読み込み中...
読み込み中...
不動産購入は、資金計画から引き渡しまで8つのステップで進みます。中古なら3〜6か月、未完成の新築マンションや注文住宅では1〜2年かかり、お金が動くのは申込・契約・決済の3回です。
この記事でわかること
「家を買いたいけれど、何から始めればいいかわからない」——初めての不動産購入では、手順そのものが見えないことが最大の不安になります。しかも購入は、自分のペースだけでは進みません。売主の都合、金融機関の審査、司法書士や引っ越し業者のスケジュールが絡み、順序を間違えると希望の物件を逃したり、契約後に融資が下りず解除になったりします。この記事では、全体の時刻表として8ステップの流れ・期間・期限を整理します。

不動産購入の流れは、大きく「探す→決める→借りる→引き渡す」の4フェーズに分けられます。この4フェーズを8つのステップに分解したものが、購入手続きの全体像です。まず全体を1枚で押さえてから、各ステップの詳細に進みましょう。
4つのフェーズは、それぞれ主導権を握る相手が違います。ここを理解しておくと、スケジュールが読みやすくなります。
初めての方がつまずくのは、「探すフェーズは自由に長くできるが、決めるフェーズ以降は自分の都合で動かせない」という点です。物件を見つけてから引き渡しまでは、中古でおおむね2〜3か月。この期間は圧縮できないと考えておくと、スケジュールの見立てを誤りません。
なお、そもそも買うべきか借り続けるべきかで迷っている段階なら、賃貸vs持ち家はどちらがお得?生涯コスト比較と2026年の答えを先にご覧ください。今の住まいを売って買い替える場合は、売却と購入を同時に進める必要があるため住み替え完全ガイド|売り先行・買い先行と費用・税金が参考になります。
中古物件を標準としたモデルです。各ステップで「何を持っていくか」まで先に把握しておくと、書類の取得漏れで日程がずれる事態を防げます。
STEP | やること | 所要期間の目安 | 主な必要書類 | お金の動き |
|---|---|---|---|---|
1 | 資金計画と条件整理 | 2週間〜1か月 | 源泉徴収票、預金残高がわかるもの | なし |
2 | 物件情報の収集と内見 | 1〜3か月 | 本人確認書類 | なし |
3 | 買付申し込み(購入申込書の提出) | 即日〜数日 | 購入申込書、本人確認書類 | 原則なし |
4 | 住宅ローン事前審査 | 3日〜1週間 | 源泉徴収票、本人確認書類、物件資料 | なし |
5 | 重要事項説明・売買契約 | 申込から1〜2週間後 | 実印、本人確認書類、収入印紙 | 1回目:手付金・印紙税・仲介手数料の一部 |
6 | 住宅ローン本審査・金銭消費貸借契約 | 2〜4週間 | 住民票、印鑑証明書、売買契約書の写し | なし |
7 | 決済・引き渡し | 当日1〜2時間 | 実印、印鑑証明書、住民票、通帳、届出印 | 2回目:残代金・登記費用・仲介手数料の残額 |
8 | 入居・入居後の手続き | 引き渡し後1〜2週間+翌年 | 登記識別情報通知、確定申告の書類 | 3回目:引っ越し費用、後日届く不動産取得税 |
この表を見て意外に思われるのが、STEP1からSTEP4までは1円も支払いが発生しないことです。物件を探し、内見し、買付を出し、ローンの事前審査まで進んでも、費用はかかりません。本当の意味で後戻りできなくなるのはSTEP5の売買契約からです。
購入で支払いが発生するのは、契約時・決済時・入居後の3回です。それぞれの性格が違います。
とくに見落とされやすいのが、契約時のお金は手元の現金から出す必要があるという点です。融資の実行は決済日なので、それより前に必要なお金はローンでまかなえません。それぞれの金額の目安と内訳は不動産購入の諸費用はいくら?内訳と相場・節約術【2026】で、購入時にかかる税金の種類は不動産購入の税金まとめ|不動産取得税・固定資産税・登録免許税の節税法で解説しています。

同じ「家を買う」でも、所要期間は物件によって大きく変わります。中古なら3〜6か月、未完成の新築マンションは6か月〜2年、注文住宅は1〜2年。期間を決めている最大の要因は、その建物がすでに完成しているかどうかです。
物件種別 | 探す期間 | 申込〜契約 | 契約〜決済 | 決済〜入居 | 合計の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
