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2026年のマンション価格は、新築は上期平均で1億円台に乗せる一方、中古は73カ月ぶりの下落を経て取引が細る膠着相場に入りました。同じ「マンション」でも、新築と中古、そして価格帯によって動きが正反対に分かれています。
この記事でわかること
「マンションはもう高すぎる。待てば下がるのだろうか」「高値のうちに売ったほうがいいのか」——購入・売却を検討する多くの人が、いま同じ迷いを抱えています。この記事では、公表された最新の市況データと、当サイトが集計した国土交通省の実取引データをもとに、マンションに絞って価格の現在地を読み解きます。不動産市場全体の見通しや金利の影響については2026年不動産価格の見通し|三極化する市場の読み方と売買タイミングをご覧ください。

2026年のマンション価格は「全体としてはまだ高値圏」にありながら、新築と中古で方向が分かれています。まずは公表されている最新の数字を確認します。
首都圏の新築分譲マンションは、2026年上半期(1〜6月)の平均価格が1億135万円となり、上期として初めて1億円台に到達しました。㎡単価は151.4万円で、価格・単価とも2年連続の上昇です(出典:不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向」・データ取得日:2026年8月18日)。
ただし売れ行きは伴っていません。発売戸数は7,989戸(前年比0.8%減)で上期として5年連続の供給減、初月契約率は64.8%と、好調の目安とされる70%を下回りました。在庫も6,389戸と前年から363戸増えています。
注意したいのは、新築の「平均価格」は月ごとの供給物件に左右されやすい指標だという点です。都心の大型・高額物件が多く供給された月は平均価格が跳ね上がり、郊外の中小規模物件が中心の月は下がります。「1億円を超えた/下回った」という見出しの数字より、面積あたりの単価が前年と比べてどう動いたかを見るほうが実勢をつかみやすくなります。新築の価格が下がりにくい構造は新築マンション価格が下がらない3つの理由で解説しています。
変化がより鮮明なのは中古です。首都圏の中古マンションは、2026年5月に成約坪単価が73カ月ぶりに前年同月を下回りました。成約価格も5,067万円と19カ月ぶりの下落です。約6年続いた右肩上がりが、ここで一度途切れました。
その後の推移を見ると、価格そのものは横ばい圏に戻る一方で、取引量の減少が続いています。
時期 | 成約件数(前年同月比) | 成約価格 | 在庫件数(前年同月比) |
|---|---|---|---|
2026年5月 | 3,709件(3.4%減) | 5,067万円 | — |
2026年6月 | 4,241件(1.3%減) | 5,208万円 | 45,995件(3.5%増) |
2026年7月 | 3,638件(8.6%減) | 5,267万円 | 47,151件(5.5%増) |
(出典:東日本不動産流通機構(レインズ)「月例速報 Market Watch 2026年5〜7月度」・データ取得日:2026年8月18日)
成約価格は5,000万円台を保っており、大きく崩れてはいません。動いたのは取引の量です。売り出し中の物件の平均価格は2026年7月で6,866万円(前年同月比29.0%増)まで上昇しており、実際の成約価格との差は約1,600万円に広がりました。売り手の希望と買い手の予算が噛み合わない状態が続いています。詳しい月次動向は中古マンション成約4カ月連続減|動かない今の相場をご覧ください。
市場全体の成約データに加えて、当サイトが集計した国土交通省の実取引データ(不動産情報ライブラリ)でも、価格の中身を確認できます。東京都の中古マンションの取引価格を四半期ごとに集計すると、次のような推移になりました。

注目すべきは、市場の「真ん中の価格」である中央値が3,700万円で横ばいを続ける一方、平均値だけが上昇していることです。2025年1〜3月期の平均は5,390万円でしたが、2026年1〜3月期には5,975万円まで上がりました。中央値に対する平均値の比率は1.46倍から1.66倍へと開いています。
この乖離が意味するのは、市場全体が底上げされたのではなく、高額帯の取引だけが価格を引き上げているという構造です。一般的な価格帯の物件は横ばいのまま、一部の高額物件が平均を押し上げている——「マンションが高くなった」という実感と、「自分の物件は思ったほど上がらない」という実感が同時に成り立つ理由がここにあります。
