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台風の強風で壊れた屋根や窓は、火災保険の「風災補償」で補償される可能性があります。ただし車の損害・経年劣化・浸水は対象外で、「免責20万円」の契約では損害額が20万円に届かないと1円も支払われません。
この記事でわかること
非常に強い勢力の台風18号(ソウデル)が2026年8月25日、沖縄・奄美へ接近しています。まずは命を守る行動が最優先です。そのうえで、暴風が過ぎたあとに慌てないよう、自宅の火災保険で何がどこまで補償されるのかを確認しておきましょう。この記事は台風9号接近時の内容を、台風18号の最新状況と最新の実務情報にあわせて全面的に更新したものです。

気象庁の2026年8月25日9時50分の発表時点で、台風18号は南大東島付近(北緯26度00分・東経131度05分)にあり、中心気圧950hPa、最大風速40メートル(最大瞬間風速60メートル)の非常に強い勢力で、西北西へ毎時20キロで進んでいます(出典:日本気象協会 tenki.jp/2026年8月25日確認)。
予報では26日9時に沖永良部島の西北西約160キロ、27日には東シナ海へ進む見込みで、沖縄県と鹿児島県には暴風警報・波浪警報が発表されています。25日夜から沖縄本島・奄美が暴風域に入り、26日から28日にかけて南西諸島への影響が続くとみられています。今回は影響が長引くタイプの台風です。
暴風のなかでの屋外作業や見回りは危険です。窓の補強や飛ばされやすいものの片付けは、風が強まる前に済ませてください。事前の備えについては台風シーズン本格化|上陸前にやる家の備えと保険確認もあわせてご覧ください。

強風による建物や家財の損害は、火災保険の風災補償で補償される可能性があります。風災補償とは、台風・突風・竜巻などの強い風によって生じた損害を補償するものです。
典型的なのは、強風で屋根瓦やスレートが飛ばされた、飛来物が当たって窓ガラスが割れた、カーポートや雨どいが破損した、といった被害です。多くの火災保険では風災補償を付けると、雹(ひょう)災・雪災もあわせて補償の対象になります(出典:損保ジャパン/2026年8月25日確認)。
見落とされがちですが、風災補償が必要なのは戸建てだけではありません。保険の実務では、竜巻や飛来物でマンションの窓ガラスが割れる被害も起きており、集合住宅の居住者でも風災補償の有無を確認しておく意味があります。分譲マンションの場合、専有部分は自分の火災保険、共用部分は管理組合の保険という切り分けになる点も押さえておきましょう。

ここが台風被害でもっとも誤解の多い部分です。「免責20万円」は自己負担額ではなく、保険金が支払われるかどうかの入口を意味することがあります。
保険の実務で「フランチャイズ方式」と呼ばれる契約では、損害額が20万円以上になったときに自己負担なしで保険金が支払われ、20万円に届かなければ支払いはゼロになります。つまり修理費が19万円なら1円も出ず、21万円なら全額が支払われるという仕組みです。多くの契約者がこれを「自己負担が20万円」と誤解しています。
一方、近年の契約で主流になっているのが免責方式(自己負担額を0円から20万円の範囲で自分で設定する方式)です。免責1万円で契約していれば、20万円の損害に対して自己負担1万円を差し引いた19万円が支払われます。免責0円型なら、小さな損害でも請求できます。
実務者が指摘するのは、風災の被害は20万円以下で収まるケースが多いという点です。ドアの金具が壊れた、網戸が外れた、雨どいの一部が破損した——こうした被害はフランチャイズ方式では使えません。保険料はフランチャイズ方式のほうが安くなりますが、実際に使える場面を重視するなら免責0円型を選ぶ考え方もあります。自分の保険証券に「免責金額」と書かれているか、「フランチャイズ方式」または20万円という金額だけが記載されているかを確認してみてください。
台風被害のすべてが火災保険で直せるわけではありません。庭に停めていた車が飛来物で傷ついた場合は、火災保険ではなく自動車保険(車両保険)の領域です。屋根の劣化やサビなど経年劣化・老朽化が原因の損害も対象外になります。大雨による床上・床下浸水は「水災補償」という別の補償でカバーされるため、風災と混同しないよう注意してください。なお火災保険料は近年の自然災害増加を受けて上昇が続いています(参考:2026年 火災保険が平均1.5倍に値上げ)。

今回の台風は26日から28日にかけて影響が続く見込みです。暴風域を抜けたあとも停電や断水が数日残ることがあります。
備えとしては、飲料水を1人1日3リットル・3日分を目安に確保すること、モバイルバッテリーを満充電にしておくこと、断水に備えて浴槽に水を張っておくことが基本です。停電中の冷蔵庫はできるだけ開けないほうが庫内温度を保てます。
中高層のマンションでは、停電でエレベーターと揚水ポンプが同時に止まり、上階が孤立して水も出なくなることがあります。日頃から数日分の備蓄を上階に置いておくと安心です(詳しくは台風15号が関東直撃|マンション停電の落とし穴)。避難で家を空けるときは、通電火災を防ぐためブレーカーを落としてから出てください。

被害を確認したら、片付ける前に写真を撮ることから始めます。手順は次のとおりです。
実務で重要なのが連絡の早さです。火災保険の請求期限は保険法で3年と定められていますが、紛争になった事例では、被害から半年後に申請したケースで鑑定人が「台風による損害とは認められない」と判断し、支払いに至らなかったものがあります。時間が経つほど、その台風が原因だと示すことが難しくなります。
また、契約内容そのものを確認しておくことも欠かせません。保険料を抑えるために風災を外していたことに気づかないまま請求し、支払い後にトラブルとなった紛争事例も報告されています。もし保険会社との話し合いで解決しない場合は、損害保険協会が運営する「そんぽADRセンター」に相談する道があります。中立の立場で和解案を示す紛争解決手続きです。
あわせて注意したいのが、災害に便乗する業者です。「保険金で自己負担なく修理できる」と勧誘し、高額な請求代行手数料を求めるトラブルが増えています。契約を急がされたら、いったん保留にして保険会社に直接確認してください。住まいそのものを失った場合の支援は災害で家を失ったら|仮設・支援金の使い方にまとめています。
使えます。賃貸契約時に加入する火災保険は主に家財を対象としており、飛来物で窓が割れて家具や家電が壊れた場合などに補償される可能性があります。建物本体の修理は貸主(オーナー)側の保険で対応するのが一般的です。まずは管理会社へ連絡してください。
食品そのものは補償の対象外とされるのが一般的です。ただし落雷などで冷蔵庫本体が壊れた場合は、家財の補償で対応できることがあります。契約により扱いが異なるため、保険会社に確認してください。
直せません。車の損害は自動車保険の車両保険で扱います。飛来物による傷やへこみ、冠水による被害が対象になるかは車両保険の型(一般型・エコノミー型)によって変わるため、証券を確認してください。
自然災害の増加を背景に、火災保険の保険料は近年上昇が続いています。将来の改定を断定することはできませんが、更新のタイミングで補償内容と免責金額を見直しておくと、必要な補償を確保しながら負担を調整しやすくなります。
台風が近づいているいまは、まず命を守る行動を最優先にしてください。落ち着いたら、自宅の保険証券を開いて風災補償の有無と免責金額の方式を確認しておきましょう。補償内容の見直しは、契約している保険会社や代理店に相談することをおすすめします。