中古マンション・中古戸建て | 1〜3か月 | 1〜2週間 | 1〜1.5か月 | 2週間 | 3〜6か月 |
新築建売住宅(完成済み) | 1〜2か月 | 1週間 | 1か月 | 2週間 | 3〜4か月 |
新築マンション(完成済み) | 1か月 | 1〜2週間 | 1か月 | 2週間 | 2〜3か月 |
新築マンション(未完成・青田買い) | 1〜2か月 | 1〜2週間 | 竣工待ち6〜24か月 | 2週間〜1か月 | 6か月〜2年 |
注文住宅(土地から探す) | 土地探し3〜6か月 | 設計3〜6か月 | 建築4〜8か月 | 1か月 | 1〜2年 |

中古物件はすでに建物が存在するため、契約から引き渡しまでが最短です。売主が居住中の場合は引っ越しの都合で1〜2か月待つこともありますが、空室であれば契約から1か月ほどで決済できます。
期間の幅を生むのは物件探しのフェーズです。条件が明確で決断が早い人は1か月で決まりますが、「もう少し良い物件があるかも」と探し続けると半年以上かかることも珍しくありません。探す期間の長短が、そのまま総所要期間の差になります。
物件種別ごとの具体的な進め方は、中古マンション固有の確認ポイントと中古一戸建て購入完全ガイド|費用・注意点・リノベーションで解説しています。
完成済みの新築物件は、中古と同じく現物を見て買えるため期間が読みやすい種別です。新築建売は3〜4か月、完成済みの新築マンションは2〜3か月が目安になります。
ただし建売住宅では、契約時点で建物が完成していないケース(建築確認は取得済みだが工事中)もあります。この場合は竣工予定日と引き渡し予定日を契約書で必ず確認します。工事の遅れで引き渡しがずれると、入居予定日と引っ越しの手配が連動して狂います。建売と注文住宅の違いは戸建て・建売・分譲・注文住宅の違い|用語をやさしく解説で整理しています。
いわゆる青田買いです。モデルルームで契約し、竣工を待って引き渡しを受けるため、契約から入居まで半年から2年かかります。人気物件では竣工の2年前から販売が始まることもあります。
注意すべきは、この期間中に金利が変わる可能性があることです。ローンの本審査と金銭消費貸借契約は引き渡しの1〜2か月前に行うため、契約時に想定した金利と実際に適用される金利がずれることがあります。長期の待ち時間がある場合は、金利上昇のシナリオも見込んで資金計画を立てておくと安全です。金利タイプの選び方は変動金利と固定金利はどっちが得かをご覧ください。
最も時間がかかるのが、土地を探して家を建てるパターンです。土地探しに3〜6か月、設計の打ち合わせに3〜6か月、着工から竣工まで4〜8か月。合計で1〜2年を見込みます。
土地の購入と建物の建築で契約が分かれ、資金の実行時期も複数回に分かれるため、手続きの複雑さは他の種別と比べて格段に上がります。土地購入の実務は土地購入の完全ガイド|流れ・注意点・費用を徹底解説で詳しく扱っています。

「4月に入居したい」という希望がある場合、逆算すると動き出すべき時期が決まります。当サイトで標準的な所要期間を積み上げたところ、4月入居なら、中古で前年11月、注文住宅では前々年1月に動き出す必要があることがわかりました。
物件種別 | 標準期間 | 4月入居 | 9月入居 | 12月入居 |
|---|---|---|---|---|
中古マンション・中古戸建て | 5か月 | 前年11月 | 4月 | 7月 |
新築建売住宅(完成済み) | 4か月 | 前年12月 | 5月 | 8月 |
新築マンション(完成済み) | 3か月 | 1月 | 6月 | 9月 |
新築マンション(未完成) | 12か月 | 前年4月 | 前年9月 | 前年12月 |
注文住宅(土地から) | 15か月 | 前々年1月 | 前年6月 | 前年9月 |
※当サイトが標準的な所要期間を積み上げて作成。物件・金融機関・売主の事情によって変動します。
この表からわかるのは、子どもの入学に合わせて4月入居を目指すなら、注文住宅は2年以上前から動き出す必要があるということです。「来年の春に引っ越したい」と考えて秋に相談を始めた場合、選べるのは中古か完成済みの物件に限られます。
3月末の引き渡しは1年で最も集中します。入学・入社・転勤が重なるため、買う側だけでなく、売る側・引っ越し業者・金融機関・司法書士のすべてが繁忙期に入ります。実務では次のような影響が出ます。
