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この記事でわかること
2026年6月19日、東京都北区の小学校で火災が発生し、約330人の児童が避難、11人が病院に搬送されました(NHKニュース・日本経済新聞報道より)。この火災は学校という建物で起きましたが、集合住宅でも火災は身近なリスクです。自分が火を出さなくても、隣人の火災で大きな損害を受ける可能性があるのが集合住宅の怖いところです。

今回の小学校火災では4階の1室から出火し、同フロアの約200㎡が焼損しました。学校という広い建物でも、出火元から隣接エリアへと延焼が広がりました。集合住宅(マンション・アパート)でも同様のことが起きます。特に木造アパートは燃え広がる速度が速く、隣室・隣棟への延焼リスクが比較的高いとされています。
集合住宅の火災で「自分が出火元でない場合」に大きく関係するのが、日本独自の法律「失火責任法」です。不動産を所有している人・賃貸で暮らしている人問わず、この法律の内容を知らないでいると、いざという時に大きな損失を被ることになります。

「失火責任法」により、隣家・隣室が出火元であっても、その住人に重大な過失がない限り損害賠償請求ができません。これは日本独自のルールで、多くの人が知らずに損をしています。
日本の失火責任法(1868年制定)は、民法の不法行為責任(709条)の例外として、「火災の損害賠償は重過失がある場合のみ認める」と定めています。つまり、隣の部屋でタバコの不始末や電気コードの発熱が原因で火災が起き、自分の部屋の家財が全滅しても、「重過失でない」と判断されれば隣人への損害賠償請求はできないのです。
では重過失とはどんなケースか?法律の専門家の解釈では「天ぷら油を火にかけたまま長時間その場を離れた」「消火を試みた際に状況を著しく悪化させた」など、一般常識を大きく逸脱した場合に限られます。一般的な不注意(うっかりによる失火)は重過失に当たらないとされるケースがほとんどです。
このルールの現実的な意味は明確です——もらい火で受けた損害は、自分の火災保険で補填するしかないということです。隣人を訴えても勝てない可能性が高い以上、火災保険は「あればいい」ではなく「なければ取り返しのつかない損失を被るリスクがある」ものだと理解する必要があります。

不動産を購入・投資する際に気になる「木造」と「RC造(鉄筋コンクリート)」の火災リスクの差は、実際に大きいものです。
木造の主要構造部は木材であり、燃えやすい素材です。建築基準法では「防火構造」「準耐火構造」「耐火構造」の区分がありますが、一般的な木造アパート(2階建て・防火地域外)は準耐火構造でない場合も多く、火災が発生すると隣室・隣棟への延焼速度が速いです。一方RC造は、主要構造部(柱・梁・床・壁)がコンクリートで火に強く、区画された各室への延焼を食い止める耐火性能を持ちます。
この差は火災保険料にも反映されます。一般的に木造建物の火災保険料はRC造と比べて1.5〜2倍程度高く設定されていることが多いです。不動産投資家の観点では、木造アパートを保有する場合、保険料の高さを収支計算に組み込むことが重要です。また2025年4月施行の建築基準法改正により、大規模木造でも防火区画・スプリンクラー等を組み合わせることで耐火性能を高められるようになりました。今後は木造でも耐火等級の高い物件が増える見通しです。

火災保険について「一応入っているから大丈夫」と思っている人の中に、実は大きな抜け穴がある場合があります。不動産取引の現場でよく見られる3つの盲点を解説します。
集合住宅の火災リスクのポイントを整理します。
今回の学校火災はたまたま学校で起きましたが、集合住宅でも同様のリスクは常に存在します。自分の火災保険の内容を今すぐ確認し、補償に漏れがないか点検することをお勧めします。津波・地震リスクが気になる方は沿岸エリアの不動産リスクと地震保険の解説もあわせてご覧ください。