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この記事でわかること
北関東3県(群馬・栃木・茨城)の2026年公示地価は、茨城県が住宅地で前年比+1.0%と34年ぶりの高水準を記録し、群馬県・栃木県はそれぞれ+0.1%の緩やかな上昇が続いています。首都圏の住宅価格高騰を受け、東京から車で1〜2時間圏内に位置する北関東3県への移住需要が急速に高まっており、ふるさと回帰支援センターの移住希望地ランキングでは群馬県が2年連続で全国1位となりました。本記事では各県の最新地価動向と注目エリアを詳しく解説します。

2026年(令和8年)の公示地価において、北関東3県はそれぞれ異なる地価動向を見せています。茨城県の力強い上昇、群馬・栃木の安定的な緩やかな伸び——このコントラストを理解することが、北関東エリアで不動産を検討する際の出発点となります。

茨城県の2026年公示地価(住宅地)は前年比+1.0%と、34年ぶりの高水準を記録しました。この上昇を牽引しているのは、つくばエクスプレス(TX)沿線の守谷市・つくばみらい市・流山おおたかの森エリア(千葉県側との境界付近)と、工業地帯を擁するひたちなか市・日立市です。
国土交通省「令和8年地価公示」(2026年3月発表)によると、茨城県内で地価上昇率が特に高かったのは以下のエリアです。
一方、県庁所在地の水戸市は-0.3%前後の下落が続いており、人口減少と高齢化の影響が出ています。TX沿線の成長エリアと在来型の地方都市との二極化が、茨城県の地価動向の特徴です。
茨城県でさらに注目すべき動きとして、TX(つくばエクスプレス)の土浦方面延伸構想の正式決定が挙げられます。茨城県が延伸先として土浦方面を選定し、将来的には茨城空港方面への延伸も視野に入れているとしています。この延伸計画の発表は、土浦市・阿見町などの地価に対してプレミアム期待を生み出しており、実際に転入者数が増加しているエリアです。
商業地に目を向けると、茨城県全体では+0.6%となっており、住宅地の伸びとともに商業地も持ち直しの傾向が続いています。特につくば市の商業地は研究者・留学生・IT系就労者の増加を背景に飲食・サービス業の出店需要が拡大しており、中心部の地価を押し上げています。出典:国土交通省「令和8年地価公示」(2026年3月)
群馬県・栃木県はともに住宅地で前年比+0.1%と、首都圏ほどの高騰ではないものの安定的な上昇基調を維持しています。この緩やかな上昇の背景には、製造業就労者の安定した住宅需要と、首都圏からの移住需要の増加という二つの要因があります。
群馬県の地価は、高崎市・前橋市の中心部が横ばい〜微増、太田市・大泉町が工場勤務者の転入需要で安定、吉岡町・渋川市などが移住需要の高まりによる上昇という構図です。特に、北陸新幹線の延伸(敦賀開業)による高崎の関西方面アクセス改善が、群馬県の不動産市場に新たな追い風となっています。
栃木県では、2023年8月に開業した宇都宮ライトレール(LRT)の沿線エリアで地価の上昇傾向が続いています。宇都宮市内のLRT沿線では、開業前と比べて地価が3〜5%程度高い水準で推移しているとされており、鉄道インフラ整備が地価押し上げ要因として機能していることがわかります。小山市や下野市は東京へのアクセスが良好なことから、東京からの転居需要が底堅く推移しています。
また、栃木県の那須塩原市は新幹線停車駅(那須塩原駅)があり、東京まで約80分というアクセスから、別荘・セカンドハウス需要に加えて移住需要も拡大しています。2026年の地価変動は小幅ですが、首都圏富裕層の移住先として高い認知度を誇るエリアです。
北関東3県の公示地価に関するより詳しい全国との比較は、2026年公示地価を徹底解説|上昇エリアと今後の見通しもあわせてご覧ください。

