全くかけ離れた数値です(出典:三井不動産リアルティ「公示地価で白馬村の住宅地が全国1位の上昇率を記録」)。
この急上昇の背景には、白馬スキー場が「世界最高クラスのパウダースノーリゾート」として海外で確固たる評価を得ていることがあります。オーストラリア・欧米・東南アジアからの富裕層スキーヤーが増加し、彼らの「セカンドホーム需要」が不動産価格を直接的に押し上げています。かつては日本人向けの国内スキーリゾートだった白馬が、今や国際的なリゾート投資先に変貌しているのです。
また、野沢温泉村も同様に上昇傾向にあり、長野県内ではリゾートエリアが地価全体をけん引する構図が鮮明になっています(出典:信濃毎日新聞「2026年の公示地価 長野県内の住宅地、4年連続で上昇」)。
白馬の不動産市場で起きていることは、軽井沢以上に「グローバル化」が進んでいます。オーストラリアを中心とする海外の不動産投資家が、白馬でゲストハウス・ペンション・コンドミニアムを購入し、Airbnbなどの民泊プラットフォームで運用するケースが急増しています。英語対応の不動産業者も増え、白馬村内の物件は「海外向け投資物件」として欧米メディアでも紹介されるほどです。
実務上よく見られるのが、日本人の売主が「思っていた以上の高値で売れた」というケースです。購入者の多くが海外投資家のため、日本人の通常の売却価格感よりも高い値がつくことがあります。特に英語対応・民泊許可取得済みの物件はプレミアムが付く傾向があります。
白馬の不動産に魅力を感じる方は多いですが、いくつかの注意点を把握しておく必要があります。

山梨県の2026年公示地価は、全用途平均が-0.1%と引き続き下落が続きました。しかしその内訳を見ると、商業地が34年ぶりに上昇に転じたという重要な変化があります(出典:日本経済新聞「【公示地価2026】山梨県0.1%下落 商業地は34年ぶり上昇、二極化進む」)。
この34年という数字が示す通り、山梨の商業地は1990年代のバブル崩壊以降、一度も上昇に転じることがなかった地域です。その「壁」を乗り越えたのが、富士山を中心とするインバウンド観光需要の爆発的拡大です。山梨の地価データは山梨県の地価推移・最新地価情報でも詳しく確認できます。
市区町村 | 変動率(全用途) | 特記 |
|---|---|---|
富士河口湖町 | +1.89% | 商業施設・ホテル需要増 |
富士吉田市 | +1.46%前後 | 訪日観光の玄関口 |
甲府市 | 小幅上昇 | 県庁所在地・人流増 |
山梨県全体 | -0.1% | 農村部・過疎エリアが下押し |
富士山を訪れる外国人観光客は2023年時点で山梨県全体の延べ外国人宿泊者数が約142万人(全国12位)に達しており、特に富士北麓エリアへの集中が顕著です。富士河口湖町では、外資系高級ホテルの開発が相次いでおり、ホテル用地・商業用地の需要が高まっています。
富士山麓エリアでは、34年ぶりの商業地上昇を「観光資本の流入が都市部並みの地価水準を作り始めた兆候」として注目すべきです。ただし、現時点では上昇率・価格水準ともに軽井沢・白馬とは大きな開きがあり、投資としてのリスク管理が必要です。
一方で、富士山のオーバーツーリズム対策(登山規制・来訪者数制限)の強化が続いており、観光需要に依存した地価上昇が持続するかどうかは不透明な部分もあります。規制強化が観光客数を抑制した場合、需要の伸びが一服する可能性も念頭に置く必要があります。
山梨は東京から新幹線・高速道路で約1〜1.5時間という好立地で、移住先・二地域居住先として注目されています。富士山ビューの物件は国内外からの需要がありますが、移住を検討する際は以下の点を確認してください。
山梨県全体では移住支援に力を入れており、「やまなし移住支援金」(2024年度)として東京23区への通勤・在住者が県内市区町村に移住した場合、世帯で最大100万円(単身で最大60万円)の支援金が受け取れる制度があります(詳細・対象条件は移住先の市区町村窓口に直接確認が必要)。笛吹市・北杜市・甲斐市など一部の自治体では独自の子育て支援・住宅補助も用意されており、家族での移住を検討している方は各自治体の公式情報を最新情報で確認してください。テレワーク移住を前提にする場合は、ネット回線の整備状況とワークスペースの確保を優先的に確認することが実務上の重要ポイントです。
