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結論から言うと、2026年の住宅ローンは「当初の返済額を抑えたい人は変動金利、返済額を確定させて安心を買いたい人は固定金利」が基本方針です。日銀の利上げ局面では、変動を選ぶなら金利上昇に備えた返済余力の確保が前提になります。
この記事でわかること
「変動金利と固定金利、どちらを選べばよいか」——住宅ローンを検討する多くの方が最初に悩む問いです。2026年は日本銀行が利上げを進め、長らく続いた超低金利の時代が転換点を迎えています。この記事は、変動金利と固定金利の仕組みを基礎から比較し、日銀利上げ局面での選び方を具体的な返済シミュレーションとともに解説する入門ガイドです。全期間固定「フラット35」そのものの制度・最新金利の詳細はフラット35とは?2026年最新金利と変動・固定との徹底比較にゆずり、本記事は「変動と固定のどちらを選ぶか」という比較の視点に絞ります。
なお、最終的なローン選択は年収・自己資金・家族構成・将来設計によって大きく異なります。本記事のシミュレーションはあくまで判断材料であり、実際の契約前にはファイナンシャルプランナーや金融機関への相談もあわせてご検討ください。日銀の金融政策の動きは日銀利上げが住宅ローンと不動産市場に与える影響|2026年現状と見通しもあわせてご覧ください。

変動金利と固定金利の最大の違いは、「返済期間中に金利(=毎月の返済額)が動くかどうか」です。まずは3つの基本タイプを押さえましょう。
変動金利は、市場金利の動きに応じて借入後も金利が見直されるタイプです。一般的に半年ごとに金利が見直され、返済額そのものは5年ごとに再計算されます(後述の5年ルール)。当初の金利は固定より低く設定されるのが特徴で、2026年時点でも最も多くの人が選ぶタイプです。金利が下がれば恩恵を受けられる一方、上がれば返済負担が増えます。
借入から完済まで金利が一切変わらないタイプです。代表例が住宅金融支援機構の「フラット35」で、返済額が最初に確定するため家計計画が立てやすいのが強みです。半面、当初金利は変動より高めになります。全期間固定・フラット35の制度や最新金利はフラット35の徹底比較記事で詳しく解説しています。金利推移だけを確認したい場合はフラット35の金利推移と返済額シミュレーション【毎月更新】が便利です。
「当初10年固定」など、一定期間だけ金利を固定し、期間終了後に変動または再度の固定を選ぶタイプです。当初固定期間中は金利が変わらず、その後は市場金利次第で返済額が変わります。全期間固定と変動の中間的な性格を持ち、「子どもの教育費がかかる10年間だけは返済額を固定したい」といったニーズに向きます。
タイプ | 当初金利の高さ | 返済額の変動 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
変動金利 | 低い | あり(半年ごと見直し) | 返済余力があり金利上昇に備えられる人 |
全期間固定 | 高い | なし(完済まで一定) | 返済額を確定させ安心を優先したい人 |
当初固定 | 中間 | 当初はなし・期間後は変動 | 一定期間だけ返済額を固定したい人 |
変動と固定で金利差が生まれるのは、「金利変動リスクを誰が負うか」が違うからです。変動金利は、将来金利が上がったときの負担を借りる側(あなた)が引き受けます。その代わり、当初金利が低く設定されます。一方、固定金利は将来の金利上昇リスクを金融機関側が引き受けるため、そのリスク分(保険料のようなもの)が上乗せされ、当初金利は高くなります。つまり固定金利の上乗せ分は「返済額を確定させる安心の対価」と考えると理解しやすいでしょう。この差をどう捉えるかが、変動か固定かの本質的な分かれ道です。