茨城県は北関東3県の中で最も大きな地価上昇率を示しており、エリアによって価格帯や上昇要因が大きく異なります。購入・移住を検討する際は、エリア別の特性を理解することが重要です。
守谷市とつくばみらい市は、つくばエクスプレス(TX)の開通後、首都圏からの移住先として急速に人気が高まったエリアです。守谷駅から秋葉原駅まで最短約35分でアクセスでき、2026年時点で一戸建ての相場は3,000万〜4,500万円台という水準です。
不動産取引の現場では、守谷市・つくばみらい市への問い合わせが「2020年比で1.5〜2倍に増加している」という声が多く聞かれます。首都圏で同水準の利便性を持つエリアと比較すると、神奈川県や千葉県の人気エリアが5,000万〜7,000万円台であることを考えると、いかにコストパフォーマンスが高いかがわかります。
守谷市の人口は近年も増加傾向が続いており、子育て世代を中心とした転入が目立ちます。保育所の整備・学校の質・ショッピングモールなどの生活利便施設が整っていることも、人気を支える要因です。守谷市は独自の子育て支援として、一定の所得要件を満たす世帯への保育料助成や医療費の一部補助を実施しており、子育て世代には経済的にも有利な移住先となっています。
一方でつくばみらい市は守谷市よりもさらに価格が抑えられており、新築一戸建てを2,500万〜3,500万円程度で購入できるケースも多く、「TX通勤圏の中でコスパ最強」と評されることがあります。TX延伸(土浦方面)の恩恵が見込まれるエリアとして、中長期的な地価上昇への期待もあります。
つくば市は筑波大学・産業技術総合研究所(AIST)・宇宙航空研究開発機構(JAXA)等の研究機関・大学が集積した「研究学園都市」として知られています。居住者の学歴・所得水準が高く、住環境も整備されていることから、地価の安定性が際立つエリアです。
つくば市の地価は近年継続して上昇しており、特に研究学園エリア周辺では新築マンション・一戸建てともに需要が堅調です。研究者・公務員・大学関係者という安定した雇用層が多いため、賃貸需要も安定しており、投資目的での購入も一定数見られます。
不動産のプロが注意点として挙げるのは、「つくば市は人気エリアが集中しており、同じ市内でも駅(つくば駅)周辺とそれ以外で価格差が大きい」という点です。つくば駅徒歩圏のマンションは首都圏並みの価格帯(3,500万〜6,000万円以上)になることもあるため、エリアを慎重に選ぶ必要があります。TX延伸が土浦方面に決定したことで、つくば市の南側エリア(みどりの・万博記念公園周辺)でも地価上昇への期待が高まっています。出典:公示地価 変動率都道府県ランキング2026年
茨城県北部の日立市・ひたちなか市は、日立製作所グループをはじめとした大手製造業の拠点が集積するエリアです。製造業従事者の安定した住宅需要が地価の下支えとなっており、TX沿線ほど高騰していないものの、価格の安定性が高いという特徴があります。
日立市は人口減少が続いているものの、製造業・研究開発部門の雇用が底堅いため住宅地の需要は維持されています。一戸建ての相場は1,200万〜2,500万円台と北関東の中でも特に手頃な水準です。ひたちなか市はひたちなか海浜公園(国営ひたちなか海浜公園)へのアクセスが良く、観光需要に加えて製造業就労者の住宅需要もあることから、比較的安定した地価推移となっています。
実務上、多くのケースで見られるのは、「仕事の都合でひたちなか・日立に住み始め、子どもが生まれてからTX沿線(守谷等)に引っ越す」というライフステージに合わせた移住パターンです。茨城県内での住み替えがすでに定着しつつあります。住宅購入に詳しい専門家の多くが指摘するのは、「ひたちなかの利回りは比較的高く、投資用物件としても注目度が増している」という点です。

ふるさと回帰支援センターの2025年移住希望地ランキングで群馬県が2年連続全国1位を獲得しました。この結果は、首都圏からのアクセスの良さと自然環境・生活コストのバランスが高く評価されていることを示しています。では、群馬県内でどのエリアが特に人気なのか見ていきましょう。
高崎市は北関東最大の商業・交通拠点として機能しており、上越・北陸新幹線の停車駅(高崎駅)を擁することから東京・大阪双方へのアクセスが良好です。高崎駅から東京駅まで上越新幹線で最短約50分というアクセスは、群馬県の不動産需要を支える大きな強みです。
住宅地の価格は、高崎市内でも駅近エリアと郊外で大きく異なりますが、新築一戸建ての一般的な相場は2,500万〜4,000万円台が中心です。東京都内では同水準の物件が7,000万円を超えることを考えると、高い価格競争力があります。高崎市内では、近年マンション供給も増加しており、駅近のマンションは3,000万〜4,500万円台という価格帯で都内通勤者や単身・DINKSカップルにも人気です。
前橋市は群馬県庁の所在地であり、県都としての機能を持つ都市です。2023年から前橋市中心市街地でバス6社が共同ダイヤを実現し、公共交通の利便性が向上しました。また「まえばしCITY」などのスマートシティ構想が進んでおり、若い世代の移住者に注目されています。特に前橋市は、地方移住支援の充実度が全国でも上位クラスであり、移住者への補助金・テレワーク支援が充実していることで知られています。
太田市はSUBARU(スバル)の本社・製造拠点が置かれており、大泉町とともに多くの製造業就労者が居住するエリアです。特に大泉町はブラジル人をはじめとする外国人住民が多く、国際色豊かな街並みで知られています。
製造業就労者という安定した雇用需要があることから、太田市・大泉町の住宅地は景気変動の影響を受けにくく、安定した地価推移を維持しています。新築一戸建ての相場は太田市で2,000万〜3,000万円台、大泉町で1,500万〜2,500万円台が中心で、北関東の中でも比較的リーズナブルな価格帯です。
2022年・2023年の転入者数調査でも太田市・大泉町は群馬県内で上位に挙がっており、製造業の雇用が続く限り底堅い需要が維持されると見られています。また太田市は北関東自動車道・東北自動車道へのアクセスが良く、車通勤での生活圏が広いことも、製造業就労者以外の層にも選ばれる理由の一つです。
群馬県内で注目されるもう一つのエリアとして、吉岡町・渋川市があります。関越自動車道沿いに位置し、新幹線アクセス(高崎駅)も比較的良好なこれらのエリアでは、首都圏からの移住者が増加しています。住宅地価格は1,500万〜2,500万円台と非常に手頃で、「移住コストを最小化したい」層に人気です。

