読み込み中...
読み込み中...
相続した田舎の実家など800万円以下の空き家が、以前より売りやすくなっています。2024年7月の宅地建物取引業法の改正で仲介手数料の上限が引き上げられ、2026年の業界調査では不動産会社の8割超(85.9%)がこうした低価格の空き家取引に前向きと回答しました。
この記事でわかること
お盆の帰省シーズンは、親の家や相続した実家の扱いを家族で話し合う機会が増える時期です。「安い空き家は不動産会社が扱ってくれない」と諦めていた人にとって、今回の制度改正は追い風になります。何が変わり、どう動けばよいのかを整理します。

2024年7月1日の宅建業法の告示改正により、800万円以下の空き家などの売買で受け取れる仲介手数料の上限が引き上げられました。対象は従来の「400万円以下」から「800万円以下」に拡大し、上限は18万円+税(19.8万円)から30万円+税(33万円)へ引き上げられています。
さらに、これまで手数料の上乗せは売主に対してのみ認められていましたが、改正後は買主からも受け取れるようになりました。背景には深刻な空き家問題があります。総務省の住宅・土地統計調査によると、2023年の空き家は約900万戸、空き家率は13.8%と過去最高を記録しています(出典:総務省統計局)。

売りやすくなる最大の理由は、不動産会社が低価格の空き家を扱う採算が改善したことです。仲介手数料は物件価格に連動するため、数百万円の空き家では報酬が少なく、現地調査や書類作成の手間に見合わないとして敬遠されがちでした。上限引き上げは、この「扱いにくさ」を和らげます。
実際、2026年の業界調査では、800万円以下の物件への取り組みについて「改正前から積極的(42.0%)」「改正後から積極的(15.9%)」「今後積極的に取り組む(28.0%)」を合わせて85.9%が前向きと回答しました(出典:ITmedia BUILT)。ただし、手数料が上がっただけで空き家流通が一気に進むわけではありません。遠隔地にある、相続登記が終わっていない、残置物が片付いていないといった事情があると、成約までに手間がかかるのが実情です。

制度が追い風の今、売却を検討するなら早めの準備が肝心です。不動産取引の現場では、空き家の売り方は大きく2つに分かれます。築年数が古い場合は建物を解体せず「古家付き土地」として売る方法があり、建材高騰で古い家を安く買ってリフォームする買主も増えています。築浅でリフォームが不要なら「中古住宅」として売るほうが高く売れることもあります。
あわせて、相続登記・境界の確認・残置物の撤去を進めておくと、いざ売り出すときにスムーズです。一定の要件を満たせば「相続空き家の3,000万円特別控除」など税制上の特例を使える場合もあるため、早い段階で不動産会社や税理士に相談しておくとよいでしょう。空き家は持っているだけで固定資産税や管理費がかかるため、放置するより、制度が追い風の今のうちに売却を検討するのが得策です。相続後の実家の扱いに悩む方は、お盆帰省が好機|親と話す実家じまい・相続チェックリストもあわせて参考にしてください。
「安いから売れない」と諦めていた実家や空き家も、制度改正で状況が変わりつつあります。放置による固定資産税や管理の負担が増える前に、まずは複数の不動産会社に査定を依頼し、売却の選択肢を確かめてみてはいかがでしょうか。