対策はシンプルで、決済日を3月中旬までに設定するか、思い切って4月以降にずらすことです。1〜2週間ずらすだけで、引っ越し費用も手配のしやすさも大きく変わります。年度末にこだわる理由が「4月1日から新生活」という点だけであれば、いったん短期の仮住まいを挟む選択も検討する価値があります。

最初にやるのは物件探しではなく予算の確定です。国土交通省の調査によると、分譲戸建を買った世帯の自己資金は中央値100万円、借入は4,000万円。「頭金は物件価格の2割」という通説と、実際の姿にはかなりの開きがあります。
国土交通省の住宅市場動向調査(令和7年度・2026年7月公表)は、2024年4月〜2025年3月に住宅を取得した世帯の資金調達を調べたものです。住宅の種類ごとの実態は次のとおりです。
住宅の種類 | 購入資金(平均) | 自己資金 | 借入金 | 自己資金比率 | 購入資金の中央値 |
|---|---|---|---|---|---|
注文住宅(土地購入・新築) | 7,646万円 | 2,305万円 | 5,342万円 | 30.1% | 5,100万円 |
分譲戸建住宅 | 5,099万円 | 1,363万円 | 3,735万円 | 26.7% | 4,600万円 |
分譲集合住宅(新築マンション) | 6,443万円 | 2,573万円 | 3,870万円 | 39.9% | 5,500万円 |
既存(中古)戸建住宅 | 2,966万円 | 1,130万円 | 1,836万円 | 38.1% | 2,650万円 |
既存(中古)集合住宅 | 3,321万円 | 1,329万円 | 1,992万円 | 40.0% | 2,750万円 |
※出典:国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査」。注文住宅・既存(中古)住宅は全国、分譲住宅は三大都市圏が調査対象です。

平均値は一部の高額な取得者に引っ張られるため、実態に近いのは中央値です。中央値でみると、分譲戸建は購入資金4,600万円のうち自己資金100万円・借入4,000万円、既存(中古)集合住宅は2,750万円のうち自己資金700万円・借入1,500万円。多くの世帯が、手元資金を大きく取り崩さずに購入していることがわかります。
一方で、自己資金比率が高いのは注文住宅の建て替え(51.5%)です。これは前の住宅の売却代金や退職金が入るためで、買い替えか初めての購入かで資金構成はまったく違うことを示しています。自分がどのパターンかを最初に見極めてください。
予算を決める作業でやるべきことは、①手元にいくら現金があるか ②そのうち購入に使えるのはいくらか ③毎月いくらまで返済に回せるか の3点の確認です。手元資金を全額投入すると、購入後の予備費がなくなります。引っ越し費用や家具家電、後日届く不動産取得税の支払いを見込んだうえで残す金額を決めましょう。借入可能額の考え方や審査で見られる条件は住宅ローン審査に通る条件と落ちた場合の対処法2026、ローン商品の選び方は住宅ローンの全体像(ピラー記事)で確認できます。
情報収集はインターネットが中心です。同じ調査では、インターネットを通じた情報収集を行った世帯は中古集合住宅で76.5%、注文住宅で76.2%と、いずれも4分の3を超えています。
実務でのポイントは、ネットに出ている情報だけで判断しないことです。物件資料(マイソク)には記載のルールがあり、読み方を知っていると現地に行く前に絞り込めます。資料の見方はマイソクの見方完全ガイド|不動産広告用語をやさしく解説で解説しています。
内見では、その物件そのものだけでなく周辺環境と時間帯による変化を確認します。平日と休日、昼と夜で印象が変わる立地は少なくありません。建物の状態をどう見るか、どんな物件を避けるべきかは買ってはいけない中古住宅の見分け方|危険サイン12選、災害リスクの調べ方は不動産購入前に必ず確認!ハザードマップの読み方と災害リスクの見極め方にまとめています。
物件を見始めると判断基準がぶれます。探し始める前に、次の3つを言語化しておくと迷いが減ります。
3つ目については、当サイトの東京都の地価推移・最新地価情報のように、都道府県別・市区町村別の地価水準を事前に確認できます。検討エリアの相場観を持っておくと、内見の段階で判断が速くなります。物件の資産性を左右する条件は資産価値が落ちない物件の選び方|7つの条件を徹底解説で扱っています。