金利タイプとあわせて知っておきたいのが返済方式です。元利均等返済は毎月の返済額(元金+利息)が一定になる方式で、返済当初は利息の割合が大きく元金が減りにくいものの、月々の返済が読みやすいため大多数の人が選びます。元金均等返済は毎月返す元金を一定にする方式で、当初の返済額は大きいものの元金が早く減り総利息を抑えられます。本記事のシミュレーションは、一般的な元利均等返済を前提としています。
本記事では、この中でも特に迷う人が多い「変動金利」と「全期間固定金利」の二択を軸に、以降で具体的に比較していきます。

2026年5月時点で、主要銀行の変動金利は年0.3〜1.0%程度、全期間固定(フラット35等)は年1.5〜2.5%程度で推移しています。変動と固定の金利差はおおむね1.5〜1.7%あり、「変動金利が今後1.6%以上さらに上昇し、それが完済まで続いて初めて固定が有利になる」という関係になります。この金利差の大きさが、今も多くの人が変動を選ぶ理由です。
背景として、日本では長らく「マイナス金利・超低金利」が続き、変動金利はほぼ横ばいで推移してきました。多くの人が「変動金利は上がらないもの」という前提で借りてきたのが実情です。しかし2024年以降、日銀がマイナス金利を解除し、段階的に政策金利を引き上げる方向に転じたことで、その前提が崩れつつあります。2026年に住宅ローンを検討する人にとっては、「これまでの常識が通用しない可能性」を織り込んで金利タイプを選ぶ必要があります。
ただし2026年は局面が変わりつつあります。2026年4月28日の日銀金融政策決定会合では政策金利(0.75%)が3会合連続で据え置かれましたが、市場では2026年6月会合での追加利上げ(0.75%→1.00%)がメインシナリオとして意識されています。政策金利が上がると、変動金利の基準となる短期プライムレートも連動して上昇しやすくなります。
重要なのは、変動金利と固定金利で「上がり方」が異なる点です。変動金利は日銀の政策金利(短期金利)に連動しやすく、固定金利は長期金利(10年国債利回り)や市場の将来予測に連動して動きます。そのため、日銀が利上げを進める局面では変動金利が先に上がり始め、固定金利は「今後の利上げ見込み」を織り込んですでに高めになっている、という状態になりがちです。金利タイプ別の推移はフラット35の金利推移【毎月更新】で最新値を確認できます。
変動金利は「短期プライムレート」を基準に決まります。多くの銀行では、店頭金利(基準金利)から一定の優遇幅(引き下げ幅)を差し引いた金利が実際に適用されます。例えば店頭金利2.475%から1.9%の優遇を受けて0.575%になる、といった具合です。この優遇幅は借入時に決まり、原則として完済まで維持されるのが一般的です。つまり、日銀の利上げで基準金利が上がっても、優遇幅は変わらないため「基準金利の上昇分」がそのまま適用金利に反映される、と理解しておくとよいでしょう。
全期間固定(フラット35等)の金利は、主に長期金利(10年国債利回り)を反映して毎月見直されます。長期金利は「将来の景気やインフレ、利上げの見通し」を織り込んで動くため、日銀が本格的な利上げに向かうと市場が先回りして固定金利が上昇しやすくなります。「固定にしようと思っているうちに固定金利も上がってしまう」ことがあるのはこのためで、固定を検討するなら決断のタイミングも重要になります。
出典:モゲチェック「住宅ローン金利2026年5月の最新動向」、モゲチェック「日銀追加利上げで住宅ローンはいつ上がる?」

変動金利は「当初の返済負担を抑えたい人」に向くタイプです。2026年時点でも新規借入の多数派を占めますが、それは「みんなが選んでいるから安全」という意味ではありません。低金利の恩恵と金利上昇リスクは表裏一体です。メリットとデメリットを正しく理解したうえで選ぶことが大切です。
変動金利の本当の価値は「当初返済額が低い」ことそのものではなく、その差額をどう使うかにあります。借入3,000万円なら、変動と固定の毎月差は約1.8万円。この1.8万円を毎月そのまま貯蓄に回せば、5年で約111万円、10年で約220万円が手元に残ります。この資金は金利上昇時の返済増に充てる「保険」にもなり、上がらなければ繰り上げ返済や教育費に使えます。逆に、低い返済額に生活水準を合わせて使い切ってしまうと、金利上昇時に一気に苦しくなります。変動を選ぶなら「差額を必ず取り分ける」ことをルール化しましょう。
