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神戸市の「空室税」は、都心部のマンションの空室(非居住住戸)の所有者に課税する全国初の新税構想です。2026年7月、市の検討会が対象をタワマンに限らず、都心部の分譲マンション全体へ広げる方向の答申案を示し、注目を集めています。
この記事でわかること
「使っていない部屋を持っているだけで税金がかかる?」——2026年7月10日、神戸市の検討会がまとめた空室税の答申案が波紋を広げています。当初はタワーマンションを想定していた新税が、都心部の分譲マンション全体に対象を広げる方向となり、マンションを持つ人・買う人にとって無関心ではいられない話題です。今回は、この空室税の中身と影響をわかりやすく整理します。

神戸市の空室税は、市が独自に設ける「法定外税」として検討されているものです。2026年7月10日、市の「居住と税制のあり方に関する検討会」が、空室のマンション所有者を課税対象とするよう提言する答申案を示しました。当初はタワーマンションを想定していましたが、中心部では一般の分譲マンションでも非居住の割合が同程度だったことから、対象を分譲マンション全体に広げる方向となっています。
対象エリアは、JR新神戸駅からJR神戸駅にかけて広がる「都心機能誘導地区」の約314ヘクタールです。物件は分譲マンションに限定され、戸建ては含まれません。空室(非居住)かどうかは、原則として住民票の有無で判断し、住民票がない場合は納税実績などを確認するとされています。タワーマンションの供給が続く都市部の事情については、タワマンはなぜ乱立する?高さ規制緩和の裏側もあわせてご覧ください。

空室税の狙いは、居住を促してマンションの適正な管理につなげることにあります。マンションでは、空室(非居住住戸)が増えると、さまざまな管理上の問題が生じやすくなります。
まず、所有者が住んでいない住戸が増えると、修繕積立金や管理費の滞納が起きやすくなり、大規模修繕に必要な資金が不足しがちです。また、区分所有のマンションでは、建替えや大規模な改修に所有者の合意が必要ですが、非居住の所有者が多いと連絡が取りにくく、合意形成が滞ります。こうした状態が続くと、老朽化が進み、将来的に管理不全や「廃墟化」につながる懸念が指摘されています。修繕積立金の負担が重くなっている背景は、マンション修繕積立金の値上げが止まらない理由と自衛策で詳しく解説しています。空室税は、こうした管理不全を未然に防ぐための一つの手段として検討されているのです。

この空室税が実際に導入されるには、市議会での条例可決と総務大臣の同意が必要で、開始時期は今後の検討次第です。現時点では答申の段階であり、すぐに課税が始まるわけではありません。ただし、マンションを持つ人・買う人にとっては、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
投資用やセカンドハウスとして都心のマンションを保有し、住民票を置かない使い方をしている場合、対象エリアでは将来的に課税の可能性が出てきます。また、購入を検討する人にとっては、空室は修繕・管理・資産価値に直結するため、購入時にはそのマンションの管理状態や空室の状況を確認することが重要です。空室が多い物件は、将来の修繕や合意形成でリスクを抱えやすいためです。
神戸市の動きは全国初の試みですが、空き家・空室の増加は多くの都市に共通する課題です。空き家対策は国全体でも強化が進んでおり(空き家活用が変わる|国が36事業を採択・AI判定も参照)、同様の仕組みが他の都市に広がる可能性もゼロではありません。今後の動向に注目しておきたいところです。
神戸市の空室税は、都心部マンションの管理不全を防ぐための新しい試みです。要点を整理します。
マンションの購入や保有を考えている方は、こうした制度の動きとあわせて、物件の管理状態にも目を向けておくと安心です。気になる点があれば、不動産会社や管理の専門家に相談してみることをおすすめします。