気に入った物件が見つかったら、購入申込書(買付証明書)を提出します。この書類に法的な拘束力はなく、撤回しても違約金は発生しません。ただし事前審査を先に通していないと、買付は後回しにされます。順序が結果を左右する場面です。
購入申込書(買付証明書)は、「この価格で買いたい」という意思を売主に伝える書面です。記載するのは購入希望価格、手付金の額、契約希望日、引き渡し希望日、住宅ローン利用の有無などです。
重要なのは次の2点です。
申込証拠金を求められる場合がありますが、これは預り金であり、契約に至らなければ返還されるのが原則です。受領書を必ず受け取ってください。なお購入価格の交渉をどう進めるかはマイホーム購入の値引き交渉術|相場・タイミング・成功のコツで詳しく扱っています。
住宅ローンの事前審査(仮審査)は3日〜1週間で結果が出ます。金融機関が申込者の年収・勤務先・借入状況などから、いくらまで貸せるかを判断する手続きです。
タイミングとして正しいのは、物件を探し始めた早い段階、遅くとも買付を出す前です。理由は2つあります。1つは自分の借入可能額がわからないまま物件を見ても、予算が定まらないこと。もう1つは、売主が買主を選ぶとき、事前審査の通過が判断材料になることです。
近年はオンラインでの申し込みも広がっており、同調査ではオンラインでの住宅ローン審査を利用した世帯は注文住宅で15.4%、中古集合住宅で13.5%となっています。審査で見られる条件や落ちた場合の対処は住宅ローン審査に通る条件と落ちた場合の対処法2026を参照してください。
実務でよく見るのが、次の2つの失敗です。
正しい順序は「事前審査 → 物件の絞り込み → 買付 → 契約」です。この順番を守るだけで、購入プロセスの躓きの多くは避けられます。

売買契約は購入プロセスの分岐点です。ここから先は、解除に費用がかかります。重要事項説明は契約の直前ではなく、数日前に書面を受け取って目を通しておくのが安全です。当日に初めて読むと、内容を検討する時間がありません。
重要事項説明は、宅地建物取引士が契約前に行う法定の手続きです。物件の権利関係や法令上の制限、契約解除の条件などが説明されます。以下は、疑問があればその場で止めて確認すべき項目です。
確認する項目 | 見るポイント | 疑問があれば相談する相手 |
|---|---|---|
登記記録の権利関係 | 売主以外の名義や抵当権が残っていないか、決済時に抹消されるか | 宅地建物取引士・司法書士 |
法令上の制限 | 用途地域、建ぺい率・容積率、再建築の可否 | 宅地建物取引士・行政の建築窓口 |
接道状況 | 敷地が接する道路の種類と幅員、セットバックの要否 | 宅地建物取引士 |
インフラの整備状況 | 上下水道・ガスの引き込み、私道負担の有無 | 宅地建物取引士 |
管理・修繕(マンション) | 修繕積立金の総額、大規模修繕の予定、滞納の有無 | 管理会社・宅地建物取引士 |
契約解除に関する事項 | 手付解除の期限、ローン特約の期限と条件、違約金の額 | 宅地建物取引士 |
告知事項・容認事項 | 心理的瑕疵、近隣の計画、騒音など「承知のうえで買う」とされる事項 | 宅地建物取引士 |
とくに注意したいのが容認事項です。「隣地に建築計画がある」「上階の排水音が聞こえる場合がある」といった内容が記載されていると、買主はそれを承知したうえで購入したという扱いになります。読み飛ばさず、意味がわからない記載はその場で説明を求めてください。
登記や権利関係の用語は抵当権・根抵当権とは?不動産登記の担保権を完全解説、接道や再建築不可の考え方は接道義務・セットバック・再建築不可とは|土地の道路ルール、契約書に出てくる用語は不動産売買の契約書用語15選|重要事項説明書・瑕疵担保責任・手付金を解説で確認できます。建物の状態を専門家に調べてもらう選択肢についてはインスペクション(建物状況調査)とは?費用・流れ・注意点を完全解説をご覧ください。
契約当日は、重要事項説明のあとに売買契約書の読み合わせを行い、署名押印して手付金を渡します。所要時間は2〜3時間が一般的です。
持ち物 | 用途・注意点 |
|---|---|
実印(または認印) | 契約書の押印。共有名義なら全員分が必要 |
本人確認書類 | 運転免許証やマイナンバーカード |