栃木県は2023年8月に宇都宮ライトレール(LRT)が開業し、宇都宮市の公共交通が劇的に変化しました。「車がないと生活できない」という北関東のイメージが変わりつつある栃木県の最新動向を解説します。
宇都宮市は栃木県の最大都市であり、人口約52万人を擁する北関東最大の都市です。2023年8月26日に開業した宇都宮ライトレール(LRT)は、総事業費約684億円をかけた大規模な公共交通インフラ整備であり、宇都宮駅東口から芳賀・高根沢工業団地まで14.6kmを結んでいます。
LRT開業後、沿線エリアでは地価・賃料の上昇傾向が顕著になっており、駅から徒歩10分圏内の物件は開業前比で5〜8%程度高い水準で推移しているとされています。住宅購入に詳しい専門家の多くが指摘するのは、「LRT沿線の賃貸物件は空室率が低く、工場勤務者・通学者の安定した需要がある」という点です。さらに、LRT西口延伸(2030年代目標)が計画されており、宇都宮駅西口エリアの地価にも上昇期待が生じています。
宇都宮市内の新築一戸建て相場は、LRT沿線駅近エリアで3,500万〜5,000万円台、郊外エリアで2,500万〜3,500万円台という水準です。宇都宮市は新幹線(東北新幹線)が停車し、東京駅まで新幹線で最短約50分というアクセスもあることから、東京勤務者の移住先としても注目されています。
宇都宮市はB級グルメの「餃子」で有名な食文化の街でもあり、移住者が生活の満足度を語る際に食・観光・自然環境など生活の豊かさを高く評価するケースが多い都市です。ファミリー層からシニアまで幅広い層が選ぶ「バランスの良い地方都市」として移住先の定番になりつつあります。
小山市・下野市は栃木県の南部に位置し、JR宇都宮線(東北本線)・両毛線のアクセスで東京・上野方面への通勤圏に入るエリアです。東京から約70〜80km圏内でありながら、住宅価格が首都圏の同条件エリアと比べて大幅に安いことが、この地域の魅力です。
不動産取引の現場では、小山市・下野市への移住者について「テレワーク導入後に都内から移住し、週2〜3回の通勤を前提として選ぶケースが増えている」という声が聞かれます。新築一戸建ての相場は2,000万〜3,200万円台が中心で、都内通勤者が手の届く価格帯として認識されています。
移住者の流入もあり、2022年・2023年の転入者数調査で小山市・下野市は栃木県内の上位に位置しています。小山市は東北新幹線の停車駅こそないものの、JR湘南新宿ラインや宇都宮線で都心まで1本アクセスできる利便性が高く評価されています。また、小山市は大型商業施設も充実しており、生活利便性が高い点も人気の理由です。
那須塩原市(新幹線駅あり)も移住先として人気が高く、テレワーク時代の北関東移住の象徴的エリアとなっています。那須塩原市では別荘需要だけでなく定住移住者も増加しており、2026年の地価はわずかな上昇にとどまりつつも、将来的な上昇ポテンシャルが期待されているエリアです。
首都圏郊外(神奈川・埼玉・千葉)の地価動向については、神奈川・埼玉・千葉の地価2026|首都圏郊外の最新動向と注目エリアもあわせてご確認ください。

北関東3県への移住需要はなぜ急増しているのでしょうか。首都圏の住宅価格高騰を背景に、購入検討者が北関東を「現実的な選択肢」と見なし始めた背景と、生活コストの実態を解説します。

