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マンションは停電すると給水ポンプが止まり、断水でトイレが流せず、エレベーターも停止して「陸の孤島」になる恐れがあります。戸建てよりライフラインが電気に依存するため、設備リスクを事前に見抜くことが重要です。
この記事でわかること
台風15号(アジア名チャンホン)は2026年8月11日20時頃に茨城県南部へ上陸し、関東平野を東から西へ横断する異例の進路をとりました。茨城・栃木では約3480戸が停電し、4人がけがをしています(NHK・ウェザーニュース)。首都圏の直撃で改めて注目されているのが、マンション特有の「停電に弱い」という弱点です。戸建てと違い、マンションは電気が止まると水も出なくなる構造だからです。

停電の本当の怖さは、断水です。マンションの多くは、電動の給水ポンプで水をくみ上げて各戸へ送っています。停電するとこのポンプが止まり、3階以上を中心に蛇口から水が出なくなります。給水方式(直結増圧方式・受水槽方式)にかかわらず、電気が止まれば送水も止まると考えておくのが安全です。
実際に、2019年の台風19号では、川崎市の武蔵小杉エリアで内水氾濫が発生し、地下にあった電気設備(電気室)が浸水しました。その結果、複数の高層マンションが全館停電・断水に陥り、「陸の孤島」と報じられました(出典:日本経済新聞)。地震と違い水害は毎年起こりうるため、自分の住まいの浸水リスクを知っておくことが欠かせません。あわせて内水ハザード追加!自宅の浸水リスクを無料で確認もご覧ください。

被害が最も重くなるのは、高層階です。停電でエレベーターが止まると、上層階の住民は外出も帰宅も難しくなり、「高層難民」と呼ばれる状態になります。不動産の現場でも、20〜30階の階段往復は現実的でなく、特に高齢者や小さな子どものいる世帯ほど負担が大きいと指摘されています。
トイレも大きな問題です。停電・断水では水が流せません。タンク式トイレはタンク内の水で1回だけ流せますが、それ以降は使えません。注意したいのは、建物の排水管や下水が損傷・停止している場合は、無理に流すと下階への漏水や逆流を招く恐れがある点です。この場合は流さず、携帯トイレを使うのが原則です。
見落としがちなのが、非常用電源への過信です。マンションの非常用発電機は、消火設備・非常用エレベーター・非常灯・共用部のコンセントなどに給電するのが一般的で、通常のエレベーターや給水ポンプ、各住戸内のコンセントまではカバーしないことが多いのです。さらに、オール電化のマンションは調理・給湯・冷暖房のすべてが電気に依存するため、停電すると生活機能がまとめて止まります。オール電化のマンションは後からガス併用へ切り替えられない物件も多く、購入や賃貸の契約前に「オール電化かガス併用か」を確認しておくと安心です。

停電・断水への強さは、購入前にある程度見抜けます。鍵になるのは、ハザードマップと電気室の位置です。電気室の位置とハザードマップは、購入前に必ず確認しておきたいポイントです。次の点を内見時や管理会社への質問で押さえておきましょう。
浸水履歴や電気室の配置は、そのマンションの資産価値と管理力を映す指標でもあります。台風の備えについては台風シーズン本格化|上陸前にやる家の備えと保険確認も参考になります。

耐震性の高いマンションは、倒壊の恐れがなければ、避難所へ行かず自宅にとどまる「在宅避難(籠城避難)」が有効な選択肢になります。ただし在宅避難者には行政の物資が届きにくいため、備蓄は多めに用意しておく必要があります。水・食料は最低1週間分、家族分の携帯トイレをあわせて備えておくのが目安です。
備えておきたいものは次の通りです。飲料水と食料(1週間、可能なら10日分)、家族分の携帯・簡易トイレ、モバイルバッテリーやポータブル電源、懐中電灯と電池式ラジオ、常備薬などです。停電で照明・通信・調理がまとめて止まることを想定しておきましょう。
台風の接近前には、浴槽に水をためる、スマホやバッテリーを満充電にする、必要なら停電前に低層階へ移動する、といった準備が役立ちます。実際に停電が起きたら、通電火災を防ぐためブレーカーの扱いに注意し、管理会社や自治体からの情報をこまめに確認してください。あわせて災害で家を失ったら|仮設・支援金の使い方も知っておくと安心です。
多くのマンションでは、停電で給水ポンプが止まると断水し、トイレを流せなくなります。タンク式なら1回分は流せますが、その後は使えません。排水管が損傷しているときは逆流の恐れがあるため流さず、携帯トイレを使うのが安全です。
エレベーターが止まって外出が困難になる「高層難民」のリスクがあります。断水で水やトイレも使えず、生活の再建に時間がかかりやすい点も特徴です。日ごろから水・食料・携帯トイレを多めに備えておくことが重要です。
ハザードマップで浸水想定を確認し、電気室が浸水しにくい高さにあるか、止水対策があるかをチェックします。あわせて非常用発電機の給電範囲や防災備蓄の有無を管理会社に確認すると、災害時の強さを見極めやすくなります。
台風の直撃は、マンションの「停電への強さ」を見直すきっかけになります。購入を検討している方は、立地のハザードリスクや管理体制まで含めて比較することが、安心して長く住める住まい選びにつながります。エリアの地価や相場を調べる際は、ぜひ地価ナビもご活用ください。