手付金 | 現金または預金小切手。振込の場合は着金の確認が必要なため事前に段取りする |
収入印紙 | 契約書に貼付。金額は契約金額による。仲介会社が用意する場合もある |
仲介手数料(一部) | 契約時に半額を支払う契約が多い |
手付金は現金で用意することが多く、金融機関のATMには1日の引き出し限度額があるため、前日までに窓口で準備しておきます。振込にする場合も、当日の着金確認が取れる時間帯かどうかを事前に確認してください。それぞれの金額の目安は不動産購入の諸費用はいくら?内訳と相場・節約術【2026】で解説しています。
共有名義で購入する場合は、持分割合を契約前に決めておく必要があります。出資割合と持分がずれると贈与とみなされる可能性があるため、夫婦や親子で購入する場合はとくに注意が必要です。
売買契約を結んだら、住宅ローンの本審査に進みます。結果が出るまで2〜4週間。事前審査より審査項目が増え、団体信用生命保険の加入審査(健康状態の告知)も行われます。
ここで注意したいのが、事前審査に通っていても本審査で落ちることがあるという点です。典型的なのは次のケースです。
事前審査から決済までの数か月間は、大きな買い物や借入を控えるのが鉄則です。団信の種類や引受条件は住宅ローンの団体信用生命保険(団信)とは?種類・違い・選び方を解説、団信の加入が難しい場合の選択肢としてのフラット35はフラット35とは?2026年最新金利と変動・固定との徹底比較で扱っています。
本審査に通過したら、金融機関と金銭消費貸借契約(金消契約)を結びます。この契約で借入額・金利・返済期間が確定し、融資の実行日=決済日が決まります。

決済は1〜2時間で終わる一発勝負です。金融機関の応接室に買主・売主・不動産会社・司法書士が集まり、その場で残代金を支払い、鍵と書類を受け取り、所有権が移ります。やり直しがきかないため、当日の段取りを事前に把握しておくことが重要です。
参加者 | 役割 | 持ち物 |
|---|---|---|
買主(あなた) | 残代金の支払い、書類への署名押印 | 実印、印鑑証明書、住民票、通帳と届出印、本人確認書類 |
売主 | 物件の引き渡し、抵当権の抹消手続き | 権利証(登記識別情報)、実印、印鑑証明書、鍵 |
司法書士 | 本人確認、登記書類の確認、法務局への申請 | 登記申請書類一式 |
金融機関の担当者 | 融資の実行、振込の処理 | — |
不動産会社 | 全体の進行、精算金の計算 | 精算書、仲介手数料の請求書 |
当日の流れは次のように進みます。
実務で押さえておきたいのは、決済は平日の午前中に設定されることが多いという点です。金融機関の営業時間内に振込と着金確認を終える必要があるためで、午後遅い時間は避けられます。仕事を休む前提でスケジュールを組んでおきましょう。
また新築物件では、決済の前に内覧会(施主検査)があります。傷や施工不良を指摘し、引き渡しまでに是正してもらう機会です。指摘した項目がいつまでに直るのかを書面で確認し、直っていない状態で引き渡しを受けないようにします。
鍵を受け取って終わりではありません。期限のある手続きが続きます。
住宅ローン控除は、国税庁のタックスアンサーのとおり、控除を受ける最初の年分は確定申告が必要で、給与所得者の2年目以降は年末調整で適用を受けられます。2年目以降に使う「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」は、初年度の確定申告後に残りの控除年数分がまとめて送られてきます。控除額や適用要件は住宅ローン減税2026年最新版|控除額・申請手順・改正ポイントで確認してください。
購入の手続きで求められる書類を、使う場面ごとにまとめました。印鑑証明書と住民票は発行から3か月以内という期限があるため、取りに行くタイミングを間違えると再取得になります。
書類 | 使う場面 | 取得先 | 注意点 |
|---|---|---|---|
源泉徴収票 | 事前審査・本審査 | 勤務先 | 金融機関により直近1〜3年分。自営業は確定申告書の写し |
本人確認書類 | 全段階 | — | 運転免許証・マイナンバーカードなど。住所が現住所と一致しているか確認 |
住民票 | 本審査・登記 | 市区町村 | 発行から3か月以内。世帯全員・続柄記載を求められることがある |
印鑑証明書 | 契約・決済・登記 | 市区町村 | 発行から3か月以内。印鑑登録がまだなら先に登録が必要 |
