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「家賃が高い都心を離れて郊外に引っ越したのに、今度は郊外の家賃まで上がり始めている」——2026年6月、首都圏の賃貸市場でまさにこの現実が静かに広がっています。東京23区のシングル向きマンション賃料は20カ月以上にわたり連続で過去最高値を更新し続け、その波が今、神奈川・千葉・埼玉の郊外エリア全域に及んでいます。東京23区・神奈川・千葉・埼玉のすべてで、2015年以降の過去最高値を記録しています。
この記事でわかること

2026年3月のシングル向きマンション賃料(首都圏・全面積帯)は、いずれのエリアも2015年1月以降の過去最高値を記録しました(出典:LIFULL HOME'S PRESS・朝日化成 賃貸市場動向)。
エリア | シングル向き平均家賃(2026年3月) |
|---|---|
東京23区 | 111,922円 |
神奈川県 | 78,222円 |
千葉県 | 74,459円 |
埼玉県 | 67,526円 |
東京都下 | 63,637円 |
東京23区のシングル向き賃料は11万円台に突入し、神奈川・千葉・埼玉もそれぞれ7万円台後半〜6万円台後半と過去最高圏内で推移しています。特に注目すべきは、これまで比較的落ち着いていた郊外3県(神奈川・千葉・埼玉)も軒並み最高値を更新しているという事実です。
賃料上昇が郊外に広がるメカニズムを、不動産市場の専門家は「玉突き型の需要移動」と説明しています。
在宅ワークの再評価(コロナ後の定着)も郊外需要を後押しています。「週3日在宅なら多少遠くても広い部屋がいい」という需要が郊外の一定グレードの物件に集中し、局所的な賃料押し上げ圧力となっています。

郊外の賃料上昇は「すべての物件が一斉に値上がりしている」わけではありません。上昇の恩恵を受けているのは特定条件の物件に集中しています。
上昇しやすい物件の条件:
影響が限定的な物件:
このため、郊外賃貸市場は「好条件物件の賃料が上昇する一方、旧来物件は据え置きのまま」という二極化が進行しています。引っ越しを検討する際は「郊外だから安い」ではなく、具体的な物件の築年数・駅距離・間取りで判断することが重要です。

東京23区から郊外へ引っ越した場合の家賃節約効果を試算してみましょう。
東京23区(111,922円)→ 神奈川県(78,222円)に引っ越した場合、家賃差額は月33,700円です。年間に換算すると404,400円の節約になります。
ただし、通勤コストの増加も考慮が必要です。横浜から新宿まで定期代が月1万円増える場合、実質的な節約は月約23,700円(年284,400円)。さらに引越し費用・敷金礼金・生活コストの変化を加味すると、損益分岐点に到達するまで1〜2年かかるケースも少なくありません。
また、当初は安かった郊外の家賃が今後さらに上昇する可能性もあります。「今は安いから引っ越す」という判断が、1〜2年後には通用しなくなるリスクも念頭に置いておきましょう。住宅ローンでの持ち家取得を視野に入れる場合は、住宅ローンの頭金はいくら必要?も参考にしてください。
2026年6月時点の首都圏賃貸市場のポイントをまとめると次のとおりです。
「賃貸継続・郊外引越し・購入」の3択は、それぞれメリット・デメリットが異なります。現在の家賃水準と今後の市場動向を踏まえた上で、ご自身の生活スタイルに合った選択を検討してみてください。