変動金利には返済者を守る2つのルールがあります。ひとつは「5年ルール」——金利が変わっても5年間は毎月の返済額を据え置く仕組み。もうひとつが「125%ルール」——5年ごとの見直しでも返済額は前回の1.25倍を超えないという上限です。ただしこれらは「返済額の急増を先送りする」仕組みであって金利負担そのものを免除するものではなく、据え置かれた分は未払利息として後に回ってきます。仕組みの詳細と注意点は変動金利の5年ルール・125%ルールとは|未払利息リスクと対策で解説しています。

全期間固定金利は「返済額を確定させて安心を優先したい人」に向くタイプです。
固定金利の上乗せ分は、言い換えれば「将来の金利がどうなっても返済額は変わらない」という安心への対価です。総返済額だけを見れば固定は不利になりやすいものの、それは「金利が想定ほど上がらなかった場合」の結果論でもあります。特に、収入が一定で今後の支出増(子どもの進学など)が見込まれる世帯や、金利ニュースのたびに不安になりたくない人にとっては、返済額が完済まで確定している安心感は数字以上の価値があります。近年のように物価が上昇する局面では、収入も緩やかに増える一方で返済額は固定のまま、という「実質的な負担の目減り」が期待できる点も固定の隠れたメリットです。
全期間固定の代表格が住宅金融支援機構の「フラット35」です。民間銀行の変動金利と組み合わせる(次章のミックス返済)ことも可能です。フラット35の金利・団信・審査などの制度詳細は本記事の範囲を超えるため、フラット35とは?2026年最新金利と変動・固定との徹底比較をご参照ください。

結論として、借入3,000万円・35年返済では、変動0.5%と固定1.8%で毎月の返済額に約1.8万円、総返済額で約775万円の差が生じます。当サイトで元利均等返済方式により試算した結果が下表です。
金利タイプ | 適用金利 | 毎月返済額 | 総返済額 | うち利息 |
|---|---|---|---|---|
変動(低め) | 0.5% | 77,876円 | 約3,271万円 | 約271万円 |
変動(やや上昇) | 1.0% | 84,686円 | 約3,557万円 | 約557万円 |
全期間固定 | 1.8% | 96,327円 | 約4,046万円 | 約1,046万円 |
固定(高め) | 2.0% | 99,379円 | 約4,174万円 | 約1,174万円 |
変動0.5%と固定1.8%を比べると、毎月の差は18,452円。1年で約22万円、5年間なら約111万円もの差になります。当初の家計にとってこの差は小さくありません。一方で、これは「変動金利が0.5%のまま完済まで続いた場合」の数字である点に注意が必要です。日銀の利上げで変動金利が上がれば、この差は縮まっていきます。
また、総返済額のうち「利息」に注目すると違いがより鮮明です。変動0.5%なら利息総額は約271万円ですが、固定1.8%では約1,046万円と、その差は約775万円。固定金利で払う利息の多くは「金利上昇リスクをカバーする保険料」と考えることができます。この保険にいくらまでなら払えるか、という視点で見ると、変動と固定の選択がぐっと具体的になります。
もうひとつ押さえたいのが「金利が0.25%上がると毎月いくら増えるか」です。借入残高3,000万円・残り35年で試算すると、0.5%→0.75%への上昇で毎月約3,360円、年間で約4万円の増加となります。日銀が段階的に利上げを続けた場合、この積み重ねが効いてきます。返済期間そのものの選び方(35年か40年か等)による総返済額の違いは住宅ローンは何年で組む?返済期間の決め方と総返済額比較もあわせてご覧ください。
借入額が大きくなるほど、変動と固定の差額も比例して大きくなります。借入額別の毎月返済額(当サイト独自試算)は次のとおりです。自分の借入予定額に近い行を目安にしてください。
