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この記事でわかること
2026年4月の新設住宅着工が、全体で前年同月比+11.4%増加しました(国土交通省「建築着工統計調査報告 令和8年4月分」)。持家・貸家・分譲住宅の全カテゴリーが増加するという「オールプラス」の結果です。日銀が政策金利1%への引き上げを検討し、変動金利も上昇し続けている中での着工増は、多くの市場関係者が「意外」と受け取っています。
一方、前月比で見ると季節調整済年率換算値は-1.7%の減少でした。この「前年比プラス・前月比マイナス」という数値をどう読むかが、2026年の不動産市場を正確に判断するカギになります。

+11.4%という数字は、統計の数字の中でも際立って大きい増加率です。何が起きているのでしょうか。
今回の特徴は、持家(注文住宅)・貸家(投資用賃貸住宅)・分譲住宅(マンション・建売)の全カテゴリーが前年同月比でプラスになった点です。これは2025年を通じて3カテゴリーすべてが減少し続けた状況からの転換を示しています。
特に貸家の増加が目立ちます。愛知県単独のデータですが、貸家は前年同月比+134.4%という急増ぶりを示しています。全国でも貸家の増加幅は他カテゴリーを上回っている模様です。
前年同月比+11.4%は「2025年が最悪だった反動」を含んでいます。季節調整済みの前月比は-1.7%と微減しており、回復トレンドを確定させるにはまだ数か月のデータが必要です。
2025年の住宅着工は74万667戸で、1963年以来62年ぶりの過去最低水準でした(日本経済新聞報道)。持家・貸家・分譲のすべてが減少する「トリプルマイナス」が続いていた昨年と比べれば、2026年4月の数値が大きく見えるのはある意味当然です。
「+11.4%増」という数字を見て即座に「不動産ブーム到来」と判断するのは早計です。季節調整値での前月比マイナスが示すように、月次のトレンドはまだ安定していません。

2025年に住宅着工が過去最低に沈んだ背景には、複数の要因が重なっていました。
これらの要因が2025年に集中したことで着工数が急減したのが実態です。2026年4月に増加に転じた背景としては、「2025年の落ち込みに対する反動需要」「省エネ基準適応を前提とした設計の定着」「補助金活用(みらいエコ住宅2026等)」が考えられます。ただし、金利上昇という環境は変わっておらず、これが持続的な回復につながるかは今後のデータ次第です。

今回の統計で注目すべきは、貸家(投資用賃貸住宅)の着工が大きく増加している点です。これは不動産投資家にとって、見逃せない「逆風サイン」になる可能性があります。
不動産投資の基本は「需給バランス」です。賃貸住宅の供給が増えれば、家賃競争が激化し、入居率・家賃水準の低下につながります。特にアパート・マンションの投資利回りを重視している投資家にとって、エリアの賃貸供給量の増加は直接的なキャッシュフロー悪化リスクです。
不動産投資を検討している方や、賃貸アパートを保有している方は、これから数年にわたって自分の物件があるエリアの「新築賃貸物件の供給動向」を定期的に確認することを強くおすすめします。着工増が続くエリアでは、家賃相場の下落や空室率上昇が現実の問題になりかねません。
2026年4月の住宅着工統計について、要点を整理します。
次回(5月分)の着工統計が6月末に発表される予定です。回復が続くのか、それとも単月の反動に過ぎなかったのかが明らかになります。不動産投資や住宅購入を検討している方は、この指標を引き続き注視してください。