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首都圏の中古マンション価格は、2026年5月に成約㎡単価が約6年ぶりに前年同月を下回り、値上がり一辺倒だった相場に潮目の変化が表れました。背景には日銀の利上げによる「金利1%時代」があります。
この記事でわかること
6月末に公表された首都圏の最新の市場統計で、長く上昇を続けてきた中古マンションの成約価格に変化が表れました。「マンションはまだ上がるのか、そろそろ下がるのか」と気になっている方に向けて、最新データと金利の動きから、今の相場を読み解きます。

首都圏の中古マンションは2026年5月、成約㎡単価が80.78万円となり、73カ月ぶり(約6年ぶり)に前年同月を下回りました。平均成約価格も5,067万円で、19カ月ぶりの下落です(出典:不動産経済研究所・東日本レインズ系市場統計)。長らく「上がり続ける」のが当たり前だった首都圏の中古市場で、はっきりとした変化が数字に出た形です。
新築マンションにも動きが見られます。首都圏の新築は2026年4月の平均価格が8,736万円と、3カ月ぶりに1億円を下回りました。ただし㎡単価は130.6万円で12カ月連続の前年超えと、単価ベースでは依然として高水準です。総額が下がったのは、より現実的な価格帯の物件が増えたことも一因とみられます。
不動産取引の現場でも、「強気の価格では買い手が動かなくなってきた」という声が増えています。都心の在庫増加はすでに指摘されていましたが(関連記事:都心マンション在庫45%増・価格急ブレーキ!今が売り時か買い時か徹底分析)、それが今回、成約価格の前年割れという「結果」として表れたといえます。

価格が頭打ちになった最大の要因は、金利の上昇です。日銀は2026年6月16日に追加利上げを決定し、政策金利は1.0%になりました。住宅ローンの変動金利も「適用1%時代」に入り、メガバンクの基準金利は年3.125%まで上昇しています(出典:Business Insider Japan)。借入金利が上がると毎月の返済額が増え、同じ年収でも借りられる金額(買える価格)が下がるため、需要が価格を押し下げます。
ここで見落としがちなのが、価格が数%下がっても、金利が上がれば総支払額はかえって増えることがあるという点です。借入3,000万円・35年・元利均等で、変動金利の水準別に返済額を試算すると次のようになります。
変動金利 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 金利0.7%との差 |
|---|---|---|---|
0.7% | 約80,556円 | 約3,383万円 | — |
1.2% | 約87,511円 | 約3,675万円 | +約292万円 |
1.7% | 約94,823円 | 約3,983万円 | +約599万円 |
※当サイト独自試算(借入3,000万円・35年・元利均等)。実際の返済額は借入条件・金融機関により異なります。ローンの見直しはFPや金融機関の専門家にご相談ください。
たとえば金利が0.7%から1.7%に上がると、総返済額は約599万円も増えます。物件価格が200万〜300万円下がっても、金利上昇分でその値引きが相殺されてしまう計算です。金利の先高観は続いており、変動金利は2026年10月にも各行でさらに引き上げられる見通しです(関連記事:日銀が31年ぶり1%利上げ検討!変動vs固定、今すぐ借り換え判断が必要な3つのケース)。

結論から言えば、価格の下落だけを見て「待つ」のが正解とは限りません。判断のポイントは、物件価格と金利を合わせた「総支払額」で考えることです。値下がりを待つ間も家賃はかかり続け、金利がさらに上がれば、価格が下がっても総支払額はむしろ増える可能性があります。
一方で、すべてのエリア・物件が一様に下がるわけではありません。駅近・再開発エリアの人気物件は底堅く、郊外や築古の物件ほど調整が進みやすい傾向があります。売却を考えている方にとっては、価格がピークから緩む前の今が動きやすい局面ともいえます。購入・売却いずれの場合も、最新の相場と自分の資金計画を照らし合わせ、必要に応じて不動産会社やファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。
マンションの購入・売却を検討している方は、価格だけでなく金利込みの総支払額でシミュレーションし、気になる物件があれば早めに相場と資金計画を確認してみてください。