借入額(35年) | 変動0.5% | 固定1.8% | 毎月の差 |
|---|---|---|---|
2,000万円 | 51,917円 | 64,218円 | 約1.2万円 |
3,000万円 | 77,876円 | 96,327円 | 約1.8万円 |
4,000万円 | 103,834円 | 128,437円 | 約2.5万円 |
5,000万円 | 129,793円 | 160,546円 | 約3.1万円 |
借入5,000万円では毎月の差が約3.1万円、35年では総額で1,000万円を超える差になります。借入額が大きい人ほど「当初の変動メリット」も「金利上昇リスク」も大きくなるため、慎重な見極めが必要です。
※上記は当サイト独自試算(元利均等返済・ボーナス返済なし・保証料等の諸費用は含まず)です。実際の返済額は借入条件・金融機関・金利により異なります。

変動金利を選ぶかどうかの本当の判断材料は、「金利が上がったら総返済額がいくらになるか」です。そこで、変動金利0.5%スタートで3つの上昇シナリオを想定し、全期間固定1.8%と総返済額を比較しました。5年ごとに金利を見直し、その都度残高と残期間で返済額を再計算する方式で試算しています。いずれのシナリオも「借入当初は変動が低い」という現実を反映しており、変動を選ぶかどうかの判断に最も直結する数字です。
シナリオ | 金利の想定 | 総返済額 | 固定1.8%との差 |
|---|---|---|---|
据え置き | 0.5%のまま継続 | 約3,271万円 | 約775万円お得 |
緩やか上昇 | 5年ごとに+0.25%(最終2.0%) | 約3,542万円 | 約504万円お得 |
急上昇 | 5年ごとに+0.5%(最終3.5%) | 約3,834万円 | 約212万円お得 |
全期間固定 | 1.8%で完済まで一定 | 約4,046万円 | — |
注目すべきは、最も厳しい「急上昇シナリオ(最終3.5%)」でも、総返済額は約3,834万円で固定1.8%(約4,046万円)を約212万円下回った点です。これは、変動金利が低いうちに元本が大きく減り、その後金利が上がっても残高が小さくなっているためです。「変動は怖い」というイメージだけで固定を選ぶと、多くのケースで結果的に多く払うことになりかねません。
どちらで借りるかを決めたら、次は実行時期の判断です。金利が上がる前に買うべきか待つべきかは、金利上昇局面の購入タイミングで試算しています。
「変動が固定より損になる」のはどんなときでしょうか。ざっくりした目安として、借入3,000万円・35年の場合、変動金利が平均して約2.16%(全期間その金利だった場合に総返済が固定1.8%と並ぶ水準)を超えて推移すると、固定の方が有利になる計算です。逆に言えば、変動金利の平均が2%程度に収まるうちは変動に分があるということです。現在の変動0.5%からここまで上がるには、日銀が政策金利を継続的に、かなりの幅で引き上げる必要があります。この「距離感」を持っておくと、金利ニュースに過剰に反応せずに済みます。
ただしこの試算には重要な前提があります。第一に、これは「35年かけてじわじわ上がる」想定であり、借入直後の早い段階で急激に金利が跳ね上がる展開では差はさらに縮まります。第二に、実際には5年ルール・125%ルールにより返済額の増加は先送りされますが、その分は未払利息として残るため総負担は減りません。第三に、金利がさらに上がり続ける(例:4%超が長期化する)展開では固定が有利に転じる可能性があります。「上がっても耐えられるか」を自分の家計で確認することが、変動を選ぶ際の絶対条件です。
※上記は当サイト独自試算です。将来の金利を予測・保証するものではなく、実際の返済額は借入条件・金融機関・今後の金融政策により異なります。

一概に「変動が正解」「固定が正解」とは言えません。判断の決め手は「金利が上がったときに、返済額の増加を家計で吸収できるかどうか」です。以下の観点で自分の状況を確認しましょう。
