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新築一戸建ての着工戸数に占める長期優良住宅の認定取得割合が49.8%に達しました(国土交通省・2026年7月17日発表)。前年度の39.3%から1年で10.5ポイント増え、新築戸建ての約半分が認定住宅という時代に入っています。
この記事でわかること
2026年7月17日、国土交通省が「長期優良住宅の認定状況について(令和7年度末時点)」を公表しました。同じ日には住宅性能表示制度で交付された設計住宅性能評価書の戸数が制度開始後の過去最多になったことも発表されており、住宅の性能を第三者が認定する仕組みが一気に一般化しつつあります。減税メリットが大きく報じられる一方で、認定を取ったあとに何が起きるかはあまり語られていません。数字と実務の両面から整理します。

長期優良住宅とは、長期にわたって良好な状態で使い続けられるよう、耐震性・省エネ性・劣化対策・維持管理のしやすさなど複数の基準を満たすと所管行政庁から認定される住宅のことです。2026年7月17日発表の最新統計では、その認定割合が新築一戸建てで49.8%となりました。
年度 | 認定戸数(新築一戸建て) | 新築着工に占める割合 |
|---|---|---|
令和5年度 | 111,341戸 | 31.3% |
令和6年度 | 136,809戸 | 39.3% |
令和7年度 | 155,838戸 | 49.8% |
出典:国土交通省「長期優良住宅の認定状況について(令和7年度末時点)」(2026年7月17日発表)。データ取得日:2026年7月22日
わずか2年で31.3%から49.8%へと、18.5ポイント上昇しています。累計の認定戸数は新築一戸建てだけで185万戸を超えました。
一方で、共同住宅(マンション等)の認定割合は令和7年度で2.4%にとどまっています。戸数では9,433戸で前年度の8,231戸から増えてはいるものの、戸建てとは桁違いの差です。新築全体で見た認定割合は23.2%(165,271戸)で、この伸びを牽引しているのは明確に戸建てだと分かります。背景には2026年度からの省エネ基準引き上げなど住宅性能をめぐる制度改正の流れがあり、この点は省エネ義務化で「ZEHでない家」は損?2026年の新常識で詳しく整理しています。

認定住宅がここまで増えた最大の理由は、税制優遇の差が大きいことです。2026年度時点の主な優遇は次のとおりです。
項目 | 一般住宅 | 認定長期優良住宅 |
|---|---|---|
住宅ローン控除の借入限度額(子育て・若者夫婦世帯) | 2,000万円 | 5,000万円 |
住宅ローン控除の借入限度額(その他世帯) | 2,000万円 | 4,500万円 |
固定資産税の2分の1減額期間(新築戸建て) | 3年間 | 5年間 |
不動産取得税の控除額 | 1,200万円 | 1,300万円 |
登録免許税(所有権保存登記) | 0.15% | 0.1% |
2026年度時点の制度内容。制度は年度により変更されるため、実際の適用可否は所管行政庁・税務署にご確認ください
最も差が大きいのは住宅ローン控除の借入限度額で、一般住宅の2,000万円に対して認定住宅は最大5,000万円と3,000万円の開きがあります。控除率や適用年数の条件を満たせば、13年間の累計で数百万円規模の差になるケースもあります。住宅ローン控除は2026年に床面積要件の見直しも進んでおり、この点は中古40㎡も住宅ローン控除へ|コンパクト購入に追い風で解説しています。

ここまでは広く報じられている話です。実務で見落とされやすいのは、認定を取ることで発生するコストと、取った後に続く義務のほうです。不動産取引の現場では、次の4点が繰り返し問題になります。
ちなみに認定に必要な性能項目は、耐震性・省エネルギー性・劣化対策・維持管理のしやすさ・バリアフリー性・可変性・居住環境・維持保全計画・住戸面積の9分野にわたります。一戸建てでは床面積75㎡以上といった規模の要件もあり、コンパクトな住宅では面積で条件を満たせないケースもあります。

結論から言えば、新築を建てるなら認定を取る方向で検討する価値が大きく、中古なら認定の有無より実際の性能数値を見るのが実務的です。
新築を建てる場合は、借入額が大きいほど住宅ローン控除の限度額の差が効いてきます。申請費用と工期の延びを施工会社に見積もらせたうえで、13年間の控除差額・固定資産税の2年分の差と比べれば、判断はしやすくなります。すでに新築戸建ての半分が認定を取っている以上、将来売却するときに「認定なし」が相対的に不利になる可能性も考慮に入れておきたいところです。
中古で買う場合は、認定住宅は累計185万戸に達しており、中古市場にも認定物件が出回り始めています。ただし認定を維持するには維持保全計画に沿った点検記録が必要なため、点検・修繕の履歴が残っているかを必ず確認してください。逆に認定のない中古でも、断熱等級や耐震等級が高ければ実質的な性能は十分な場合があります。認定の有無はラベルにすぎず、判断材料は性能の中身です。
新築戸建ての約半分が認定住宅になったということは、これから家を売る側にとっても買う側にとっても、性能が価格の判断材料に組み込まれていくということです。取得を検討する場合は、申請費用と減税額を自分の借入条件で試算したうえで、施工会社と所管行政庁に最新の要件を確認してください。税額の詳細については税理士など専門家への相談をおすすめします。