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注文住宅を建てる人の平屋志向には、大きな地域差があります。2026年7月に注目されたタウンライフ未来総合研究所の15万件超の分析によると、注文住宅の平屋希望率は全国で31.5%、地方ほど高く都市部ほど低いという傾向が鮮明になりました。宮崎県は64.3%、一方で東京都は16.5%と、住まいの「当たり前」が地域で大きく異なります。
この記事でわかること
「平屋」はいま、若い世代にも人気の住まいの形です。ただし、その人気の度合いは住む地域によってまったく違います。今回明らかになったデータをもとに、地域ごとの住宅観の違いと、その背景にある不動産の事情を見ていきましょう。

注文住宅の平屋希望率は、全国平均で31.5%。つまり、家を建てる人の約3人に1人が平屋を希望しています。地域別に見ると、その差は歴然です。タウンライフ未来総合研究所が152,153件の問い合わせデータを分析した結果、平屋希望率の上位は九州・四国に集中しました(出典:タウンライフ未来総合研究所、調査期間2024年4月〜2026年4月)。
上位は宮崎県64.3%、香川県61.6%、長崎県59.2%、鹿児島県56.1%、沖縄県56.0%と、いずれも半数を超えています。一方、大都市圏は東京都16.5%、大阪府17.9%、京都府20.0%、神奈川県20.9%と、いずれも全国平均を大きく下回りました。同じ「家を建てる」でも、九州では平屋が主役級、都市部では少数派という対照的な結果です。


地方で平屋が選ばれる最大の理由は、土地の広さと価格にあります。平屋は同じ延床面積でも2階建てより広い敷地が必要ですが、地方は土地が広く価格も抑えやすいため、平屋を建てやすい環境が整っています。都市部では地価が高く土地も狭いため、上に伸ばす2〜3階建てが合理的になり、平屋は現実的でなくなります。
暮らしやすさも大きな理由です。平屋は階段がなく生活動線がフラットで、子育て世代から高齢期まで長く安心して住めます。中古平屋という選択でも触れているように、バリアフリーで老後も暮らしやすい点は、平屋人気を支える共通の価値です。加えて、低重心で構造が安定しやすく、台風や地震への強さを重視する地域で好まれる傾向もあります。

このデータが示すのは、住まいの「当たり前」は地域によって大きく異なるという事実です。都市部で暮らしてきた人が地方へ移住すると、周囲は平屋や広い戸建てが中心で、マンション中心の感覚とのギャップに驚くことも少なくありません。逆に、地方から都市部へ移る場合は、限られた土地を活かしたコンパクトな住まいが前提になります。
田舎暮らし物件の探し方を検討する際は、その地域でどんな住まいが標準で、相場はいくらかを事前に把握しておくことが失敗を防ぐ鍵になります。住まいは、土地の広さ・価格・気候・生活スタイルが一体となって地域ごとの「正解」を形づくっています。家づくりや住み替えでは、全国一律の基準ではなく、その土地の住宅観を前提に考える視点が欠かせません。
今回のデータから見えてきたポイントを整理します。
家づくりや住み替えを考えるときは、憧れだけでなく、住むエリアの土地事情や住宅観も踏まえて検討しましょう。エリアごとの相場や住まいの選び方に迷ったときは、地元の不動産会社や専門家に相談してみるのがおすすめです。