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マンションか一戸建てかは、同じ予算で「広さ」と「立地」のどちらを取るかで決まります。実際の取引データでは、戸建ての延床㎡単価はマンションの専有㎡単価のおおむね半分です。
この記事でわかること
「マンションか一戸建てか」は、住宅購入を決めた人がほぼ必ず立ち止まる分岐点です。しかし多くの解説は「それぞれに良さがある」で終わってしまい、判断の材料になりません。
そこで本記事では、国土交通省が公開している実際の不動産取引価格のデータを当サイトが集計し、マンションと戸建てが「いくらで・どれくらいの広さで」取引されているかを13都道府県分そろえました。感覚ではなく数字から判断できるように整理します。
なお、買うか借りるかで迷っている段階の方は、先に賃貸vs持ち家はどちらがお得?生涯コスト比較と2026年の答えをご覧ください。
※本記事は2026年8月21日時点の情報です。取引データは四半期ごとに更新されるため、年2回を目安に数値を見直しています。

結論を先に示します。2026年1〜3月に実際に取引された住宅を集計すると、次の3点がはっきりしました。
つまり、この選択は「マンションと戸建てのどちらが優れているか」ではなく、限られた予算を広さに使うか、立地に使うかという配分の問題です。
データを踏まえると、判断は次の2つの問いに集約できます。
この2つに答えが出れば、種別はほぼ決まります。詳しくはH2-8の判断フローで整理します。
「マンションか戸建てか」に関わるテーマは幅広いため、本記事では価格と広さ、そして買った後の決定権に絞ります。以下は専門の記事に譲ります。

当サイトが集計した国土交通省の実取引データによると、2026年1〜3月に取引された住宅の価格と面積の中央値は次のとおりです。
比較にあたって、マンションの「専有面積」と戸建ての「延床面積」は別の指標である点を先に押さえてください。専有面積は住戸内部の床面積、延床面積は建物の各階の床面積の合計です。戸建てにはこれに加えて土地が付きます。
マンション(中古マンション等・専有面積30㎡以上)
都道府県 | 価格の中央値 | 専有面積 | ㎡単価 | 取引件数 |
|---|---|---|---|---|
北海道 | 2,500万円 | 75㎡ | 32万円/㎡ | 134件 |
宮城県 | 2,100万円 | 65㎡ | 31万円/㎡ | 60件 |
埼玉県 | 2,400万円 | 65㎡ | 36万円/㎡ | 245件 |
千葉県 | 2,500万円 | 70㎡ | 38万円/㎡ | 189件 |
東京都 | 5,600万円 | 60㎡ | 103万円/㎡ | 735件 |
神奈川県 | 3,100万円 | 65㎡ | 50万円/㎡ | 598件 |
静岡県 | 2,000万円 | 70㎡ | 25万円/㎡ | 65件 |
愛知県 | 2,300万円 | 75㎡ | 33万円/㎡ | 216件 |
京都府 | 2,500万円 | 62㎡ | 38万円/㎡ | 122件 |
大阪府 | 2,800万円 | 65㎡ | 44万円/㎡ | 646件 |
兵庫県 | 2,500万円 | 70㎡ | 36万円/㎡ | 341件 |
広島県 | 2,300万円 | 65㎡ | 31万円/㎡ | 50件 |
福岡県 | 2,300万円 | 70㎡ | 34万円/㎡ | 150件 |
戸建て(宅地・土地と建物・延床面積50〜200㎡)
都道府県 | 価格の中央値 | 延床面積 | 土地面積 | ㎡単価 | 取引件数 |
|---|---|---|---|---|---|
北海道 | 1,000万円 | 110㎡ | 220㎡ | 8万円/㎡ | 542件 |
宮城県 | 2,100万円 | 105㎡ | 210㎡ | 18万円/㎡ | 185件 |
埼玉県 | 2,500万円 | 100㎡ | 130㎡ | 24万円/㎡ | 693件 |
千葉県 | 2,000万円 | 100㎡ | 160㎡ | 18万円/㎡ | 590件 |