※2026年1〜3月期は確報前の暫定値です。国土交通省の実取引データは登録が進むにつれて数値が更新されるため、直近期の件数や価格は今後変動する可能性があります。

2026年のマンション市場では、価格を支える力と押し下げる力がほぼ拮抗しています。だからこそ市場全体が一律に崩れる「暴落」ではなく、価格の方向が物件の質によって分かれる「二極化」として現れます。
価格が簡単には崩れない理由は、主に次の3つです。
特に建築費は、過去のような水準まで戻る見込みが薄いとされます。新築の原価が高い限り、その価格は中古の相場も下から支えます。新築が高ければ割安に見える中古に需要が流れ、中古価格も一定の水準を保つという連動が働くためです。
一方で、価格を押し下げる力も強まっています。1つは金利です。日本銀行は2026年6月に政策金利を1.0%程度へ引き上げ、8月には長期金利が約30年ぶりの2.9%台を付けました。住宅ローン金利が上がれば、同じ月々の返済額で借りられる金額は減り、買える価格の上限が下がります。金利が不動産市場に波及する仕組みは日銀利上げが住宅ローンと不動産市場に与える影響で詳しく整理しています。
もう1つは「高値疲れ」です。年収倍率(物件価格が年収の何倍か)で見ると、首都圏のマンション価格は過去の目安を大きく超えています。かつては年収の5倍程度が無理のない範囲とされましたが、現在の都心マンションは10倍を超えるケースも珍しくありません。ここに金利上昇が重なれば、買える人の数そのものが減ります。
加えて、投資マネーの動きも見逃せません。円安を背景に日本の不動産へ流入していた海外からの資金は、日銀の利上げによる円安の是正で以前ほどの勢いがなくなりました。投資目的の買いが価格を押し上げてきた都心の高額物件では、この変化が需要の細りとして表れやすくなります。実需よりも投資マネーの比重が高い物件ほど、金利や為替の変化に敏感に反応する点は押さえておきたいところです。
前掲の独自データが示すとおり、東京都の中古マンションでは中央値が横ばいで平均値だけが伸びています。これは二極化が統計に表れた形といえます。
高額帯では、資産保全や住み替えを目的とする資金力のある層が取引を続けており、価格が維持されています。一方、一般的な価格帯では、金利上昇で予算が縮んだ買い手が慎重になり、値上がりが止まりました。「全体が上がる・下がる」で語れる市場ではなくなったというのが、2026年の実態です。立地による選別の進み方は都心一強からセカンドベストへ|下がりにくい立地の選び方2026もあわせてご覧ください。

マンション価格を読むうえで見落とされがちなのが、「同じ価格でも買える広さが変わってきた」という点です。価格帯と面積帯を分けて見ると、市場の変化がより立体的に見えてきます。
首都圏の新築マンションで平均価格が1億円を超えた背景には、都心の高額物件の増加があります。ただし注意したいのは、1億円という価格が「広い住まい」を意味しなくなっている点です。
不動産取引の現場では、価格の上昇に対して買い手の予算が追いつかないため、デベロッパーが住戸面積を絞って総額を抑える動きが広がっていると指摘されます。かつて70㎡台が標準だったファミリー向け住戸が、60㎡台、50㎡台へと小さくなり、それでも総額は1億円を超えるという物件が都心では珍しくなくなりました。「億ション」という言葉から連想される広さと、実際の専有面積には大きな差が生まれています。
報道で目にする平均価格と、多くの人が実際に取引している価格帯は別物です。当サイトが集計した実取引データでは、東京都の中古マンションの取引価格の中央値は3,600〜3,700万円で推移しています。平均値の約6,000万円と比べると、その差は歴然です。
つまり、東京都で実際に売買されているマンションの半分は3,700万円以下ということになります。ニュースの「平均1億円」という数字だけを見て「もう自分には無理だ」と判断するのは早計です。エリアと築年数、面積を広げて探せば、実需の中心価格帯には十分な選択肢があります。予算の立て方は住宅ローンはいくら借りられる?年収別の借入額と返せる額も参考になります。
価格の実勢を追うなら、総額よりも㎡単価を見るのが確実です。総額は住戸の広さに左右されるため、供給される物件の構成が変わるだけで大きく振れます。
