読み込み中...
読み込み中...
この記事でわかること
相続した実家をどうするかを早めに決め、相続登記の完了・空き家特例の活用・固定資産税リスクの回避の3点を軸に動くことが最重要です。2024年4月の相続登記義務化・2026年の空き家特措法強化により、放置すると税負担や過料のリスクが増大しています。
本記事では、相続した実家の処分方法から空き家特例・固定資産税リスク・相続税評価・よくあるトラブルまで、2026年の最新情報をもとに徹底解説します。実家を「売却する・賃貸に出す・自分で使う・解体または寄付する」の4つの選択肢それぞれを比較し、あなたの状況に最適な判断ができるようまとめました。親が亡くなってから動き始めると時間的・精神的な余裕がなくなるため、できれば生前から家族で話し合っておくことをおすすめします。
実家を相続した後の主な選択肢は4つあります。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で判断しましょう。
実家の売却では「空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除」が使える場合があります(詳しくは後述)。詳しくは相続した不動産の売却方法|手続きの流れと税金対策もご参照ください。
不動産取引の現場では、「安易に賃貸に出して管理の手間と費用を甘く見ていた」という失敗例が多いです。賃貸に出す前に、リフォーム費用・管理委託費用・固定資産税・保険料を試算した収支計算が必須です。
相続した実家を売却する場合に使える最大の節税手段が「被相続人の居住用財産(空き家)に係る3,000万円特別控除」です。
空き家特例は2027年12月31日までの期限付き特例です。2026年中の売却が要件を満たしやすい最後のチャンスになる可能性があります。
2024年改正の注意点:2024年1月1日以降の譲渡で相続人が3人以上いる場合、1人当たりの控除額が2,000万円(従来は3,000万円)に引き下げられています。
(出典:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」、データ取得日:2026-05-31)
相続した実家を処分する前に、相続税の申告が必要かどうかを確認しましょう。
相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。この金額を超える場合は相続税の申告が必要になります(相続を知った日から10ヶ月以内)。
例:相続人が子ども2人の場合の基礎控除 = 3,000万円 + 600万円×2 = 4,200万円。実家(土地・建物)+預金等の合計がこれを超えたら申告が必要です。
不動産の相続税評価額は「実勢価格(市場価格)と異なる」点に注意が必要です。
(出典:国税庁「路線価図・評価倍率表」)
被相続人の自宅を相続した場合、「小規模宅地等の特例」により土地の評価額を最大80%減額できます。これにより相続税の大幅な節税が可能です。
相続した実家を放置すると、2026年現在は以下のリスクが生じます。
建物付きの土地には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が通常の1/6〜1/3に軽減されています。しかし、建物が以下の状態になるとこの特例が外れます。
「放置して特定空家に指定されてしまった」という事例が増えています。空き家を保有し続けるなら、最低限の維持管理(除草・清掃・換気)が必要です。
2026年3月現在、空き家特措法の運用が強化され、以下の変化が生じています。
(出典:青山地所「空き家対策特措法2026年運用強化」、データ取得日:2026-05-31)
相続した実家の対処で後悔しないために、専門家が共通して指摘する「やってはいけないこと」を理解しておきましょう。
共有名義は実家相続で最も多い失敗パターンです。「公平に分けたい」という気持ちから安易に共有名義を選ぶと、以下のトラブルが発生します。
不動産取引の現場では「共有名義になった実家を30年後に売ろうとしたら共有者が10人以上になっていた」という事例があります。共有名義を避け、遺産分割協議で特定の相続人が単独で取得するか、売却して現金分割するのが原則です。
2024年4月から相続登記が義務化されました。相続を知った日から3年以内に登記申請を行わないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。名義変更が未了の不動産は売却・担保設定もできません。まず司法書士に依頼して相続登記を完了させることが最優先です。
「遠方にあるから管理が大変」という理由で完全放置すると、特定空家への指定→固定資産税大幅増税のリスクがあります。最低でも月1回程度の換気・年2回程度の除草・雨漏りなどの早期対処が必要です。管理が難しい場合は地元の不動産会社に管理委託(月数千〜1万円程度)を依頼することも選択肢です。
「早く処分したい」という気持ちから相場を調べずに売却してしまい、市場価格より数百万円安く売ってしまうケースがあります。相続後はまず国土交通省「不動産情報ライブラリ」や複数の不動産会社への査定で相場を把握してから売却活動を始めましょう。また、焦って買取業者に即売りしてしまうと仲介売却と比べて数十〜数百万円安くなるケースが多いです。時間的余裕があれば仲介売却を選び、じっくりと買主を探すことをおすすめします。