東京都 | 5,200万円 | 95㎡ | 100㎡ | 55万円/㎡ | 550件 |
神奈川県 | 4,000万円 | 100㎡ | 125㎡ | 40万円/㎡ | 784件 |
静岡県 | 1,500万円 | 105㎡ | 200㎡ | 13万円/㎡ | 410件 |
愛知県 | 2,900万円 | 105㎡ | 150㎡ | 27万円/㎡ | 550件 |
京都府 | 2,000万円 | 90㎡ | 100㎡ | 20万円/㎡ | 287件 |
大阪府 | 2,000万円 | 100㎡ | 90㎡ | 19万円/㎡ | 793件 |
兵庫県 | 1,900万円 | 100㎡ | 135㎡ | 17万円/㎡ | 446件 |
広島県 | 1,500万円 | 105㎡ | 165㎡ | 13万円/㎡ | 219件 |
福岡県 | 1,900万円 | 105㎡ | 200㎡ | 18万円/㎡ | 387件 |
(出典:当サイトが国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報を集計。2026年第1四半期・用途に「住宅」を含むもの・取得日2026年8月21日。投資用のワンルーム(専有30㎡未満)と事業用に近い大型物件(延床200㎡超)は除外しています。いずれも中央値であり、個別の物件価格を保証するものではありません)
㎡単価は、集計した13都道府県すべてでマンションが戸建てを上回りました。東京都では戸建て55万円/㎡に対しマンション103万円/㎡、大阪府では戸建て19万円/㎡に対しマンション44万円/㎡です。

差が最も大きいのは北海道で、マンション32万円/㎡に対し戸建ては8万円/㎡と4倍の開きがあります。逆に差が小さいのは愛知県(33万円/㎡ ⇔ 27万円/㎡)と埼玉県(36万円/㎡ ⇔ 24万円/㎡)です。
この差が生まれる理由は、価格に含まれているものが違うためです。詳しくは後の「なぜ戸建ての㎡単価はマンションの半分なのか」で解説します。
一方、物件1件あたりの総額で見ると、順位は地域によって入れ替わります。
つまり「マンションのほうが安い」という一般論は成立しません。㎡単価はマンションが高いのに総額でマンションが安く見える地域があるのは、取引されているマンションが戸建てより狭いためです。神奈川県のように戸建てが4,000万円とマンションを大きく上回る地域もあれば、北海道のように戸建てが1,000万円とマンションの半分以下になる地域もあります。
自分が検討しているエリアがどちらのタイプかを、上の表で確認してから予算を組むのが実務的な順序です。

次に、予算帯ごとに「実際に買えた広さ」を集計しました。予算を決めてから種別を選ぶ人が多いため、この表が最も実務的な判断材料になります。
エリア | 予算帯 | マンションの専有面積 | 件数 | 戸建ての延床面積 | 件数 |
|---|---|---|---|---|---|
首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 2,000万円未満 | 55㎡ | 384件 | 90㎡ | 781件 |
首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 2,000万円台 | 60㎡ | 284件 | 100㎡ | 389件 |
首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 3,000万円台 | 65㎡ | 234件 | 100㎡ | 402件 |
首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 4,000万円台 | 65㎡ | 223件 | 100㎡ | 363件 |
首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | 5,000万〜1億円 | 65㎡ | 461件 | 100㎡ | 584件 |
関西(大阪・京都・兵庫) | 2,000万円未満 | 60㎡ | 375件 | 90㎡ | 764件 |
