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地震や台風で自宅に住めなくなったとき、被災者は応急仮設住宅(民間賃貸を借り上げる「みなし仮設」を含む)に入居でき、被災者生活再建支援金は最大300万円が支給される可能性があります。こうした支援の起点になるのが、市区町村が発行する「罹災証明書」です。
この記事でわかること
2026年8月には、UR都市機構が令和8年(2026年)熊本地震の被災者に向けてUR賃貸住宅を提供する動きが報じられました。地震や台風が相次ぐ時期だからこそ、「もし家が住めなくなったら」に備えて、住まいとお金の公的支援を知っておきましょう。制度を知っていれば、いざというときに落ち着いて動けます。

被災して自宅に住めなくなった場合、災害救助法にもとづく応急仮設住宅に入居できる可能性があります。まず押さえたいのは、住まいの支援も含めて多くの手続きの出発点が「罹災証明書」だという点です。
罹災証明書とは、住宅の被害の程度(全壊・大規模半壊・中規模半壊・半壊など)を市区町村が調査し、公式に証明する書類です。仮設住宅の入居や支援金の申請など、さまざまな支援の前提になります。注意したいのは、罹災証明書は被災者本人が申請しないと発行されない点です。役所が自動的に被害調査に来るわけではありません。持ち家だけでなく、賃貸住宅に住んでいた人も申請できます。
応急仮設住宅には大きく2種類あります。1つはプレハブなどを新たに建てる「建設型応急住宅」、もう1つは自治体が民間の賃貸住宅を借り上げて提供する「賃貸型応急住宅(みなし仮設)」です。みなし仮設は既存の空き室を活用するため、建設型よりも早く入居できるのが利点です。家賃や関連費用は自治体が負担し、入居期間は原則として最長2年とされています。全壊などで自力での住まい確保が難しい世帯が対象です。
このほか、自治体の公営住宅やUR賃貸住宅が、被災者向けに一時的な住まいを提供することもあります。2026年8月にはUR都市機構が熊本地震の被災者にUR賃貸を提供する動きが報じられました。こうした一時提供は、みなし仮設と並ぶ住まい確保の選択肢になります。地震被災後の住まいと合わせて、被災したら住宅ローンはどうなるかも確認しておくと安心です。

被災者生活再建支援金は、自然災害で住宅に大きな被害を受けた世帯に支給される公的な支援金で、最大で300万円が支給される可能性があります。被災者生活再建支援法にもとづく制度です(出典:内閣府「被災者の住まいの確保」)。
支援金は「基礎支援金」と「加算支援金」の2階建てです。基礎支援金は住宅の被害程度に応じて支給され、全壊・解体・長期避難の場合は100万円、大規模半壊の場合は50万円が目安です。加算支援金は再建方法に応じて支給され、住宅を建設・購入する場合は200万円、補修する場合は100万円、賃貸に移る場合(公営住宅を除く)は50万円が目安です。基礎と加算を合わせて、全壊世帯が新たに住宅を建設・購入すると最大300万円になります。
支援金は持ち家世帯だけのものではなく、条件を満たせば賃貸で暮らしていた世帯も対象になり得ます。支援金を受け取るには罹災証明書が必要で、申請には期限があります。基礎支援金は災害発生日から13か月以内、加算支援金は37か月以内が原則です(延長される場合もあります)。金額や条件は災害の規模や自治体によって異なるため、具体的な内容は自治体の窓口で確認することをおすすめします。

被災直後は気が動転しがちですが、後の手続きを有利に進めるために、先にやっておきたいことがあります。不動産のプロが注意点として挙げるのは、「被害の記録」と「早めの相談」です。
被災した住宅を片付ける前に、被害の状況をスマートフォンなどで写真に撮っておきましょう。撮影した記録は、罹災証明書の被害認定や、火災保険・地震保険の請求の際に役立ちます。片付けや修理を先に進めてしまうと、被害の程度を客観的に示すのが難しくなることがあります。地震保険の備えについては、あわせて地震に強い土地の見分け方も参考になります。
被災後の支援制度は種類が多く、全体像をつかみにくいのが実情です。実務上よく見られるのは、制度を知らずに申請期限を過ぎてしまうケースです。罹災証明書のように、被災者本人が申請しないと進まない手続きもあります。まずは住んでいる自治体の窓口や、被災者向けの相談窓口に早めに問い合わせ、自分が使える制度を確認することが大切です。
支援金や仮設住宅の条件は、災害の規模や自治体によって変わります。実際に被災した場合は、早めに自治体の窓口へ相談し、使える制度を確認したうえで手続きを進めることをおすすめします。