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2026年の京都市は公示地価で住宅地+5.97%と力強く上昇していますが、当サイトの独自試算では実際の成約データはむしろ軟化しており、逆に神戸市は公示地価以上に実勢が加速している可能性があります。
この記事でわかること
2026年の公示地価(国土交通省が毎年3月に発表する土地の正常な価格の指標)では、関西圏全体で地価上昇が続いています。その中でも京都市と神戸市は、インバウンド需要・再開発・鉄道沿線整備を背景に目立った上昇を示しました。外国人による不動産取得の制度・規制の現状は外国人は日本の不動産を自由に買える?2026年の規制の行方と価格への影響で詳しく解説しています。
本記事では、公示地価という「点」の指標を区別ランキングで詳しく見たうえで、当サイトが独自に集計したREINFOLIB実取引データという「面」の実態と突き合わせ、両者にどのような違いがあるのかを検証します。住宅購入や不動産投資を検討している方に役立つ情報をお届けします。
公示地価だけを見ていると、「京都・神戸はどちらも上がっている」という大づかみな理解に留まりがちです。しかし実際には、どの区が牽引しているのか、そして実際の売買でも同じ傾向が続いているのかまで確認しないと、購入・投資のタイミングやエリア選びを誤るリスクがあります。特に2026年は、京都と神戸で公示地価と実勢の方向性が食い違うという珍しい状況が見られたため、両方の指標を確認する重要性が例年以上に高まっています。
特に近年は、住宅購入に詳しい専門家の間でも「公示地価だけを見て売り時・買い時を判断するのは危険」という指摘が増えています。公示地価はあくまで年に1回、限られた地点で更新される指標であるため、市況の変化がタイムリーに反映されるとは限りません。本記事の後半で紹介する独自試算は、この弱点を補う目的で、当サイトが独自に取り組んだものです。

まず全体の数字を把握しましょう。国土交通省「令和8年地価公示の概要」(出典:国土交通省)によると、京都府の住宅地平均価格は164,084円/㎡・前年比+2.33%でした。神戸市を含む兵庫県は、商業地平均40万2,303円/㎡・前年比+4.01%と報告されています。全国的にも住宅地・商業地・工業地のすべてで5年連続の上昇となっており、京都・神戸の上昇はこの全国的な流れの中でも特に目立つ動きといえます。
地域 | 住宅地 変動率 | 商業地 変動率 | 特徴 |
|---|---|---|---|
京都府全体 | +2.33% | 上昇基調 | 観光需要・再開発が牽引 |
京都市全体 | +5.97% | 区により+16%超も | インバウンド需要が顕著 |
神戸市全体 | +2.7% | +5.5% | 4年連続の上昇 |
神戸市中央区 | +4.43% | +6.98% | ウォーターフロント再開発 |
(出典:国土交通省「令和8年地価公示」・当サイトがdata/ranking_city-summaries.jsonとして独自集計した区市町村別データ、データ取得日:2026-09-18)
京都市・神戸市とも住宅地より商業地の上昇率が大きい点が共通しています。これは、観光需要や再開発によるオフィス・商業施設への投資が先行し、住宅地への波及がやや遅れて進むという、地価上昇局面によく見られるパターンに沿った動きといえます。次の章からは、この全体傾向を区別に分解し、実際にどのエリアが牽引しているのかを詳しく見ていきます。

京都市全体の公示地価(平均)は前年比+5.97%の上昇ですが、この平均値だけでは実際にどの区が牽引しているのかが見えません。市内11区には、観光地として世界的に知られる東山区から、比較的落ち着いた住宅地が広がる西京区まで、性格の異なるエリアが混在しています。当サイトが国交省の地価公示データを区別に独自集計したところ、以下のような結果になりました。
順位 | 区 | 変動率 | 平均価格 |
|---|---|---|---|
1位 | 東山区 | +7.09% | 341,286円/㎡ |
2位 | 南区 | +6.35% | 227,955円/㎡ |
3位 | 下京区 | +6.13% | 315,333円/㎡ |
4位 | 上京区 | +5.33% | 458,692円/㎡(市内最高値) |
5位 | 中京区 | +4.78% | 387,000円/㎡ |
順位 | 区 | 変動率 | 平均価格 |
|---|---|---|---|
1位 | 南区 | +16.29% | 1,593,417円/㎡ |
2位 | 東山区 | +14.3% | 1,599,792円/㎡ |