関西(大阪・京都・兵庫) | 2,000万円台 | 65㎡ | 260件 | 100㎡ | 227件 |
関西(大阪・京都・兵庫) | 3,000万円台 | 65㎡ | 187件 | 100㎡ | 229件 |
関西(大阪・京都・兵庫) | 4,000万円台 | 70㎡ | 126件 | 102㎡ | 140件 |
関西(大阪・京都・兵庫) | 5,000万〜1億円 | 70㎡ | 143件 | 110㎡ | 148件 |
中部(愛知・静岡) | 2,000万円未満 | 70㎡ | 117件 | 100㎡ | 376件 |
中部(愛知・静岡) | 2,000万円台 | 70㎡ | 61件 | 105㎡ | 227件 |
中部(愛知・静岡) | 3,000万円台 | 75㎡ | 48件 | 102㎡ | 202件 |
中部(愛知・静岡) | 4,000万円台 | 75㎡ | 29件 | 105㎡ | 88件 |
中部(愛知・静岡) | 5,000万〜1億円 | 75㎡ | 21件 | 110㎡ | 65件 |
地方中核(北海道・宮城・広島・福岡) | 2,000万円未満 | 65㎡ | 154件 | 105㎡ | 784件 |
地方中核(北海道・宮城・広島・福岡) | 2,000万円台 | 70㎡ | 95件 | 110㎡ | 208件 |
地方中核(北海道・宮城・広島・福岡) | 3,000万円台 | 75㎡ | 78件 | 105㎡ | 190件 |
地方中核(北海道・宮城・広島・福岡) | 4,000万円台 | 75㎡ | 33件 | 105㎡ | 99件 |
地方中核(北海道・宮城・広島・福岡) | 5,000万〜1億円 | 80㎡ | 31件 | 110㎡ | 49件 |
(出典:当サイトが国土交通省の実取引データを集計。2026年第1四半期。件数15件未満の区分は「—」としています)
どの予算帯・どのエリアでも、戸建ての延床面積はマンションの専有面積の1.4〜1.7倍あります。同じ金額を出すなら、広さでは戸建てが有利という関係はほぼ全域で成り立ちます。
この表で最も注目すべきは、首都圏の推移です。3,000万円台から1億円まで、マンションの専有面積は65㎡、戸建ての延床面積は100㎡でほぼ横ばいでした。

3,000万円台でも1億円でも、買える広さは変わらないという結果です。では増やした予算はどこへ消えているのか。答えは立地です。首都圏では、予算を上げると同じ広さのまま、より駅に近い・より都心に近い物件に移っていきます。
この事実は購入の考え方を大きく変えます。首都圏で「もう少し予算を出せば広い家に住める」と考えて借入額を増やしても、実際に手に入るのは広さではなく立地です。広さが欲しいなら、予算を増やすのではなく種別(戸建て)かエリアを変えるほうが効きます。
どの立地を選ぶべきかについては都心一強からセカンドベストへ|下がりにくい立地の選び方2026で詳しく扱っています。
一方、地方中核(北海道・宮城・広島・福岡)では、予算帯が上がるとマンションの専有面積が65㎡→70㎡→75㎡→80㎡と素直に増えていきます。中部(愛知・静岡)でも70㎡→75㎡と増加します。
つまり「予算を上げれば広い家に住める」という常識が通用するのは、首都圏以外ということです。首都圏では土地が希少なため、価格差が広さではなく立地に吸収されます。
検討エリアが首都圏かどうかで、予算の増減が持つ意味が変わる点は押さえておきたいところです。

価格や広さと並んで見落とされがちなのが、そもそも市場に出ている数です。13都道府県の実取引を数えると、マンション3,551件に対し戸建ては6,436件と、戸建てが1.8倍動いていました。
都道府県 | マンションの件数 | 戸建ての件数 | 戸建て÷マンション | マンションの築年数 | 戸建ての築年数 |
|---|---|---|---|---|---|
北海道 | 134件 | 542件 | 4.0倍 | 築29年 | 築38年 |
宮城県 | 60件 | 185件 | 3.1倍 | 築31年 | 築28年 |
埼玉県 | 245件 | 693件 | 2.8倍 | 築31年 | 築18年 |