その㎡単価で見ると、新築は151.4万円(2026年上期)と2年連続の上昇である一方、中古は2026年5月に73カ月ぶりの前年割れ、6月も2カ月連続の下落となりました。新築と中古で単価の方向が分かれたことが、2026年の最も重要な変化です。同じ「マンション価格」という言葉で語られていても、新築を見ているのか中古を見ているのかで、まったく違う結論になります。
面積と並んで値動きを左右するのが築年数です。実務上、中古マンションの価格は築25年前後を境に評価のされ方が変わるとされます。住宅ローンの借入期間や住宅ローン控除の要件、大規模修繕の実施回数といった条件が、この時期を境に効いてくるためです。
2026年の相場では、築浅(おおむね築10年以内)は新築価格の高騰に引きずられる形で底堅く推移する一方、築古では管理状態による差が一段と開いています。同じ築30年でも、修繕積立金が計画的に積み立てられ大規模修繕を実施してきた物件と、積立金が不足したまま工事を先送りしてきた物件では、買い手の評価がまったく違います。築年数そのものより「管理の履歴」が価格を決める局面に入ったといえます。管理状態の確認方法はマンションの管理費・修繕積立金が上がる理由と購入前の確認法で解説しています。

二極化が進む市場では、物件タイプごとに見通しを分けて考える必要があります。実務の視点で、おおまかな傾向を整理します。
東京都心や主要駅の徒歩圏にある築浅・管理良好なマンションは、2026年後半も相対的に底堅いと見られます。買い手の層が厚く、実需と資産保全の両方から需要があるためです。価格の伸びは一服しても、大きく値を崩すリスクは限定的とされます。
こうした物件は、いざ売却するときも買い手が見つかりやすく、流動性(換金のしやすさ)が高いというメリットもあります。ただし都心3区でも成約㎡単価が前年を下回り、売り出し価格のままでは決まりにくくなっている点は押さえておく必要があります(都心マンション73カ月ぶり下落!3区-20.3%は買い時か)。
反対に、駅から離れた立地や、築年数が古く修繕計画・管理状態に不安のある物件は、調整を受けやすい層です。金利上昇で予算が縮むと、買い手はまず「無理をしてでも欲しい物件」に資金を集中させるため、条件の弱い物件は値引きしないと売れにくくなります。
特に築古マンションでは、修繕積立金の不足や大規模修繕の先送りが、将来の追加負担リスクとして買い手に敬遠される要因になります。一方で、価格が十分に調整されていれば、自己使用目的では「割安に住める選択肢」になり得ます。資産性を求めるか、住む価値を求めるかで評価は変わります。
なお、郊外がすべて弱いわけではありません。2026年6月の千葉県の中古マンションは成約件数が前年同月比19.0%増、㎡単価が20.5%増と突出しました。都心価格に折り合えない買い手が流入した結果で、「郊外=下落」という単純な図式は成り立たなくなっています。
タワーマンションは、一般的なマンションとは別の力学で動きます。投資マネーの比重が高く、金利や為替の影響を受けやすいためです。加えて、大規模修繕の費用が通常のマンションより高額になりやすく、修繕積立金の値上げが資産価値に響くという固有の事情もあります。
近年は供給の集中による将来の売却競合や、購入後に居住しない住戸の存在も指摘されるようになりました。タワーマンション特有のリスクはタワーマンション市場2026|バブル懸念と三極化の現実で詳しく解説しています。
これから価格が底堅く推移しやすい街には、共通点があります。実務上よく挙げられるのは次の3条件です。
「全体が上がるか下がるか」ではなく、こうした条件を満たす街・物件を選べるかどうかが、2026年以降の満足度を大きく左右します。

市場全体の売買タイミングの考え方は2026年不動産価格の見通しにまとめています。ここではマンション固有の実務ポイントに絞って整理します。
2026年は、新築と中古で市場の状況がはっきり分かれました。新築は供給が絞られ価格も高止まりしている一方、中古は在庫が積み上がり、比較検討の余地が広がっています。
予算が限られる場合、選択肢の数という点では中古が有利です。ただし中古は管理状態・修繕積立金・築年数によって当たり外れが大きく、見極めの負担が重くなります。逆に新築は品質が揃っている代わりに、同じ立地・面積なら中古より高くなります。実際に物件探しをした人からよく聞かれるのは、「新築で探し始めたが、予算内の物件が見つからず中古に切り替えた」という声です。新築と中古の損得は新築マンションvs中古マンション|2026年の損得を徹底比較で比較しています。
