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地震で自宅が被災しても、住宅ローンの返済義務は原則そのまま残ります。ただし返済猶予の相談や「自然災害債務整理ガイドライン」による減免、最大300万円の公的支援など、負担を軽くする制度が用意されています。
この記事でわかること
2026年7月28日16時27分ごろ、熊本県で最大震度7(マグニチュード7.1)を観測する「令和8年熊本地震」が発生しました。宇城市や熊本市などで大きな揺れとなり、住宅の損傷や広範囲の停電が報じられています。報道を見て「もし自分の家が被災したら、返済中の住宅ローンはどうなるのか」と不安を感じた方も多いはずです。この記事では、被災した持ち家世帯が"今"知っておくべき返済・減免・支援の実用情報を整理します。

結論から言える最も重要な事実は、被災して家を失っても、住宅ローンの返済義務は自動的にはなくならないということです。建物が全壊・半壊したかどうかにかかわらず、借入契約そのものは残るため、返済は原則として続きます。
令和8年熊本地震では宇城市・氷川町で震度7、熊本市など5市町で震度6強を観測し、住宅の損傷や停電などの被害が広がりました。こうした大きな災害でも、被災者のローンを一律に免除する法律は現状ありません。「家が壊れたのにローンだけ残る」という状況が、いわゆる二重ローン問題(被災した家のローンと、住み替え・再建のための新たなローンが二重にのしかかる問題)につながります。
だからこそ、返済を止めてしまう前に、負担を軽くする公的な制度を正しく知っておくことが大切です。不動産取引の現場でも、被災後に「ローンは消えるはず」と思い込んで対応が遅れるケースが少なくありません。

被災した持ち家世帯がまず動くべきは、「返済猶予(リスケジュール)の相談」と「罹災証明書の申請」の2つです。この2つを早めに押さえるだけで、その後の選択肢が大きく変わります。
大規模災害が起きると、多くの金融機関は被災者向けの返済相談窓口を設け、一定期間の返済猶予(返済額の一時的な引き下げや先送り)に応じます。返済が難しいと感じたら、滞納する前に借入先へ連絡することが重要です。滞納状態になってから相談するより、事前に相談したほうが柔軟な対応を受けやすくなります。
罹災証明書は、住宅の被害の程度(全壊・大規模半壊・中規模半壊・半壊・準半壊・一部損壊)を市区町村が公的に証明する書類です。この判定区分によって、受けられる支援金や減免の内容が大きく変わります。被災したら早めに市区町村へ申請し、一次調査の判定に納得できない場合は二次調査を依頼できることも覚えておきましょう。

返済がどうしても難しい場合の切り札が、信用情報に傷を付けずに住宅ローンを減免できる「自然災害債務整理ガイドライン」(被災ローン減免制度)です。災害救助法が適用された災害で被災し、返済が困難になった個人が対象になります。
この制度の主な特徴は次のとおりです。
自己破産と違い、その後のローン利用に影響が出にくい点が大きなメリットです。過去の災害でも「制度を知らずに使えなかった」という声が多く、認知度の低さが課題とされています。まずは借入先の金融機関に「自然災害債務整理ガイドラインを利用したい」と相談するところから始まります。地震保険料のしくみを詳しく知りたい方は、岩手県沖で地震続く|地震保険の保険料はどう決まる?もあわせてご覧ください。

制度による減免と並行して、罹災証明書をもとにした公的支援金と、加入していれば地震保険が生活再建の資金源になります。
被災者生活再建支援金は、基礎支援金と加算支援金を合わせて最大300万円が支給される制度です(全壊・解体・長期避難・大規模半壊の世帯が対象で、半壊・一部損壊は基礎支援金の対象外)。これに災害救助法の応急修理制度を組み合わせると、修理に使える公的支援額の目安は半壊で約58万円、大規模半壊で約208万円、全壊で約258万円となります。応急修理制度は、自分で修理費用を支払う前に申請するのが原則です。先に工事契約を結ぶと対象外になる場合があるため注意しましょう。
地震による建物・家財の損害は、火災保険だけでは補償されず、地震保険への加入が必要です。地震保険は火災保険とセットでのみ契約でき、保険金額は火災保険金額の30〜50%の範囲(建物5,000万円・家財1,000万円が上限)で設定します。支払いは損害の程度に応じた4区分で、全損100%・大半損60%・小半損30%・一部損5%が支払われます(出典:財務省「地震保険制度の概要」)。旧耐震の物件リスクが気になる方は茨城M5.5で震度5弱|旧耐震マンションの3大リスクと今すぐできる耐震チェックも参考になります。
自動的には免除されません。返済義務は原則残りますが、「自然災害債務整理ガイドライン」を利用すれば、信用情報に傷を付けずにローンを減免できる可能性があります。まずは借入先の金融機関に相談してください。
建物が滅失(住めない状態)すれば賃貸借契約は終了し、以後の家賃支払い義務は生じないのが原則です。ただし判断は被害状況によるため、貸主や専門家に確認することをおすすめします。
災害時の住宅ローンや支援制度は、判断のタイミングで結果が大きく変わります。少しでも不安がある場合は、早めに借入先の金融機関や、自治体の被災相談窓口、弁護士などの専門家に相談しましょう。日ごろの備えとして、火災保険・地震保険の補償内容を今のうちに見直しておくことをおすすめします。