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突然の「無料で点検します」という訪問は、原則すべて断って構いません。本当に点検が必要なら、契約中のメーカーや元の施工店から連絡が来るのが普通で、飛び込みで来た業者にその場で契約する必要はまったくないからです。
この記事でわかること
お盆は、離れて暮らす家族が実家に集まる時期です。普段ひとりで過ごす高齢の親のもとに、見慣れない業者の名刺や契約書が残っていた——そんな異変に気づけるのも、この帰省のタイミングならではです。近年は「無料点検」を入口にした訪問トラブルが全国で増えており、その手口は屋根や外壁から住宅設備へと広がっています。この記事では、点検商法の実態と、大切な住まいと家族を守るための具体的な行動を整理します。

点検商法とは、「無料で点検します」と言って住宅を訪問し、点検後に不安をあおって高額な工事契約を迫る商法のことです。屋根・外壁・床下・給湯器などを口実に、「このままでは雨漏りする」「今すぐ直さないと危ない」と即決を促すのが典型的なパターンです。
点検そのものは違法ではありません。問題は、点検を「契約を取るための入口」として使い、その場で判断を迫る点にあります。とくにアポイントのない訪問で、無料をうたい、当日中の契約を急がせる場合は警戒が必要です。冷静に相見積もりを取る時間を与えないことこそ、点検商法の狙いだからです。
国民生活センターに寄せられた「点検商法」の相談件数は、2023年の12,550件から2025年には19,696件へと、2年で約1.6倍に増えました。一方で「訪問販売によるリフォーム工事」の相談は同じ期間に11,879件から5,544件へと減少しています。つまり、“工事”を直接持ちかける手口から、“無料点検”を入口にする手口へと主流が移っているのです。


2026年に目立つのは、点検の名目が屋根・外壁から給湯器・エコキュート・分電盤・太陽光発電・蓄電池といった住宅設備へ広がっていることです。「省エネ設備は定期点検が必要」というイメージを逆手に取り、専門知識のない人を不安にさせる狙いがあります。
「メーカーの定期点検です」「自治体から委託されました」と名乗り、信用させてから家に上がろうとするケースが報告されています。しかし、住宅設備を実際に販売・設置した業者やメーカーが、何も起きていないのに無料で点検に回ることは基本的にありません。点検には本来コストがかかるからです。例外は製品のリコール対応ですが、その場合もメーカー公式サイトや購入した販売店に電話で事実確認すれば真偽はすぐ分かります。
現場では、2人組で訪問して屋根に登り、「板金が錆びてボロボロ」「このままでは雨漏りする」と写真を見せて契約を迫る手口が確認されています。ところが自分でカメラを使って屋根を確認すると問題がなく、見せられた写真は別の家のものだった、という事例もあります。「今なら安くできる」とその場で見積もりを書いて即決を促すのは、点検商法の危険なサインです。

判断に迷ったら、次の危険サインを思い出してください。ひとつでも当てはまれば、その場で契約せず、いったん引き取ってもらうのが正解です。
見てもらうだけなら害はありませんが、状態が悪い・今すぐ直せと迫る相手ほど疑うのが鉄則です。契約はその場でせず、必ず一度帰ってもらいましょう。
設備の不調が気になる場合は、次の順番で進めれば安全です。第一に、購入した販売店やメーカーの公式窓口へ自分から連絡する。第二に、地元で看板を掲げて営業している業者に相談し、相見積もりを取る。第三に、工事が必要と言われたら写真や書面で根拠を残してもらう。正規のリフォームであれば減税制度の対象になることもあります。詳しくはリフォーム減税2026完全ガイド|控除額・確定申告・選び方もあわせて確認してください。

もし契約してしまっても、あきらめる必要はありません。訪問販売にはクーリングオフという強力な救済制度があります。
訪問販売で契約した場合、法定の契約書面を受け取った日から8日以内なら、書面や電子メールの通知で無条件に契約を解除できます。すでに工事が始まっていても、原状回復の費用は事業者負担です。さらに、「クーリングオフはできない」などと事業者が嘘をついて妨害した場合は、8日を過ぎても解除できます。まずは最寄りの消費生活センター(消費者ホットライン「188」)に相談しましょう。
お盆の帰省は、実家の状況を確認する絶好の機会です。次の点をさりげなくチェックしてみてください。
実家の今後の管理や活用に不安がある場合は、実家を相続したらどうする?売却・賃貸・空き家対策の完全ガイドも参考になります。
Q. 無料点検は全部断ってよいのですか?
A. アポイントのない飛び込みの「無料点検」は、原則すべて断って問題ありません。本当に点検が必要な場合は、契約中のメーカーや施工店から連絡が来ます。不安なら、その業者ではなく公式窓口へ自分から確認してください。
Q. 点検を「見てもらうだけ」ならしてもよいですか?
A. 見るだけなら大きな害はありませんが、その流れで即日契約を迫られるのが点検商法です。点検後に工事を勧められても、その場で契約せず、必ず一度持ち帰って相見積もりを取りましょう。
Q. 高齢の親が契約してしまいました。もう解約できませんか?
A. 訪問販売なら契約書面の受領日から8日以内はクーリングオフが可能です。妨害があった場合は8日を過ぎても解除できることがあります。まず消費者ホットライン「188」に相談してください。
大切な住まいと家族の資産を守る第一歩は、「無料点検はまず断ってよい」と知っておくことです。お盆の帰省を機に、離れて暮らす親とも点検商法への備えを話し合ってみてください。実家の管理や資産の見直しで迷ったときは、不動産の専門家に早めに相談することをおすすめします。