3位 | 中京区 | +10.26% | 2,034,068円/㎡ |
4位 | 下京区 | +10.14% | 2,407,238円/㎡(市内最高値) |
(出典:当サイトが国土交通省の地価公示データをもとに独自集計、データ取得日:2026-09-18)
住宅地・商業地のいずれも、清水寺や祇園に近い東山区、東寺周辺の南区、四条烏丸を含む下京区といった観光需要の強いエリアが上位を占めています。一方で、西京区・右京区といった郊外エリアは2%台の上昇に留まっており、市内でも上昇の勢いに明確な差が生まれていることが分かります。観光需要の恩恵を強く受けるエリアほど地価の上昇幅が大きく、逆に住宅地としての性格が強いエリアほど上昇が緩やかという構図は、京都市の地価動向を理解するうえでの重要なポイントです。
・左京区(岡崎・聖護院周辺):文化施設が集まり、静かな住環境が人気。外国人富裕層の住宅需要も増加。京都大学に近いエリアでもあり、教育環境を重視する世帯からの支持も根強いエリアです。
・伏見区(深草・向島周辺):京阪・近鉄のアクセスが良く、市中心部より地価が手頃。住宅地としての需要が安定しており、ファミリー層の転入も見られます。
・宇治市・城陽市(南部郊外):京都市内に比べ地価が低く、戸建て購入の選択肢として注目されている。京阪・JR奈良線での市内アクセスも確保されており、通勤圏として実用的な選択肢です。

神戸市の2026年の住宅地平均変動率は+2.7%、商業地は+5.5%と4年連続の上昇でした。神戸市は東西に細長く、東灘区・灘区・中央区といった大阪寄りのエリアと、須磨区・垂水区といった西側のエリアとで性格が大きく異なります。区別に見ると、上昇をどのエリアが牽引しているかがより明確になります。
順位 | 区 | 変動率 | 平均価格 |
|---|---|---|---|
1位 | 東灘区 | +4.49% | 354,220円/㎡ |
2位 | 中央区 | +4.43% | 363,538円/㎡ |
3位 | 灘区 | +4.30% | 352,929円/㎡ |
4位 | 西区 | +2.71% | 74,809円/㎡ |
5位 | 兵庫区 | +2.58% | 204,063円/㎡ |
順位 | 区 | 変動率 | 平均価格 |
|---|---|---|---|
1位 | 中央区 | +6.98% | 1,476,980円/㎡(市内最高値) |
2位 | 灘区 | +6.74% | 594,000円/㎡ |
3位 | 東灘区 | +6.39% | 561,083円/㎡ |
(出典:当サイトが国土交通省の地価公示データをもとに独自集計、データ取得日:2026-09-18)
住宅地・商業地ともに、東灘区・中央区・灘区という大阪寄りの3区が上位を占めており、京都市とは異なり、市内での上昇の広がりが比較的均等であることが読み取れます。西区・北区・須磨区・垂水区といった郊外エリアも2%前後のプラスを維持しており、市内全域で緩やかな底上げが続いている点が神戸市の特徴です。京都市が一部エリアへの上昇の集中が目立つのに対し、神戸市は市内全体で底堅さを保っているという対比は、両市のエリア選びの戦略にも影響する重要な違いです。
・東灘区(岡本・住吉周辺):阪急岡本駅・JR住吉駅エリア。大阪へのアクセスが良く、閑静な高級住宅街として安定した需要があります。おしゃれなカフェ・雑貨店が集まるエリアとしても人気です。
・灘区(六甲・王子公園周辺):六甲山の麓に広がる住宅地。地価は14年連続上昇を記録するエリアあり。大学・文化施設が多く、落ち着いた学園都市の雰囲気があります。
・西区・北区(郊外住宅地):市中心部より地価が手頃で、子育て世帯に人気の住宅地。大規模ニュータウン(西神ニュータウン等)が広がり、公園・教育施設などの生活インフラも整っています。

ここまで見てきた公示地価は、毎年1月1日時点の「標準地」という限られた地点の評価であり、実際の市場で成立している成約価格そのものではありません。当サイトが国土交通省「不動産情報ライブラリ」(REINFOLIB)の実取引データを独自集計したところ、京都市と神戸市で対照的な動きが見つかりました。
四半期 | 京都市(中央値・N数) | 神戸市(中央値・N数) |
|---|---|---|
2025Q1 | 57.5万円/㎡(N=265) | 51.4万円/㎡(N=339) |
2025Q2 | 61.4万円/㎡(N=238) | 49.5万円/㎡(N=314) |
2025Q3 | 61.7万円/㎡(N=198) | 56.9万円/㎡(N=315) |
2025Q4 | 59.5万円/㎡(N=234) | 56.4万円/㎡(N=343) |