実務の現場では、「今の返済額で払えるか」だけでなく、「金利が2%上がった場合の返済額でも家計が回るか」を先に確認します。借入3,000万円・変動0.5%の毎月77,876円が、金利2.5%相当まで上がると月10万円前後まで増える可能性があります。この水準でも生活が破綻しないなら変動を選ぶ余地が大きく、厳しいなら固定やミックス、あるいは借入額そのものの見直しを検討する、という順序で考えると失敗しにくくなります。
タイプ別に整理すると次のようになります。
実際の相談現場でよくあるパターンを挙げます。共働きで世帯収入が安定している30代夫婦は、片方の収入で返済をカバーできる余力があれば変動やミックスが選びやすい層です。片働き・子育て世帯は、教育費のピークと返済が重なるため、返済額が確定する固定や当初固定の安心感が効きます。自営業・フリーランスで収入の波が大きい場合は、返済額が読める固定を軸に考えると家計管理が安定します。40代で借入期間が短め(25年以下)なら、金利上昇の影響を受ける期間が短いため変動のメリットを享受しやすくなります。あくまで一般的な傾向であり、最終的には自分の返済余力と価値観で決めることが大切です。
迷ったときのシンプルな指針として、「金利上昇のニュースを見ても平常心でいられそうか」を自問してみるのも有効です。金利が少し上がっただけで夜も眠れないほど不安になるタイプなら、総返済額が多少増えても固定を選ぶ価値があります。逆に「上がったら繰り上げ返済すればいい」と冷静に対処できるなら、変動の低金利メリットを活かせます。数字の損得と同じくらい、自分の性格やライフスタイルとの相性も、後悔しない選択には欠かせません。
なお、どのタイプでも大前提となるのが住宅ローン審査に通ることです。返済負担率や借入可能額の考え方は住宅ローン審査に通る条件と落ちた場合の対処法で確認しておきましょう。
出典:SUUMO「住宅ローン金利2026年5月・変動金利と固定金利はどっちがお得?」

「変動の低金利は魅力だが、上昇も怖い」という人に向くのが、変動と固定を組み合わせる「ミックス返済」です。例えば借入3,000万円のうち1,500万円を変動、1,500万円を固定にすると、低金利メリットを享受しつつ金利上昇リスクを半分に抑えられます。
当サイトで試算すると、借入3,000万円を半々(変動1,500万円0.5%+固定1,500万円1.8%)にした場合、毎月返済額は合計約87,102円、総返済額は約3,658万円となります。全額変動(約3,271万円)と全額固定(約4,046万円)のちょうど中間で、「変動側が急上昇しても、固定側は影響を受けない」という安心感が得られます。
組み方 | 毎月返済額 | 総返済額(金利据え置き時) |
|---|---|---|
全額変動(0.5%) | 77,876円 | 約3,271万円 |
ミックス(半々) | 約87,102円 | 約3,658万円 |
全額固定(1.8%) | 96,327円 | 約4,046万円 |
ミックスの効果は金利上昇時にはっきり表れます。仮に変動側(1,500万円)が前章の「急上昇シナリオ(5年ごとに+0.5%、最終3.5%)」をたどっても、変動側の総返済は約1,917万円、固定側(1,500万円1.8%)は約2,023万円で、合計は約3,940万円。全額固定(約4,046万円)より約106万円少なく済み、かつ全額変動よりも上昇の影響は半分に抑えられます。「最悪でも固定並み、平時なら固定より得」というのがミックスの位置づけです。
ミックス返済のデメリットは、契約が2本になるため事務手数料や保証料が二重にかかる場合があること、そして「中途半端でどっちつかず」になりやすいことです。変動と固定の配分は「金利が上がっても払える固定部分をいくら確保したいか」から逆算するのがコツです。取り扱いの有無や手数料は事前に金融機関へ確認しましょう。

変動金利は「選んで終わり」ではなく、金利上昇に備える準備とセットで初めて安心して使えます。最低限、次の対策を意識しましょう。