中古を選ぶ場合、内見時に確認したいのは室内よりも管理と修繕の状態です。修繕積立金の残高、長期修繕計画の有無、大規模修繕の実施履歴は、購入後の負担と将来の売りやすさに直結します。チェック項目は築年数帯別の実取引価格にまとめています。
売却側で最も重要なのは値付けです。2026年7月時点で、首都圏の中古マンションの売り出し中の平均価格は6,866万円である一方、実際の成約価格は5,267万円でした。売り出し価格ではなく、成約相場に合わせて値付けすることが、売れ残りを避ける最大のポイントになります。
不動産取引の現場では、売り出しから3カ月ほど反響が乏しい場合、「値付けが相場と合っていないサイン」と見るのが一般的です。在庫が積み上がっている今は、この判断がこれまで以上に早く求められます。値下げの際も、月に数万円ずつ小刻みに下げる方法は反響につながりにくく、動かすと決めたら周辺の成約事例に一気に合わせるほうが結果につながりやすいとされています。
また、住み替えを前提とする場合は、売却額だけでなく購入額とセットで考える必要があります。自宅が高く売れても、次に買う物件も同じだけ高ければ手元に残るお金は増えません。査定額の見方はマンション売却の査定額を上げる5つのポイント|相場の調べ方も解説を参考にしてください。
不動産のプロが注意点として挙げるのは、次のような失敗です。
回避策はシンプルで、相場のマクロな話と、自分が対象とする個別物件の話を分けて考えることです。そのうえで複数の専門家の意見を聞き、最終判断は家計と人生設計に照らして行うのが安全です。
全国一律の下落は起きにくいと考えられます。中古では成約㎡単価が73カ月ぶりに前年割れするなど調整のサインが出ていますが、建築費の高止まりと新築供給の少なさが価格を下支えしています。下がる物件と底堅い物件に分かれる「二極化」が進む見通しです。実際、2026年5〜7月の成約価格は5,000万円台で横ばい圏を保ち、大きく動いたのは取引件数のほうでした。
2026年時点では新築のほうが価格を維持しています。建築費の高止まりと供給の絞り込みという構造要因が働いているためです。ただし新築は購入直後の価格下落幅(新築プレミアムの剥落)が大きい点に注意が必要です。長期保有を前提に資産価値を重視するなら、立地と管理状態のよい中古を適正価格で買うほうが有利になるケースもあります。
そうとは限りません。1億円という数字は首都圏の新築の平均であり、実際の取引の中心はもっと下の価格帯にあります。当サイトが集計した国土交通省の実取引データでは、東京都の中古マンションの取引価格の中央値は3,600〜3,700万円で推移しています。エリア・築年数・面積の条件を広げれば、実需の中心価格帯には選択肢があります。
比較検討と価格交渉の余地が広がるという点では有利です。2026年7月の首都圏の在庫は47,151件と前年同月比5.5%増でした。ただし人気エリアや管理状態のよい物件は今も決まりが早く、すべての物件で交渉が通るわけではありません。交渉ありきで待ちすぎると狙っていた物件を逃すこともあります。
一般的なマンションとは別の力学で動くため、分けて考える必要があります。投資マネーの比重が高く、金利や為替の影響を受けやすいうえ、大規模修繕の費用が高額になりやすく修繕積立金の値上げが資産価値に響くという固有の事情があります。供給が集中したエリアでは、将来売却するときに同じ建物内の住戸が競合になる点も考慮しておきたいところです。
価格水準は依然として高値圏にあり、条件そのものは悪くありません。ただし在庫が増え成約件数が減っているため、「出せば売れる」相場ではなくなりました。売り出し価格と成約価格の差が約1,600万円まで広がっている現状では、成約相場に合わせた値付けができるかどうかが結果を左右します。
2026年のマンション相場のポイントを整理します。
マンション市場は、もはや「上がる・下がる」の一言で語れる相場ではありません。平均値ではなく、自分が買う・売る物件がどの層に属するかを確認することが出発点になります。不動産市場全体の動きは2026年不動産価格の見通し|三極化する市場の読み方と売買タイミングで解説しています。まずは気になる物件やご自宅の現在価値を把握したうえで、不動産会社やファイナンシャルプランナーに相談しながら判断してください。