実印 | 契約・決済 | — | 共有名義なら全員分。認印で足りる場面もあるため事前に確認 |
課税証明書・納税証明書 | 本審査 | 市区町村・税務署 | 対象年度を間違えやすい。金融機関の指定を確認する |
通帳と届出印 | 決済 | — | 融資実行と振込の手続きに使う |
収入印紙 | 契約 | 郵便局など | 契約金額で必要額が変わる。仲介会社が用意する場合もある |
引っ越しの手配は、決済日が確定してから行うのが原則です。融資実行が遅れて引き渡しがずれる可能性があるため、決済日が未確定のうちに引っ越し日を固定すると、キャンセル料が発生することがあります。
電気・ガス・水道は引き渡し日から使えるよう手続きします。ガスは開栓に立ち会いが必要なため、引っ越し当日に予約を入れておきます。インターネット回線は開通まで2週間〜1か月かかることがあり、引き渡し日が決まった時点で申し込むのが安全です。

売買契約書には、期限つきの取り決めが複数含まれます。ローン特約の期限を過ぎると、融資が下りなくても手付金は戻らない——この構造を知らずに契約すると、想定外の損失につながります。契約後に効いてくる4つの期限を整理します。
期限の名前 | いつまで | 過ぎるとどうなるか | 守るための行動 |
|---|---|---|---|
ローン特約(融資利用の特約)の期限 | 契約書に定めた日(契約から1か月前後が多い) | 期限内に融資が承認されなかった場合の白紙解除ができなくなる。解除するには手付金の放棄や違約金が必要になることがある | 契約後すぐに本審査を申し込む。審査が長引く見込みなら期限が来る前に延長を申し入れる |
手付解除の期限 | 相手方が契約の履行に着手するまで(契約書で期日を定めることが多い) | 買主は手付金を放棄しても解除できなくなり、違約金(売買代金の10〜20%が一般的)の対象になる | 迷いがある状態で契約しない。解除する可能性があるなら期限前に判断する |
引き渡し猶予・買い替え特約の期限 | 契約書で定めた日 | 売主の引っ越しが間に合わない、または自宅の売却が成立しないまま期限が来ると、契約条件の再交渉や解除に発展する | 住み替えでは売却と購入の期限を必ず連動させる |
住宅ローン控除の申請期限 | 入居した翌年の確定申告期間 | 申告しなければ控除は受けられない(還付申告は後からでも可能な場合がある) | 入居年内に必要書類をそろえ、翌年の申告時期に手続きする |
このうち実務で最も問題になるのがローン特約です。融資利用の特約は「期限内に金融機関の承認が得られなかった場合、契約を白紙に戻せる」という買主を守る条項ですが、期限を1日でも過ぎると保護が働きません。本審査に2〜4週間かかることを踏まえると、契約から1か月という期限は決して余裕のある設定ではありません。
また、ローン特約は「申し込んだ金融機関で否認された場合」に限定されているのが通常です。自己都合で申し込みを遅らせた、条件の悪い金融機関しか申し込まなかった、といった場合は適用されないことがあります。契約書のどこに、どの条件で書かれているかを、重要事項説明のときに必ず確認してください。
4つの期限はいずれも売買契約書と重要事項説明書に記載されています。契約日にその場で読むのではなく、数日前に写しをもらって目を通し、疑問点をメモしておく——これが最も効果的な自衛策です。

不動産取引のオンライン化は制度としては整っています。2022年5月の宅地建物取引業法の改正により、重要事項説明書等の電磁的方法による提供とIT重説が可能になりました。ただし実際の利用率は物件種別で大きく違います。
項目 | 注文住宅 | 中古集合住宅 | 中古戸建住宅 |
|---|---|---|---|
インターネットを通じた情報収集 | 76.2% | 76.5% | 74.7% |
問い合わせ・内見等の申込み | 37.6% | 43.5% | 27.7% |
電子署名等を活用した電子契約 | 27.1% | 11.6% | 3.6% |
オンラインでの住宅ローン審査 | 15.4% | 13.5% | 6.7% |
オンラインでの重要事項説明(IT重説) | 15.6% | 5.8% | 2.0% |
※出典:国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査」(複数回答)。注文住宅は全国、中古住宅は全国が調査対象です。