千葉県 | 189件 | 590件 | 3.1倍 | 築30年 | 築29年 |
東京都 | 735件 | 550件 | 0.7倍 | 築24年 | 築10年 |
神奈川県 | 598件 | 784件 | 1.3倍 | 築30年 | 築13年 |
静岡県 | 65件 | 410件 | 6.3倍 | 築24年 | 築31年 |
愛知県 | 216件 | 550件 | 2.5倍 | 築26年 | 築3年 |
京都府 | 122件 | 287件 | 2.4倍 | 築29年 | 築34年 |
大阪府 | 646件 | 793件 | 1.2倍 | 築29年 | 築35年 |
兵庫県 | 341件 | 446件 | 1.3倍 | 築29年 | 築30年 |
広島県 | 50件 | 219件 | 4.4倍 | 築27年 | 築34年 |
福岡県 | 150件 | 387件 | 2.6倍 | 築30年 | 築25年 |
合計 | 3,551件 | 6,436件 | 1.8倍 | — | — |
(出典:当サイトが国土交通省の実取引データを集計。2026年第1四半期・住宅用途)
これは住宅ストックの構成とも整合します。総務省「令和5年住宅・土地統計調査」によると、居住世帯のある住宅は一戸建てが2,931万9千戸(52.7%)、共同住宅が2,496万8千戸(44.9%)で、一戸建てが過半を占めています(出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」)。
ただし比率は地域差が非常に大きく、ここに実務上の落とし穴があります。
つまり「マンションと戸建てを同じ土俵で比べられる」のは、実は都市部だけです。静岡県や広島県で中古マンションを探すと、そもそも候補がほとんど出てこないという事態が起こります。
種別を先に決めてから物件を探すと、地方では「決めた種別の物件が見つからない」という手戻りが発生します。実務としては、検討エリアを決めた時点で、そのエリアに両方の選択肢があるかを先に確認するのが効率的です。
なお、上の表には築年数も併記していますが、これは参考程度に留めてください。戸建ての「宅地(土地と建物)」には新築建売の取引も含まれるため、愛知県(築3年)や東京都(築10年)のように築年数が極端に若く出る地域があります。地域ごとの新築供給の多さを反映した数字であり、中古住宅の古さを表すものではありません。
市場全体の需給の動きについては中古マンション“売れ残り”時代へ|戸建てとの明暗が鮮明、マンション価格の推移についてはマンション価格2026|新築・中古別データとエリアの見極め方をご覧ください。

㎡単価に2倍前後の差がつくのは、同じ「1㎡」でも価格に含まれているものが違うためです。
比較項目 | マンション | 戸建て |
|---|---|---|
価格に含まれるもの | 専有部分+共用部分の持分+敷地の持分 | 土地+建物 |
㎡単価の分母 | 専有面積(住戸内部のみ) | 延床面積(建物の床面積合計) |
共用部分 | エントランス・廊下・エレベーター・駐車場などの持分を負担 | なし |
土地 | 敷地全体を戸数で割った持分 | 敷地全体を単独で所有 |
建物の構造 | 鉄筋コンクリート造が中心 | 木造が中心 |
マンションの価格には、住戸の内部だけでなくエントランスや廊下、エレベーターといった共用部分の持分が含まれています。しかし㎡単価を計算するときの分母は専有面積だけなので、共用部分の分が単価に上乗せされる形になります。
加えて、マンションは鉄筋コンクリート造が中心で、木造中心の戸建てより建築費そのものが高くなります。
もう一つの大きな違いが土地です。今回集計した戸建ての土地面積の中央値は、東京都で100㎡、神奈川県で125㎡、埼玉県で130㎡、北海道では220㎡でした。
マンションの場合、土地は敷地全体を戸数で割った持分として保有します。50戸のマンションなら、敷地の50分の1という計算です。戸建てでは、この土地を単独で所有します。