実家を賃貸に出すことを検討している場合は、事前に収支計算と管理体制を整えることが重要です。
空室期間・大規模修繕・入居者トラブルのリスクを加味すると、実際の手取りはさらに減少します。収支計算は慎重に行い、「賃貸に出すより売却した方が得」という判断も十分あり得ます。
重要な注意点として、賃貸に出してしまうと空き家特例(3,000万円控除)が使えなくなります。後から「やっぱり売却しようとしたが、賃貸に出したので特例が使えない」という失敗が後を絶ちません。売却を検討しているなら、賃貸に出す前に税理士に相談することを強くおすすめします。
相続した実家を売却する場合の流れと注意点を整理します。
実家の売却では「荷物の処分・清掃・片付け」も大きな課題です。遺品整理業者(費用:3〜30万円程度)の活用も検討しましょう。
2023年4月から「相続土地国庫帰属制度」が施行されました。一定の要件を満たした相続した土地を国に引き渡せる制度です。
「使い道のない山林・遠方の農地・誰も使わない土地」を相続してしまった場合の最後の手段として有効です。ただし、負担金の支払いが必要なため、まずは売却・賃貸・寄付を先に検討することをおすすめします。
実家を相続した後は以下の順序で手続きを進めることが基本です。
遠方の実家の管理が難しい場合は、地元の不動産会社に管理委託を依頼することをおすすめします。月数千〜1万円程度で換気・確認・清掃を代行してもらえます。また、売却や賃貸の判断を早めに下すことで、長期間の管理費用を節約できます。相続登記は司法書士にオンライン相談・委任状で対応できるケースもあります。
2027年12月31日が適用期限です(2024年改正により延長)。ただし、要件を満たす必要があるため、相続日から3年を経過する年の年末(例:2025年5月に相続した場合は2028年12月31日)までに売却を完了させる必要があります。適用要件に合致するかは税理士や国税庁の窓口に確認することをおすすめします。
共有名義の不動産を売却するには共有者全員の同意と署名・押印が必要です。一人でも反対すると売却できません。全員が売却に同意している場合は、共有名義のまま売却することが可能です。万が一合意できない場合は「共有物分割請求訴訟」という法的手段もありますが、時間と費用がかかります。早期の話し合いと専門家(弁護士・司法書士)への相談をおすすめします。
相続放棄の手続きは、相続を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てる必要があります。相続放棄をすると、プラスの財産(現金・有価証券等)もマイナスの財産(借金・管理費等)もすべて相続しないことになります。実家だけを放棄することは原則できません(特定物の放棄は不可)。ただし、「相続財産の清算人を選任して処理する」という方法もあるため、弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。
相続登記は自分で手続きすることも可能です(法務局への書類提出)。ただし、必要書類の収集(戸籍謄本・遺産分割協議書・固定資産評価証明書等)が煩雑で、ミスがあると再申請が必要になります。費用節約のために自分で行うこともできますが、複数の相続人・複雑な相続の場合は司法書士(費用:5〜15万円程度)に依頼することをおすすめします。法務局の「自筆証書遺言書保管制度」や司法書士への依頼方法については地域の司法書士会に相談窓口があります。
固定資産税が払えない場合は、まず市区町村の税務課に相談して分割払い・猶予の手続きを取ることが第一歩です。長期間の滞納は延滞税の発生・財産の差し押さえのリスクがあります。根本的な解決は実家の売却・賃貸・相続土地国庫帰属制度の活用です。「払えないから放置」というのが最も危険なパターンです。管理不全空き家に指定されると固定資産税がさらに増加するリスクがあります。
実家の相続は感情的な問題も絡む複雑な手続きです。悲しみが癒えない中でも時間的制限(相続税申告10ヶ月・相続登記3年・空き家特例の期限等)があるため、できるだけ早めに行動を始めることが重要です。「まだ大丈夫」と先送りにすると、固定資産税の増税・過料・兄弟トラブルのリスクが高まります。本記事を参考に、できるだけ早めに対応を始めてください。相続した実家の売却方法については相続した不動産の売却方法|手続きの流れと税金対策もご参照ください。二世帯住宅という選択肢については二世帯住宅のメリット・デメリット|完全分離型の費用と相続税節税も参考になります。実家相続は「相続人全員での早期合意・専門家への相談・税制特例の活用」の3点が成功の鍵です。
詳しい売却手続きや税金については、専門家(不動産会社・税理士・司法書士)に相談することをおすすめします。自分だけで判断せず、早めに専門家の知恵を借りることが実家相続を成功させる最大のポイントです。不動産売却の全般的な流れについては不動産売却の流れ完全ガイド|仲介と買取の違いを徹底比較もご覧ください。
2026年は相続関連の法改正が相次いでおり、「後回し」にするほどリスクが高まる時代です。本記事を活用して、相続した実家の最適な処分・活用を実現させてください。