情報収集はほぼ全員がインターネットを使う一方、契約の電子化は注文住宅で27.1%に対し、中古戸建てでは3.6%。IT重説も注文住宅15.6%に対して中古戸建ては2.0%にとどまります。ハウスメーカーのように体制を整えた事業者では進んでいる一方、地域の仲介会社が扱う中古取引では、まだ対面が主流というのが実態です。
IT重説を希望する場合は、次の準備が必要です。
一方で、オンラインでは完結しない部分もあります。決済当日の司法書士による本人確認、鍵の受け渡し、現物の確認は対面が原則です。「すべてリモートで買える」わけではないことは押さえておきましょう。
物件の種類で大きく変わります。中古マンション・中古戸建ては3〜6か月、新築建売は3〜4か月、完成済みの新築マンションは2〜3か月が目安です。未完成の新築マンション(青田買い)は6か月〜2年、土地から探す注文住宅は1〜2年かかります。期間の幅を生むのは物件探しのフェーズで、契約から引き渡しまでは中古で1〜1.5か月とほぼ固定です。
物件探しより先に予算の確定です。手元の現金のうち購入に使える額と、毎月返済に回せる額を決め、住宅ローンの事前審査を受けます。借入可能額がわからないまま物件を見ても判断ができず、気に入った物件が見つかっても他の買主に先を越されます。事前審査 → 物件の絞り込み → 買付 → 契約の順序を守ってください。
実際に多くの世帯が少ない自己資金で購入しています。国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査」によると、分譲戸建住宅を取得した世帯の自己資金は中央値100万円(購入資金の中央値4,600万円・借入4,000万円)でした。ただし契約時の手付金と諸費用は住宅ローンより先に支払うため、契約日までに使える現金は必ず必要です。
購入申込書(買付証明書)に法的な拘束力はなく、撤回しても原則として違約金は発生しません。申込証拠金を預けていた場合も、契約に至らなければ返還されるのが原則です。ただし売買契約を結んだ後は話が別で、手付解除の期限内なら手付金を放棄して解除、期限を過ぎると違約金の対象になります。
物件を探し始めた早い段階、遅くとも買付を出す前です。結果は3日〜1週間で出ます。事前審査を通しておくと自分の予算が確定するうえ、売主が複数の申込みから買主を選ぶ際に有利に働きます。人気物件では、事前審査を通していない申込みが後回しにされることは珍しくありません。
売買契約書のローン特約(融資利用の特約)の期限内であれば、契約を白紙に戻して手付金の返還を受けられます。ただし期限を過ぎると保護は働かず、解除には手付金の放棄や違約金が必要になることがあります。本審査には2〜4週間かかるため、契約後はすぐに申し込み、間に合わない見込みなら期限の延長を申し入れてください。
段階ごとに変わります。事前審査では源泉徴収票・本人確認書類・物件資料、契約では実印・本人確認書類・収入印紙、本審査では住民票・印鑑証明書・売買契約書の写し、決済では実印・印鑑証明書・住民票・通帳と届出印が必要です。印鑑証明書と住民票には有効期限(発行から3か月以内が一般的)があるため、取得のタイミングに注意してください。
当サイトの逆算では、中古なら前年11月、新築建売なら前年12月、完成済みの新築マンションなら1月に動き出す必要があります。土地から探す注文住宅では前々年1月です。3月末の引き渡しは1年で最も混み合い、引っ越し業者や金融機関の枠が埋まりやすいため、決済日を3月中旬までに設定すると安全です。
不動産購入でつまずく原因の多くは、知識の不足ではなく順序と期限の見落としです。事前審査を先に通し、契約書を早めに読み、期限を手帳に書き出しておく——この3つを守るだけで、防げるトラブルは大きく減ります。物件種別を決めたらマンションか一戸建てか|実取引データで見る価格・広さの違いと選び方や新築マンションvs中古マンション|2026年の損得を徹底比較で絞り込み、資金面は不動産購入の諸費用はいくら?内訳と相場・節約術【2026】で確認してください。今の住まいを売って買い替える場合は不動産売却の流れ完全ガイド|9ステップと期間・必要書類【2026】もあわせてご覧ください。契約内容や税金の判断に迷ったら、宅地建物取引士や税理士など専門家に相談したうえで進めることをおすすめします。