戸建ての㎡単価が低く見えるのは、延床面積という分母に対して土地の価値が別枠で乗っているためでもあります。単価の数字だけで「戸建てのほうが割安」と判断せず、総額と土地面積をセットで見るのが正確な読み方です。
なお、共用部分を維持するための費用(管理費・修繕積立金)がいくらかかるかについては、マンション1億円時代|今なぜ戸建てが再評価?で35年間の総保有コストの試算とあわせて解説しています。

暮らし始めてからの最大の違いは、費用の額そのものよりも住まいに関する決定を誰が握るかにあります。
マンションの共用部分は区分所有法にもとづき、区分所有者の集まりである管理組合の決議で管理されます。決議に必要な賛成の割合は、行う内容によって決まっています。
行うこと | マンション(区分所有法) | 戸建て |
|---|---|---|
通常の修繕・補修 | 総会の普通決議(区分所有者および議決権の過半数) | 所有者が単独で決定 |
共用部分の著しい変更 | 特別決議(区分所有者および議決権の各4分の3以上) | 所有者が単独で決定 |
建て替え | 区分所有者および議決権の各5分の4以上 | 所有者が単独で決定 |
専有部分のリフォーム | 管理規約の範囲内。床材の変更などは管理組合の承認が必要な場合がある | 建築基準法の範囲内で自由 |
駐車場 | 敷地内の区画を抽選・順番待ちで使用するケースが多い | 敷地内に確保できれば自由に使える |
ペット・楽器 | 管理規約で制限されることがある | 近隣への配慮の範囲で自由 |
修繕の段取り | 管理組合と管理会社が計画的に実施 | 所有者が業者選定から手配まで行う |
(出典:建物の区分所有等に関する法律、国土交通省「マンション標準管理規約」)
この表の読み方は「マンションは制約が多い」ではありません。マンションは決めなくていい代わりに自分だけでは決められず、戸建ては自分で決められる代わりに自分で決めなければならない——というトレードオフです。
屋根の塗り替え時期を10年先まで考えたくない人にとっては、計画的に実施してくれるマンションのほうが向いています。逆に、外壁の色も業者も自分で選びたい人には戸建てが向きます。
専有部分のリフォームは、マンションでも基本的に自由です。ただし実務では次のような制約が出てきます。
一方の戸建ては、建築基準法や用途地域の制限を守る範囲であれば、間取りの変更から増築まで所有者の判断で進められます。二世帯化や在宅勤務用の部屋の増設といった、将来の使い方の変更に対応しやすいのは戸建てです。
ただし戸建ては、工事の必要性を判断するのも業者を選ぶのも自分です。手をかけられる時間があるかどうかが、実際には効いてきます。
手放すときにも違いがあります。マンションは同じ建物内で似た条件の住戸が過去にいくらで売れたかがわかるため、価格の目安が立てやすく、買い手にとっても比較しやすいという特徴があります。
戸建ては土地の形・接道・建物の状態が1件ずつ違うため、相場の幅が広く、価格の判断に手間がかかります。その代わり、建物の価値がなくなっても土地は残ります。
どちらが資産として有利かは立地や物件の条件で変わるため、本記事では優劣を判定しません。判断の基準は資産価値が落ちない物件の選び方|7つの条件を徹底解説で7つの条件として整理しています。

種別を決める前に、次の4つを数字で確認してください。感覚で決めると後から選び直すことになります。
2つ目の「必要な広さ」については、国土交通省の住生活基本計画が世帯人数別の目安を示しています。共同住宅を想定した「都市居住型」と、戸建てを想定した「一般型」で基準そのものが分かれている点が参考になります。
世帯人数 | 最低居住面積水準 | 誘導居住面積水準(都市居住型) | 誘導居住面積水準(一般型) |
|---|---|---|---|
単身 | 25㎡ | 40㎡ | 55㎡ |
2人 | 30㎡ | 55㎡ | 75㎡ |
3人 | 40㎡ | 75㎡ | 100㎡ |
4人 | 50㎡ | 95㎡ | 125㎡ |
(出典:国土交通省「住生活基本計画における『水準』について」)