2026Q1 | 54.6万円/㎡(N=130) | 61.4万円/㎡(N=196) |
当サイトが集計した国土交通省 不動産情報ライブラリ(REINFOLIB)の実取引データ(中古マンション等・住宅用途、2025年第1四半期〜2026年第1四半期)です。
京都市は、公示地価では住宅地+5.97%という力強い上昇が示されていますが、実成約データでは2025Q3の61.7万円/㎡をピークに2026Q1は54.6万円/㎡までやや軟化しています。神戸市は逆に、51.4万円/㎡から61.4万円/㎡へと一貫して上昇しており、公示地価の伸び(+2.7〜4.49%)以上に実勢が強まっている可能性を示しています。
ただし、この試算には限界もあります。REINFOLIBのデータは中古マンション等の成約価格であり、公示地価(土地の標準地評価)とは対象そのものが異なる近似的な比較である点、四半期ごとのサンプル数(N)が変動する点、2026Q1は速報値のためN数が少なく今後の確報で数値が変わりうる点にご留意ください。あくまで相関関係であり、両者の乖離の原因を厳密に特定するものではありません。エリアを絞った独自集計であるため、京都市・神戸市それぞれの中でも区によって異なる動きをしている可能性がある点も踏まえてご覧ください。
それでも、なぜこのような乖離が生まれるのかを考えることには意味があります。公示地価は毎年1月1日時点という「一時点」の評価であるのに対し、実成約データは四半期ごとに積み上がる「継続的な取引の集積」です。京都市の場合、観光需要を背景にした地価上昇期待が先行し、実際の取引価格がその期待に追いついていない、あるいは高値圏での取引が一巡して調整に入った可能性が考えられます。神戸市の場合は逆に、再開発の効果が公示地価の評価に反映されるより先に、実際の取引市場で評価され始めている可能性があります。
不動産取引の現場では、公示地価が発表された直後に「今年も上がったから、うちのエリアも高く売れるはず」と考える売主が増える一方、買主側は実際の成約事例を見て慎重に価格交渉をする傾向があります。このギャップが大きいエリアほど、売り出し価格と実際の成約価格の差が開きやすくなるため、京都市のように公示地価と実勢の乖離が生じているエリアでは、価格交渉の余地や売却までの期間について、あらかじめ現実的な見通しを持っておくことが実務上の備えになります。
とはいえ、「公示地価が上がっている=どのエリアでも高く売れる」と単純に捉えるのではなく、実際の成約動向もあわせて確認する視点が、京都・神戸で不動産を検討するうえで重要だといえるでしょう。
不動産取引の現場では、公示地価は「税務評価や相続税評価の基準」として、実勢価格(実際の成約データ)は「今まさに売り買いされている金額の目安」として、それぞれ異なる役割で使い分けられています。売却を検討している方は、実際に売れる金額に近い実勢データを重視し、購入を検討している方は、公示地価の伸び率から将来の値上がり余地を推測する、という組み合わせが実務上のポイントです。特に今回のように両者の方向性が分かれている局面では、片方の指標だけで判断せず、複数の情報源を照らし合わせる姿勢がより重要になります。

ここまで見てきた公示地価のランキングと、独自試算による実成約データの動きを踏まえて、京都市と神戸市を住宅購入・投資という観点から比較すると、次のような整理ができます。
比較項目 | 京都市 | 神戸市 |
|---|---|---|
住宅地平均地価 | 高め(中心部は割高) | 中程度 |
公示地価のトレンド | 強い(インバウンド主導) | 安定(再開発主導) |
実成約データのトレンド | 直近はやや軟化 | 一貫して加速上昇 |
投資向け物件 | 民泊・旅館業に可能性 | ファミリー向け賃貸に強い |
住宅購入の狙い目 | 郊外(宇治・城陽) | 東灘区・灘区、または郊外(西区・北区) |
「今の価格が高いか安いか」だけで判断するのではなく、公示地価のトレンドと実成約データのトレンドという2つの視点を組み合わせることが、後悔しないエリア選びのポイントです。どちらか一方の数字だけを根拠に意思決定するのではなく、両方を照らし合わせたうえで総合的に判断する姿勢が大切です。京都市中心部のように公示地価が強含みでも実勢がやや落ち着き始めているエリアでは、価格交渉の余地が生まれている可能性があります。逆に神戸市東灘区・灘区のように実勢が加速しているエリアでは、購入を先送りするほど予算が必要になるケースも考えられます。

