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この記事でわかること
外国人によるマンション取得規制とは、安全保障上の懸念から外国人・外国法人が日本の不動産(特に軍事施設周辺や重要インフラ近くの物件)を取得する際に規制を設けようとする法整備の動きです。2026年6月4日、自民党安全保障調査会がこの規制を「当面見送り」とする方針を固めたと報道されました。規制は見送られましたが、都心マンションにおける外国人オーナーの増加という現実的な問題は続いています。

規制が検討されていた背景には、外国人・外国法人による自衛隊基地周辺や空港・港湾などの重要インフラ近くの土地取得に対する安全保障上の懸念がありました。2022年に施行された「重要土地等調査法」は一定範囲の土地所有者への調査・勧告を可能にしましたが、マンションなどの区分所有権への具体的な規制には至っていませんでした。
今回の「見送り」の主な理由は2つです。1つ目は私有財産制度との整合性。区分所有権は憲法が保障する財産権に関わるため、国籍を理由に取得を制限することへの慎重論が根強くあります。2つ目は国際条約との整合性。日本が締結している投資協定・友好通商航海条約の中には、相手国国民への内国民待遇を義務付けるものがあり、一律の外国人取得制限は条約違反になる可能性があります。
規制は見送られたものの、都心のマンションでは外国人オーナーの比率が年々上昇しており、管理組合の現場では新たな問題が表面化しています。

不動産取引の現場では、外国人オーナーが一定比率を超えたマンションで管理組合の機能不全が起きるケースが増えていると言われています。最も深刻な問題は以下の3点です。
1. 管理費・修繕積立金の滞納
海外在住の外国人オーナーの中には、日本の管理費・修繕積立金の支払い義務を軽視するケースがあります。管理会社が督促しても、海外居住者への法的手続きは国内居住者と比べて困難なため、滞納が放置されやすい状況です。修繕積立金が不足すると、大規模修繕工事の実施が困難になり、建物の老朽化が加速します。
2. 管理組合総会の議決不能問題
区分所有法では管理組合の重要事項を決議する際に一定の議決権数が必要です。海外在住の外国人オーナーが出席もせず委任状も提出しない状態が続くと、定足数を満たせず決議不能に陥ることがあります。都心の一部マンションでは外国人オーナー比率が30〜50%に達し、修繕計画の決定や管理会社の変更といった重要事項を決められない事態が発生しています。
3. 連絡・緊急対応の困難化
緊急の設備不具合や漏水事故が発生した際、海外在住オーナーへの連絡が取れず対応が遅延するケースもあります。管理組合として適切な対応ができないと、他の区分所有者の居住環境に支障が生じます。
外国人オーナーが多いことが即座に問題になるわけではありません。国内在住で管理に積極的に参加する外国人オーナーも多く、管理状況はマンション・オーナーそれぞれで大きく異なります。ただし、購入前に管理状況を確認することがより重要になっています。

規制が見送られた現在、マンションの購入検討者や現在の区分所有者ができる対策は何でしょうか。
購入前のチェックポイント(購入検討者向け)
既存オーナー向けの対応策
外国人マンション取得規制の見送りで現状維持が続きますが、都心マンションの管理問題は既に進行中です。購入前に管理状況を丁寧に確認し、管理組合が機能しているマンションを選ぶことが、資産価値を守る最善策です。不動産売却を検討中の方は、外国人オーナー比率が高いマンションでは売却価格交渉での注意が必要です。管理組合の健全性は物件価値に直結することを忘れないでください。