この基準を本記事の実取引データと突き合わせると、判断が具体的になります。首都圏で実際に取引されたマンションの専有面積の中央値65㎡は、都市居住型では2人世帯(55㎡)を満たすものの3人世帯(75㎡)には届きません。一方、戸建ての延床面積の中央値100㎡は、一般型の3人世帯(100㎡)にちょうど一致します。
3人以上の世帯が首都圏で誘導水準を満たそうとすると、マンションでは中央値より広い物件を探すことになり、その分だけ立地の条件を下げるか予算を上げる必要がある——という関係が見えてきます。
種別が決まったら、次はその種別ごとの実務に進みます。以下の記事で詳しく解説しています。
決めたこと | 次に読む記事 |
|---|---|
マンションにする | |
戸建てにする | |
戸建ての種類がわからない | |
物件のリスクを見極めたい | |
購入の手続きを知りたい |

ここまでのデータを踏まえると、判断は次の3つの質問に整理できます。上から順に答えてください。
質問1(優先) | 質問2(決定権) | 向いている種別 |
|---|---|---|
広さ | 自分で決めたい | 戸建て(迷う要素が少ない) |
広さ | 決めなくてよいほうが楽 | 戸建て寄り。管理の手間を許容できるか確認する |
立地 | 自分で決めたい | マンション寄り。管理規約の制限を購入前に確認する |
立地 | 決めなくてよいほうが楽 | マンション(迷う要素が少ない) |
質問3で「そのエリアに選択肢がない」場合は、種別ではなくエリアを見直すほうが早く決まります。
家族構成やライフステージから考えたい場合は、子育て世代のマイホーム購入タイミング|後悔しない判断基準、共働き世帯のマンション購入|後悔しないエリア選び、DINKS夫婦の住まい選び|後悔しない購入と老後の備え、老後の住み替えとダウンサイジング|50・60代の住まいの選択肢をあわせてご覧ください。
地域によって逆転します。当サイトが集計した2026年1〜3月の実取引データでは、埼玉県・神奈川県・愛知県は戸建てのほうが総額が高く、大阪府・京都府・兵庫県・千葉県・広島県・福岡県・静岡県・北海道はマンションのほうが高くなりました。ただし㎡単価は13都道府県すべてでマンションが上回っています。
戸建てです。戸建ての延床㎡単価はマンションの専有㎡単価のおおむね半分で、同じ予算帯で実際に取引された広さは、戸建てがマンションの1.4〜1.7倍でした。ただしマンションの専有面積と戸建ての延床面積は別の指標である点にご注意ください。
首都圏では増えません。実取引データでは、3,000万円台から1億円までマンションの専有面積は65㎡、戸建ての延床面積は100㎡でほぼ横ばいでした。増えた予算は広さではなく立地に変わっています。一方、地方中核エリアでは予算帯が上がると専有面積も65㎡から80㎡へ増えていきます。
そもそも取引されている数が少ないためです。当サイトの集計では、静岡県で戸建てがマンションの6.3倍、広島県で4.4倍、北海道で4.0倍の取引がありました。マンションのほうが多いのは13都道府県のうち東京都だけです。エリアを決めた段階で、両方の選択肢があるかを先に確認することをおすすめします。
価格の目安の立てやすさではマンションです。同じ建物内で似た条件の住戸が過去にいくらで売れたかがわかるため、売主も買主も比較しやすくなります。戸建ては土地の形・接道・建物の状態が1件ずつ違うため相場の幅が広くなります。どちらが資産として有利かは立地と物件の条件によります。
「広さと立地のどちらを優先するか」「住まいの決定を自分で握りたいか」の2つに答えると絞り込めます。広さを優先し自分で決めたいなら戸建て、立地を優先し決めなくてよいほうが楽ならマンションが向いています。そのうえで、検討エリアにその種別の選択肢が実際にあるかを確認してください。
まずは検討エリアの実取引データで価格と広さの水準を確認し、そのうえで「広さか立地か」「決定権を持ちたいか」の2つに答えてください。種別が決まったら、各種別の購入実務の記事に進むのが最短です。物件を探し始める前に、現在の住まいの売却も検討している場合は不動産一括査定サイトの選び方|注意点と賢く使うコツを解説もあわせてご覧ください。