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2026年7月、築古の分譲マンションで火災保険の更新をめぐるトラブルが管理現場で相次いでいます。築年数が古いマンションは、火災保険を「断られる」「補償を削られる」ケースが増えているのが実態です。背景にあるのは、災害の激甚化と保険料率の規制です。
この記事でわかること
「複数の保険会社に断られた」「風災・水災の補償を外さないと契約できないと言われた」——2026年7月の賃貸経営・管理の現場では、こうした声が目立ち始めています。近年は集中豪雨や台風による被害が相次ぎ、2026年6月には東京都心で月間降水量が60年ぶりに400mmを超えるなど、災害リスクの高まりが保険会社の採算を圧迫しています。マンションを持つ人にとって、火災保険は「入れて当たり前」ではなくなりつつあります。

火災保険の引き受け拒否が増えている最大の理由は、災害の激甚化で保険金の支払いが膨らむ一方、保険料を自由に引き上げられない仕組みにあります。火災保険料は金融庁が認可した料率の範囲でしか設定できないため、築古物件のリスクに見合う保険料を取ることが難しく、その結果「そもそも引き受けない」という判断につながっています。
不動産取引の現場では、次のような引き受け制限の実例が報告されています。築45年の木造アパートが更新時に「建物老朽化」を理由に引受を停止された、築43年の鉄骨造マンションが風災・水災補償を削除した条件でしか更新できなかった、築50年のRC造マンションが火災のみを補償する特別条件付き契約でしか加入できなかった、といったケースです。いずれも「保険に入れない・満足な補償が付けられない」という点で共通しています。
また、築古マンションでは事故を一度も起こしていなくても、築年数が古いというだけで保険料が40%以上値上がりした例もあります。管理コストの上昇はマンション修繕積立金の値上げとも重なり、区分所有者の負担を押し上げています。火災保険の全体的な値上げ動向は2026年 火災保険が平均1.5倍に値上げもあわせてご確認ください。

まず押さえておきたいのは、保険会社は築年数だけで判断しているわけではなく、修繕・管理の状態も評価しているという点です。つまり、適切に維持管理された物件であれば、築古でも引き受けてもらえる可能性は高まります。管理組合ができる備えを整理します。
漏水事故への備えとして知っておきたいのが、保険の使い分けです。マンションの漏水では、加害者側が加入する「個人賠償責任保険」(火災保険や自動車保険、クレジットカードの特約として付いていることが多い)、被害者側が使える「火災保険の水濡れ補償」、そして管理組合が加入する「包括特約」の3つが関係します。事故時にこれらをうまく按分して使うと、更新のたびに値上がりしやすい管理組合の包括特約の負担を抑えることにつながります。保険代理店に相談し、補償の重複がないかを整理しておくとよいでしょう。

これから築古マンションの購入を検討している人は、契約前に火災保険の引き受け条件を確認しておくことが重要です。購入後に「保険に入れない・補償が限定される」と分かると、想定外の自己負担リスクを抱えることになります。
具体的には、対象物件の修繕履歴や長期修繕計画、過去の水災・漏水事故の有無を確認しましょう。あわせて、自分の専有部分にかける火災保険で「水濡れ補償」が付いているか、「個人賠償責任特約」に加入しているかも要チェックです。これらは漏水事故が起きたときに、自分や他の住戸を守る備えになります。
火災保険をめぐる環境は年々厳しくなっています。「まだ大丈夫」と放置せず、管理組合は早めに保険代理店や管理会社に相談し、区分所有者も自分の補償内容を一度見直しておくことをおすすめします。