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2026年上半期、首都圏の新築マンション平均価格が初めて1億円を超えました。ただし額面が上がっただけではありません。価格を1億円前後に抑えるため専有面積を縮小した「狭い億ション」が増えているのが今の実態です。
この記事でわかること
不動産経済研究所が2026年7月に発表した上半期の市場動向で、首都圏の新築マンション平均価格は前年同期比13%上昇の1億135万円となりました。「1億円のマンション」と聞くと広い高級住戸を思い浮かべますが、実際には面積を削って価格を抑えた住戸が増えています。額面の数字だけでなく、その中身を正しく読み解く視点を身につけましょう。

まず事実として、2026年上半期(1〜6月)の首都圏の新築分譲マンション平均価格は1億135万円で、上期として初めて1億円を突破しました。前年同期比で13%の上昇です。㎡単価は約151万円で、14か月連続で前年を上回っています。
とくに東京23区は前年比9%上昇の1億4249万円となり、1973年の調査開始以来の最高値を記録しました。一方で供給戸数は7,989戸(前年同期比0.8%減)と少なく、この供給の少なさが価格を下支えする構図が続いています。背景には、人手不足や資材価格の上昇による建築費の高騰があります。首都圏の市場全体の動きは上半期マンション市場総括|高値圏停滞で売り時は?でも詳しく解説しています。

狭い億ションとは、価格を1億円前後に抑えるために専有面積(登記される住戸の床面積)を縮小した新築マンションのことです。価格が上がり続けるなかで、総額を予算の届く範囲に収めるための苦肉の策として広がっています。
実際、不動産取引の現場では「廊下を短くして居間を広く見せる」といった間取りの工夫も目立ち始めています。埼玉県の例では、越谷市で58.85㎡、戸田市で59.88㎡と、ファミリー向けの立地でも専有面積が60㎡を割り込むケースが出ています。その一方で、久喜市の77.54㎡や鴻巣市の75.78㎡のように75㎡超の広さを確保できるエリアもあり、同じ首都圏でも二極化が進んでいます。
60㎡を切る住戸は、3人以上の家族には収納や個室の面で手狭になりやすく、「価格は抑えられたが暮らしにくい」という後悔につながることもあります。

額面価格だけを見ていると、値上がりの本当の大きさを見誤ります。ここで役立つのが坪単価です。坪単価とは、1坪(約3.3㎡)あたりの価格のことで、面積の違う物件どうしを公平に比べられる物差しになります。
同じ1億円でも、面積が狭ければ坪単価は高くなり、実質的には値上がりしていることになります。たとえば70㎡で1億円なら坪単価は約472万円ですが、60㎡で1億円なら約551万円へと跳ね上がります。総額が同じでも、単価で見れば約2割高い買い物をしている計算です。
また、住宅購入に詳しい専門家の多くが指摘するのは、公表される平均価格の上昇と、実際に成約している価格の体感には差があるという点です。平均を押し上げているのは一部の高額物件で、実需の中心価格ほどは上がっていないこともあります。「最高値更新」という見出しだけで判断せず、狙うエリアと面積帯の坪単価を確認することが大切です。

狭い億ションが一概に悪いわけではありません。立地や資産性が高い物件も多く、要は見極めです。買う前に次の4点を確認しましょう。
不動産取引の現場では、仲介マーケットの潮目が変わり、高値圏で売り急ぎと買い控えが同時に進んでいるとも言われます。焦らず物件を比較する姿勢が、狭い億ション時代の賢い買い方です。市場の在庫感については中古マンション“売れ残り”時代へ|戸建てとの明暗が鮮明もあわせて参考にしてください。
マンション価格が高止まりする時代こそ、額面に惑わされず中身を見極める力が問われます。エリアの相場や資産価値が気になる方は、地価ナビの関連記事や専門家への相談を活用して、後悔のない住まい選びを進めてください。