特に重要なのが1つ目の「差額の貯蓄」です。当初の低い返済額に生活水準を合わせてしまうと、金利上昇時に一気に苦しくなります。逆に差額を積み立てておけば、それが金利上昇への保険になり、使わなければ繰り上げ返済や教育費に回せます。金利が大きく動いた際の借り換え判断は借り換えの損益分岐を試算する方法が参考になります。
もうひとつ知っておきたいのは、金利タイプは「一度決めたら終わり」ではないということです。多くの金融機関では返済途中で変動から固定へ切り替えられますし、他行への借り換えで金利タイプを変えることもできます。つまり「まず変動でスタートし、金利上昇が本格化・長期化しそうなら固定へ切り替える」という戦略も取れます。ただし切り替え時には固定金利がすでに上昇していることが多いため、この戦略は「常に金利動向をウォッチし、必要なら早めに動く」ことが前提になります。放置してしまう自信がない人は、最初から固定やミックスを選んでおく方が安全です。
逆に言えば、変動金利は「金利と付き合い続ける前提のローン」です。半年ごとの金利見直しや年に一度の返済予定表に目を通し、残高と適用金利を把握しておく習慣が、結果的に大きな安心につながります。放置せず、年に一度は家計とローンの状態を点検しましょう。
多くの金融機関で、借入期間中に変動から固定へ(または固定から変動へ)金利タイプを変更できます。ただし変更手数料や事務手数料がかかる場合があり、切り替えるタイミングでは固定金利がすでに上がっていることも少なくありません。「金利が上がってから固定に逃げる」のは割高になりがちな点に注意が必要です。詳細は借入先の金融機関に確認してください。
金利差が依然として大きいため、2026年時点でも変動金利を選ぶ人が多数派です。ただし日銀の利上げを受け、返済額の増加に不安がある層を中心に固定・ミックスを選ぶ動きも出ています。大切なのは多数派に合わせることではなく、自分の家計が金利上昇に耐えられるかで判断することです。
住宅ローン控除は年末残高に対して一定率(0.7%等)が所得税・住民税から控除される制度です。変動金利が低い時期は「支払い金利<控除率」となり、実質的な金利負担がほぼゼロ、あるいはプラスになるケースもあります。ただし控除率・上限額・対象は年度や住宅性能によって変わるため、最新の制度と合わせて試算してください。詳細は住宅ローン減税2026年最新版|控除額・申請手順・改正ポイントをご覧ください。
「上がる前に」という理由だけで住宅購入を急ぐのは禁物です。金利がわずかに上がっても、物件価格が高値づかみになれば総支払額はかえって増えます。金利は判断材料のひとつにすぎず、物件の価格・立地・自分の頭金や返済計画が整っているかの方が重要です。とはいえ、購入時期がすでに決まっているなら、金利動向を見て「変動か固定か」を判断する意味は十分にあります。
繰り上げ返済は元本を直接減らすため、どちらでも有効ですが、特に変動金利で金利上昇リスクを自分で下げたい人と相性が良いです。低金利のうちに元本を減らしておけば、その後金利が上がっても残高が小さいため影響を抑えられます。固定金利の場合は返済額が変わらないぶん、繰り上げ返済は「総利息の圧縮」と「完済時期の前倒し」が主な効果になります。
住宅金融支援機構の公式サイト(フラット35公式サイト)で毎月の金利を確認できます。当サイトでもフラット35の金利推移【毎月更新】で推移をまとめています。複数の金融機関を比較して選ぶことをおすすめします。
住宅ローンの金利タイプや借入額の決め方など全体像は、金利・借入額・期間はどれが効くのかでまとめて解説しています。
住宅ローンの金利タイプ選びは、長期にわたって家計を左右する重要な判断です。本記事のシミュレーションを出発点に、ご自身の年収・自己資金・将来設計に合わせて試算し、必要に応じてファイナンシャルプランナーや金融機関に相談しながら、納得のいく選択をしてください。金利タイプは借入後も見直せますが、最初の選択が家計の土台になります。焦らず、自分に合った一本を選びましょう。