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この記事でわかること
親や祖父母から不動産を相続した場合、「どんな手続きが必要なのか」「税金はいくらかかるのか」と不安に感じる方は多いのではないでしょうか。相続不動産の売却は、通常の不動産売却と異なり相続特有の手続きが複数あり、税金の特例も活用できます。
この記事では、相続した不動産を売却するまでの流れを5つのステップでわかりやすく解説するとともに、知っておくべき税金対策もご紹介します。
相続が発生したら、まず相続税の申告が必要かどうかを確認します。相続税の申告期限は相続開始(被相続人の死亡日)から10ヶ月以内です。相続財産の総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合に申告・納付が必要になります。
相続税がかかるかどうかは、不動産の評価額(路線価や固定資産税評価額をもとに計算)も含めた全財産で判断されます。不安な場合は税理士への相談をおすすめします(出典:国税庁)。
相続人が複数いる場合、「誰がどの財産を相続するか」を話し合う遺産分割協議が必要です。協議が成立したら遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名・押印します。
その後、法務局に相続登記(所有権移転登記)を申請します。不動産を売却するためには売主名義への登記が必要なため、売却前に必ず完了させる必要があります。
名義変更が完了したら、不動産会社に査定を依頼し売却活動を開始します。複数の不動産会社から査定を取り、実績や対応を比較してから媒介契約を結ぶことをおすすめします。媒介契約の種類(専任・専属専任・一般)の選び方については、「媒介契約の選び方|専任・専属専任・一般の違いと注意点」もご参照ください。
買主が見つかったら売買契約を締結し、ローン審査・決済・物件の引き渡しと進みます。相続不動産の場合は、建物に含まれる残置物(家具・荷物)の処理が必要になることが多いため、早めに準備しましょう。
売却翌年の2月16日〜3月15日に確定申告を行います。相続不動産の売却で利益が出た場合、その利益(譲渡所得)に対して所得税・住民税がかかります。後述する特例を活用することで、税負担を大幅に軽減できる場合があります。
2024年4月1日から相続登記が義務化されました。相続を知った日から3年以内に相続登記を申請しなければ、正当な理由がない場合は10万円以下の過料(行政罰)が科されます(出典:法務省)。
この義務化は過去にさかのぼって適用されます。2024年4月以前に相続した不動産で登記がまだの方も、2027年3月31日までに相続登記を申請する必要があります。売却を予定している場合は速やかに登記を済ませましょう。
相続した不動産を売却する際に活用できる税金の特例が主に2つあります。どちらも要件や適用期限が異なるため、正確に確認したうえで選択することが重要です。
取得費加算の特例とは、相続で取得した不動産を売却した際に、譲渡所得の計算上の「取得費」に負担した相続税の一部を加算できる制度です(出典:国税庁「No.3270」)。
主な適用要件:
空き家の3,000万円特別控除(空き家特例)は、被相続人が1人で居住していた旧耐震基準(1981年5月31日以前建築)の家屋を相続・売却する場合に、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。
主な適用要件:
取得費加算特例と空き家特例は併用できません。どちらが有利かは個々の状況(売却価格・相続税の金額・取得費の額)によって異なります。判断が難しい場合は、税理士に試算を依頼することをおすすめします。
売ることは可能ですが、共有者全員の同意が必要です。一部の相続人が売却に反対している場合は、その持分だけを売却することも制度上は可能ですが、一般的に買い手がつきにくく価格も低くなりやすい傾向があります。まずは共有者間で話し合い、全員の合意のうえで売却することをおすすめします。
通常の不動産会社(仲介業者)に依頼できます。相続不動産の売却実績がある業者を選ぶと、手続きについてもアドバイスをもらいやすい傾向があります。複数社への一括査定サービスを活用することも有効です。
取得費加算の特例の要件は「相続税が課税されていること」です。そのため、相続税の申告が不要だった場合は、取得費加算特例を使うことはできません。その場合でも、空き家特例の要件を満たせばそちらを活用できる場合があります。詳細は税理士にご相談ください。
相続した不動産の売却は手続きが多く、税金特例の選択も重要です。焦らず各ステップを確認しながら進めることが大切です。売却のご相談は不動産専門家へ、税金のご相談は税理士へそれぞれお問い合わせされることをおすすめします。