2026年、首都圏の新築一戸建て平均価格は初めて5,000万円を超えました(東日本不動産流通機構調査)。東京23区では8,000万円を超える物件が珍しくなく、「普通のサラリーマンが東京で家を買う」という選択肢が現実的ではなくなりつつあります。
この状況で注目を集めているのが、「東京から1〜2時間圏内で、2,000万〜3,500万円台で新築一戸建てが買える」北関東エリアです。テレワーク普及・週2〜3回出社という働き方の変化が、「多少遠くても広くて安い家」という選択を可能にしました。実際に物件探しをした人が口をそろえて言うのが、「北関東で探したら都内の2分の1〜3分の1の価格で条件が合う物件が見つかった」という声です。
北関東3県の公共交通利便性は近年大きく向上しています。
「北関東は車社会で不便」というイメージは急速に過去のものになりつつあります。実際に移住経験者からよく聞かれるのが、「想像以上に電車でどこにでも行けた」という声です。特にTX沿線の守谷・つくばみらいでは、「車なし生活も十分可能」と評価する移住者が増えています。
住宅価格以外の生活コストも北関東の魅力です。家賃・物価・医療費・保育料などを総合的に比較すると、北関東3県は首都圏郊外(神奈川・埼玉・千葉)と比べて年間で50〜100万円程度の生活コスト差があるケースも少なくありません。
比較項目 | 首都圏郊外(目安) | 北関東3県(目安) |
|---|---|---|
新築一戸建て(3LDK) | 4,500万〜6,500万円 | 2,000万〜3,500万円 |
家賃(2LDK・30坪) | 月12万〜18万円 | 月6万〜10万円 |
保育料(認可保育所) | 月2万〜4万円 | 月0〜2万円(無料化自治体多) |
食費(4人家族・月) | 8万〜12万円 | 6万〜9万円 |
特に茨城県・群馬県では独自の子育て支援策を設ける自治体が多く、移住者向けの補助金・奨励金も充実しています。移住先を検討する際は、自治体の移住支援策も必ず確認することをおすすめします。住宅取得時に最大100万円程度の補助金が出る自治体もあるため、事前のリサーチが重要です。
茨城県のつくば市(研究学園エリア)・守谷市(TX沿線)が北関東全体でも最も地価が高いエリアの一つです。2026年時点でつくば市の住宅地最高価格は1平方メートルあたり20万円台後半〜30万円台前半に達するポイントもあります。群馬県では高崎市中心部(上越新幹線駅周辺)、栃木県では宇都宮市中心部(LRT沿線・新幹線駅周辺)が比較的高い地価を示しています。
TX延伸が決定した土浦市・阿見町周辺では、延伸計画の発表後から地価への期待感が高まっています。ただし、延伸の正式着工・開業時期は未確定であり、現時点では「期待先行」の段階です。過去のTX開業時(2005年)には、沿線エリアで3〜5年かけて段階的に地価が上昇した経緯があります。延伸を前提とした投資は、リスクも含めて慎重な検討が必要です。現状では期待だけで価格が先行している側面もあるため、将来の値上がり益を前提とした購入には注意が必要です。
宇都宮LRT沿線(特に芳賀・高根沢工業団地方面)では製造業就労者の住宅需要が堅調で、賃貸・売却ともに需要が見込める点がメリットです。LRT西口延伸(2030年代目標)が実現すれば、宇都宮駅西側エリアも含め沿線全体の利便性が向上する可能性があります。ただし、不動産価格はすでにLRT効果を一定程度織り込んでいるため、購入後の値上がり益に過剰な期待はしないことが重要です。賃貸用途での購入なら、工場近接エリアの物件で安定した収益が期待できます。
最も重要なのは、「車なしで生活できるか」の確認です。TX沿線・宇都宮市内・高崎市内などの交通利便性の高いエリアでは車がなくても生活できますが、郊外エリアでは自動車が必須の場合がほとんどです。また、移住先の自治体が提供する支援策(移住補助金・保育料無料化・医療費助成等)は自治体によって大きく異なるため、事前に複数自治体を比較することをおすすめします。
北関東での投資用物件購入を検討する場合、賃貸需要の安定性が最重要ポイントです。製造業の大手工場・研究施設・大学の近くにある物件は安定した賃貸需要が期待できます。表面利回りが高いエリアとして、ひたちなか市・日立市・太田市・大泉町などが挙げられます。一方、人口減少が続く地方都市部(水戸市郊外・日光市等)では空室リスクが高いため注意が必要です。実際の利回り計算には、管理費・固定資産税・空室率を必ず組み込んで判断してください。
北関東3県(群馬・栃木・茨城)の2026年公示地価は以下のポイントで整理できます。
東京で家を買うことが難しい時代に、北関東は現実的な「住みやすさとコスパのバランス」を提供するエリアとして急速に注目を集めています。移住・購入を検討する際は、各県・各市区町村の地価動向と生活利便性を比較しながら、自分のライフスタイルに合ったエリアを選ぶことが大切です。具体的な物件選びや地価の詳細は、地価ナビの各エリアページや不動産会社への相談を通じてさらに深く調べてみてください。