気候面では、甲府盆地は内陸性気候のため夏の暑さ(最高気温が40℃近くになる年もある)が課題となる一方、富士北麓エリア(河口湖・山中湖周辺)は標高800〜1,000mに位置し、夏でも比較的涼しい環境が保たれています。「夏の避暑・別荘目的」なら富士北麓、「通年の生活拠点として移住」なら利便性の高い甲府市近郊・昭和町周辺という住み分けで検討すると、移住後の期待と現実のギャップを減らすことができます。

新潟県の2026年公示地価は、全用途平均で-0.4%と31年連続の下落となりました。ただし下落率は前年より縮小しており、全体としてはゆるやかな回復傾向にあります(出典:新潟県ホームページ「令和8年地価公示結果の概要」)。新潟県の最新地価情報は新潟県の地価推移・最新地価情報でも確認できます。
31年連続下落の根本的な原因は人口減少と産業構造の変化です。新潟県の人口は1997年をピークに減少が続き、若年層の流出が止まらない状況です。農業・繊維・金属加工などの基幹産業の縮小が、特に地方都市や農村部の地価を継続的に押し下げています。
農村部・山間部では地価の下落がより深刻で、相続で引き継いだ田畑・原野が「持っているだけでコストが発生する負動産」となるケースが増えています。買い手が見つからない土地が積み上がることで市場流動性が低下し、地価をさらに下押しするという悪循環も各地で見られます。こうした構造的な課題は新潟に限らず、北海道の地価2026|札幌一人勝ちとニセコ・北広島の意外な伸びでも同様の傾向が確認できます。人口減少エリアで土地を購入・保有する場合は、出口戦略(将来的な売却・賃貸・寄付・自治体への引き渡し)を最初から検討しておくことが欠かせません。
しかし、県全体の下落とは対照的に、新潟市中央区は2017年以降9年連続で地価が上昇しています。この背景には、新潟駅の大規模再開発プロジェクトがあります。
新潟駅では「ストラスブール計画」と呼ばれる再開発が進み、バスターミナルの整備・地上化の完成・商業施設「CoCoLo新潟」のオープン・「万代Cバスターミナル(万代シテイ)」の再整備などが相次いでいます。これにより新潟駅周辺の利便性が大幅に向上し、駅から徒歩圏内の住宅・商業地価が押し上げられています。
不動産取引の現場では「新潟市内でも中央区の駅近物件と郊外では全く別の市場になっている」という声が上がっています。移住や購入を検討する際は「新潟県」という広いくくりではなく、エリアごとの特性を見極めることが重要です。
具体的には、新潟市中央区の万代・古町エリアや新潟駅徒歩圏(半径500m〜1km程度)は再開発効果で物件需要が安定しており、駅近の中古マンションは値崩れしにくい傾向が続いています。一方、バスやJRで20〜30分圏外に出ると市場の性格が一変し、人口減少・高齢化を反映した価格下落エリアへと移行します。「新潟市内で物件を検討している」という方は、まず「中央区の駅周辺エリア」と「郊外エリア」を別々の市場として捉え、購入目的(居住か投資か)に応じてエリアを絞り込むアプローチが実務上有効です。
新潟市西区や郊外の住宅地では、2024年1月の能登半島地震後も下落が継続しています。液状化現象への懸念が一部地域で根強く残っており、「西区・郊外の液状化リスクが高いエリアは購入を躊躇している」という消費者の声も多く聞かれます。
ハザードマップによる液状化リスクの確認と、地盤調査の実施は、新潟市内の物件購入では特に重要な事前チェック項目です(出典:新潟日報「公示地価 新潟市西区の住宅地2年連続下落、なお残る能登半島地震の陰影」)。

ここまで見てきた通り、甲信越エリアの地価は「リゾート系」と「生活圏」で全く異なる動きを見せています。
特性 | リゾート系(軽井沢・白馬) | 生活圏(新潟市中心・甲府市) |
|---|---|---|
地価動向 | 2桁〜3桁の上昇が続く | 緩やかな上昇か横ばい |
主な需要層 | インバウンド・富裕層・投資家 | 地元実需・移住者 |
価格帯 | 坪20万〜100万円超 | 坪5〜20万円程度 |
賃貸需要 | シーズン依存(変動が大きい) | 年間安定した需要 |