2026年の関西圏では、大阪市・ミナミが6年ぶりに最高価格地点となり(出典:日本経済新聞「公示地価2026・関西」)、大阪の勢いが関西圏全体を牽引しています。大阪府の詳しい区別ランキングは大阪・福岡の地価2026|浪速区+15.5%と福岡11年連続上昇で解説していますので、あわせてご参照ください。京都・神戸のベッドタウンとしての側面を持つ滋賀県・奈良県の動向は滋賀・奈良の地価2026|関西圏ベッドタウンの最新相場と注目エリアで詳しく解説しています。神戸市に隣接する西宮市・芦屋市・尼崎市や、明石市・姫路市など兵庫県のほかの市町の地価は、兵庫県の地価2026|西宮・芦屋・明石の市町ランキングと土地価格で市町別のランキングと実際の取引価格をまとめています。京都・神戸はこの関西圏全体の上昇の流れを受けながら、それぞれの独自要因(インバウンド・再開発)が重なって上昇が続いています。関西圏全体の地価動向を俯瞰したい場合は、全国47都道府県のランキングを掲載した2026年公示地価を徹底解説|全国47都道府県ランキングと上昇・下落エリアもあわせてご確認ください。
公示地価は強い上昇基調ですが、当サイトの独自試算では実成約データが直近でやや軟化しています。オーバーツーリズム対策・景観規制・金利動向次第では調整局面も考えられるため、市中心部への集中投資よりも、住環境の良い郊外(宇治・城陽等)の住宅地も検討価値があります。両方の指標の動きを継続的に確認しながら判断することをおすすめします。
目的によって異なります。大阪への通勤利便性と資産性を重視するなら東灘区・灘区(住宅地・商業地ともに区別ランキング上位)、価格を抑えて広い物件を求めるなら西区・北区が向いています。投資目的であれば賃貸需要の高い東側エリアが有利ですが、価格も相応に高くなる点は踏まえておきましょう。ファミリー層が多いエリアでは、周辺の教育施設や商業施設の充実度もあわせて確認するとよいでしょう。
京都市は景観条例(高さ制限・外観規制等)があるため、マンション供給が限られ価格が高止まりしやすいです。神戸市では阪神・淡路大震災の液状化リスクエリアが一部あるため、ハザードマップの確認が重要です。いずれも国土交通省「不動産情報ライブラリ」で地域のリスク情報を確認することをおすすめします。内覧の際は、周辺の建築計画(新規開発の有無)や避難経路もあわせて確認しておくと安心です。
はい、公示地価は毎年1月1日時点の標準地という限られた地点の評価であり、実際の売買価格(実勢価格)とは一致しません。実勢価格は公示地価の1〜2割程度上振れすることが一般的とされますが、エリアや時期によって差が生じます。土地の価格指標の違い(公示地価・基準地価・実勢価格)については路線価・公示地価・実勢価格の違いを徹底解説|土地の調べ方で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。当サイトの独自試算(本記事「公示地価と実勢価格はズレている?」)もあわせてご参照ください。
公示地価だけを見ると京都市の伸び(+5.97%)が神戸市(+2.7%)を上回りますが、当サイトの独自試算では神戸市の実成約データの方が直近で加速しています。どちらが「期待できる」かは指標次第で変わるため、両方のデータを踏まえて判断することをおすすめします。投資目的であれば実成約データの動きを、居住目的であれば公示地価が示す中長期のエリア評価を重視するなど、目的に応じて使い分けるのも一つの実務的な方法です。
訪日外国人による不動産購入・観光需要は地価上昇の一因とされていますが、規制動向や実際の取得規模については一次データに基づいた検証が必要です。為替や国際情勢の変化によって需要の強さが変動する可能性もあるため、インバウンド需要だけに依存しないエリア選び(住宅需要が安定しているエリアも含めた検討)が無難といえます。詳しくは外国人は日本の不動産を自由に買える?2026年の規制の行方と価格への影響で解説しています。
大阪は関西圏の中でも特に上昇が力強く、京都・神戸はその流れを受けつつ独自要因(インバウンド・再開発)で上昇しています。滋賀・奈良は京都・神戸のベッドタウンとしての性格が強く、通勤利便性を重視する層に人気です。価格帯としては、大阪中心部が最も高く、京都中心部・神戸中央区が続き、滋賀・奈良は比較的抑えめという序列になる傾向があります。大阪の詳細は大阪・福岡の地価2026、滋賀・奈良の詳細は滋賀・奈良の地価2026をご覧ください。
京都・神戸の不動産市場は、それぞれ独自の強みを持ちながら上昇を続けています。公示地価という「点」のデータだけを見て判断するのではなく、実際の成約動向という「面」の実態もあわせて確認する視点を持つことで、より納得感のある意思決定につながります。住宅購入・投資を具体的に進める際は、最新のデータと現地の動向を確認しながら、専門家への相談もあわせて検討してみてください。
最終更新日:2026-09-18