リスク | 価格変動リスク大・季節依存 | 人口減少・流動性の低さ |
また、北関東エリアと比較したい方は北関東(群馬・栃木・茨城)の地価2026|移住需要急増エリアの最新動向もご覧ください。北関東から甲信越へと続く「脱東京移住ルート」の全体像が把握できます。
この比較から見えてくる最も重要な示唆は、リゾート系と生活圏では「地価が上がった理由」が根本的に異なるということです。軽井沢・白馬の地価上昇は外部需要(インバウンド・富裕層・海外投資家)が原動力であり、需要が萎めば価格が下落するリスクを常に内包しています。一方、新潟市中央区の上昇は大規模再開発という内発的な要因であり、上昇の持続性の性格が異なります。「なぜその地域の地価が上がっているのか」を理解した上で購入の判断をすることが、地価上昇エリアへの投資・移住で失敗しないための核心です。
軽井沢・白馬の地価上昇が今後も続くかどうかは、インバウンド観光の持続性と国際的な不動産投資動向に左右されます。円安が続く間は外国人投資家の参入が続きやすく、地価の下支え要因になります。一方で、急激な円高への転換や、外国人不動産取得規制の強化が議題になれば、需要が急速に冷える可能性もあります。
住宅取引に詳しい専門家の多くが指摘するのが「リゾート地の地価は観光需要の変動に大きく左右される。過去の別荘地バブル崩壊(1995〜2000年代)の教訓を忘れないこと」という点です。軽井沢の地価が2017年に過去最低値まで下落した歴史があることを、常に念頭に置いておく必要があります。
加えて、国内の住宅ローン金利の動向も無視できない変数です。2026年6月、日銀が政策金利1.0%への引き上げを検討していることが複数の主要メディアで報じられており、変動金利型住宅ローンの返済額上昇が現実のものとなりつつあります。ローンを活用した別荘・投資物件の購入では、「金利上昇→ローン返済負担増→投資採算の悪化→売却圧力→需要減→地価の下押し」という連鎖が起こりうるシナリオです。過去のリゾートバブル崩壊時にはこうした連鎖が実際に発生しました。購入を検討している方は、現行金利だけでなく金利が1〜2%上昇した局面での収支シミュレーションも必ず行ってください。
短期的には、インバウンドの継続・大手資本の投資・移住需要の底堅さから上昇トレンドが続く可能性が高いと見られています。ただし、過去のバブル崩壊時には2017年まで長期下落が続いた歴史もあります。将来の値動きを保証することはできないため、購入目的(実需か投資か)に応じた判断が重要です。
2026年時点でも上昇が続いており、「待てば下がる」とは言い切れない状況です。ただし+33%という急激な上昇後であるため、高値圏での購入リスクもあります。収益目的の場合は利回り計算を必ず行い、実需(自己使用)目的の場合は管理コストを含めた総費用で判断することを推奨します。
富士山ビューを優先するなら富士河口湖町・富士吉田市周辺、生活利便性を重視するなら甲府市近郊・笛吹市が有力候補です。東京へのアクセスを重視する場合は大月市・上野原市なども選択肢に入ります。いずれの場合も、ハザードマップと生活インフラの確認を先に行ってください。
新潟市中心部(中央区・万代周辺)は再開発で上昇傾向にあり、実需目的ならリスクは限定的です。一方で西区・郊外エリアは液状化リスクと人口減少による下落リスクがあります。また、県全体の31年連続下落は人口減少を反映しており、投資目的での購入は出口戦略を慎重に設計する必要があります。
移住先として人気が高いのは、東京から新幹線1時間以内でアクセスしやすい軽井沢・御代田(長野)、甲府市・韮崎市(山梨)です。子育て環境を重視するなら松本市・安曇野市(長野)も選択肢に入ります。補助金・支援制度は自治体によって大きく異なるため、移住を検討しているエリアの窓口に直接問い合わせることをおすすめします。
長野・山梨・新潟の2026年公示地価を振り返ると、以下のポイントが浮かび上がります。
甲信越エリアでの不動産取引(別荘・移住・投資)は、データで裏付けられた判断が欠かせません。地価ナビでは各都道府県・市区町村の詳細な地価データを公開しています。長野・山梨・新潟での物件探しや売却・購入の判断に、ぜひご活用ください。